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38.芹沢専務の自宅で鉢合わせた人

Author: 桜立風
last update publish date: 2026-07-13 12:00:18

私はまだ、ホテル暮らしをしている……

試験が終わったら、ホテルを出て一番はじめに目についた不動産会社で、一番はじめにおすすめされた物件に住むと決めていた。

結局試験は受けられなかったけれど、終わったらすぐに芹沢専務の部屋に置きっぱなしの荷物を引き取りに行くつもりだった。

今夜、それを実行に移すべく、芹沢専務のマンションにやって来たところ。

遅くなるから別日を指定されるとか、そういうことは避けたくて、連絡せずにマンションに来た。

……あいにく、雨が降ってきた。

まだカードキーを預かっていることから、マンションのエントランスに入らせてもらうことにする。

雨はどんどん激しくなり、やがて横殴りの雨に変わっていったから。

紅はソファに腰掛け、駐車場に入っていく車のヘッドライトをぼんやり見つめた。だが、雨のせいで車種はまったくわからない。

深いため息と頬杖をつく紅。

……実は自分の行動を後悔していた。

それは、すべてを与えて興味を失わせ、芹沢専務の好意をなかったことにする作戦のこと。

あの日、芹沢専務に体を任せてしまったことを、親友の亮子に言えないでいる。

この間2人で会った時、彼女の言葉の端々
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  • クズなハイスペ夫を改心させたのはもっとクズな私です   7.再会

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  • クズなハイスペ夫を改心させたのはもっとクズな私です   6.紅の生い立ち

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  • クズなハイスペ夫を改心させたのはもっとクズな私です   5.Side神楽 謎の女、紅

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  • クズなハイスペ夫を改心させたのはもっとクズな私です   4.契約満了

    「荷物、それだけだったか?」やがて、契約満了の日。見せつけるようにスーツケースを転がし、神楽の目の前に置く。「はい。このお宅にはすべてそろっていたので、ありがたく使わせていただきました」枕、毛布、シーツ、バスタオル、バスローブ……「引っ越し先の住所を教えてくれたら送るよ?使い慣れたものは手放したくないだろ?」「……あなたはそうかもね」使い慣れた契約妻を、今も時々美味しくいただいてる。「……え?」「……使わせてもらった枕、抱きしめて寝てくれません?私のことを思い出して」不思議そうな顔に作り笑いを返した紅に、今度は驚いた顔をするので、本気で吹き出してしまった。「冗談ですよ!

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