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38話

Penulis: Yuu
last update Terakhir Diperbarui: 2025-07-26 20:34:58

「昼休憩に入ろうか」

美容室は病院や整骨院みたいに昼休みがあるわけではなくて、お客さんが途切れた合間などにお昼ご飯を食べるみたいだ、今の時間は13時だが今から1時間ほど間が空いたからお昼ご飯を食べることになった。

「山田さんはいつもお弁当なんですか?」

山田さんの弁当は色合いもよく野菜と肉がバランスよく入っているものだった

「うちは奥さんが毎日作ってくれている愛妻弁当だ。羨ましいだろ」

「羨ましいかはわかりませんがいいですね」

「瑞樹ノリ悪いな」

「すいません」

「山田さん一つ質問良いですか?」

敬都が山田さんに質問をした

「いいぞ」

「B&Cってどうゆう意味があるんですか?美容室っていろんな名前があっておしゃれなものから美容師さんの名字をそのまま使っているところとか様々だと思うんですが、山田さんはなんでB&Cってつけたのかなと思って」

「別に大した理由はないけど聞いちゃう?」

「はい」

「B&Cはな....」

「.....」

山田さんは数秒間をおいた

「ブラックコーヒーって意味だ!!」

「????」

俺と敬都のあまたの中には?しか思い浮かばなかった

「ブラックコーヒーですか?」

「そう。俺がお店を独立したのは25歳の時で、独立というよりは元々あった美容師を居抜きという方で引き継いだというのが正しいかな。さっき敬都がいったように美容室の名前っておしゃれだし個性的なものが多いだろ?だからいろいろな候補をあげてもしっくりこなくて。でもお店のオープンの日は決めていたから店名は決めないといけなかった。この名前をつけたときはカフェでオープン準備の事務作業をしていたときで。その時にマスターが淹れてくれたコーヒーがめちゃくちゃ美味しくて、なんか頭のモヤが晴れたような気がしたんだ」

山田さんは持っていた缶コーヒーを飲んで続けた

「ブラックコーヒーって苦いけど美味しいんだ。最初は苦くて飲めなかったけど徐々に飲み続けていけばブラックしか飲めなくなってしまうぐらい美味しく感じるんだ。美容師は外から見たら煌びらかな印象があるけど実際に働いてみると辛いこと苦しいことはたくさんある。それでも続けていけば美容師が一番いいと思える瞬間があると思う。それに経営も人生も簡単じゃない。こんな美容室になりたいというよりはこの名前は自分に対して「お前の道は甘くないぞ」の意味も込めて付けた感じかな。まぁ最初は思い付きからのほかは後付けの理由だがな」

「思ってた以上に山田さんの理由がかっこよくて戸惑っています」

「僕も瑞樹と同じ気持ちです。山田さんってちゃんといろいろ考えているんですね」

「2人は今日会っただけの人間にどんな印象をもっているのかな」

「適当」

「単純」

「おい、おまえら表に出ろ」

本当は俺も敬都も初めて会って数時間で冗談を言い合えるような空気を作ってくれている山田さんのすごさを尊敬している。

「ついでにもう一つ聞いていいですか?」

「なんだ瑞樹」

「職場体験の職場を決めるときに男子の方がいいと書いてあったのはどうしてですか?クラスでも美容室で体験してみたいって子たちがいたから」

「それは単純に女子高生と2人とかと同じ空間にずっといても話すことがないし、2人でこそこそ話されたら悪口いわれてるんじゃないかと気にするかもしれないだろ」

「悪口を言われるかはわかりませんが」

「普通に男同士の方が気軽で楽しいってことよ」

「なるほどですね」

確かに、今はなしているのが女性の美容師だったら俺と敬都もこんなラフな空気を作れていないかもしれない。陰キャ二人としてはこの空間は大いに助かる。

敬都も同じ気持ちなんだろう。山田さんの話をうなずきながら聞いている。

「さて、昼ご飯も食べたしあと一人お客さんしたら今日は終わりだ」

「「はい」」

次に来るお客さんは中3年生の女の子だった

「こんにちは」

女の子は元気いっぱいで来店した

「いらっしゃい」

「「いらっしゃいませ」」

「.....」

「ごめん西村さん、びっくりしたよね。この二人は青和春歌せいわしゅんか高校の高校2年生で二日間職場体験できているんだよ。だから普段と違うかもしれないけど気にしなくていいから」

「えっ。青和春歌せいわしゅんかですか??」

「そうです」

「え~~~~~~。私今中学3年生なんですが、青春あおはる高校を第一希望で受験しようと思っていたんです」

「そうだったの?なら今日はカットの時間二人に聞きたいことがあれば、なんでも質問していいよ」

「いいんですか?なら質問考えます」

西村さんが言った青春高校というのは俺たちが通っている高校の略称だ。他には青高などともいわれるが、青春というワードが高校生にはいいらしく、俺たちが通っている高校はこの辺じゃ人気を誇っている。

「じゃぁなんでお二人は青春高校を選んだんですか?」

「俺は家が近かったからかな」

「僕は男子高よりは共学の方が安全な学生生活を送れるかなと思って」

「2人とも志望動機に説得力がないな」

「でも!学校行事が多いのは楽しそうだなって思ったよ」

うちの学校は他の学校に比べても学校行事の数が多いといわれている。

この職場体験が終わると次は文化祭の準備が始まる。

それから夏休みを挟んで体育祭がある。

だいたい1~2か月に1度はイベントが組み込まれている。

元々青春高校は名前さえ書けば受かるような馬鹿学校で有名だったそうだが、校長先生が変わって学校行事などに重点を置いたり、スポーツに力を入れたりした効果で徐々に学生のレベルが上がり、今では県内で人気の高校になったわけだ。

「そうなんですよ!私もオープンキャンパスで話を聞いたんですが、他の高校に比べて学校行事が楽しそうなんです」

「よかったら今度の文化祭友達とおいでよ。うちの学校外部からくるのOKだから」

「絶対行きます。友達誘っていきます」

「あとは勉強がちょっと不安なんです。勉強が苦手というわけではないんですが、親からは勉強しなさいっていわれているし、塾にも通っているんですが、自分の気持ちがのってこなくて」

「僕もそんなときがあったな。僕はアニメや漫画が好きだから隙あらば趣味の方に走ってしまうから勉強よりも趣味を優先してしまうところがあって、親からはずっと勉強しなさいって言われていたな」

「先輩はどうやってモチベーションあげたんですか?」

「僕の場合は単純で親に勉強しないならあんたの大事なもの捨てるからと本気な感じで言われて頑張った感じかな」

「それはえぐいな」

「そのあと勉強したから捨てられずにすんだんだけど。瑞樹はどうだったの?」

「俺は最後までモチベーション上がらずになんとかギリギリ受かった感じかな」

「天才かよ」

「全然天才とかじゃなくて、要点を抑える勉強していたらそこがちゃんと出た感じかな。あとは塾の先生が言っていたところが結構出たのも大きかったかな」

「それは先輩のポテンシャルがすごいだけで、私にその勉強方法は無理です」

今まで静かに聞いていた山田さんが口をひらいた

「多分それに関してはみんな「同じ」じゃなくてみんな「違う」が正しいんだと思う。敬都にとっては大事なものを捨てられたくない気持ちがモチベーションに繋がった。逆に瑞樹はモチベーションは一定だったからやるべきことをちゃんとやった。西村さんもみんなのようなモチベーションを意識しなくてよくて、自分のペースを見つけていくことがいいんじゃないかな。そっちほうが病まずに済むと思う。受験シーズンのニュースをみていたら、鬱になって自殺する人もいるぐらい、受験勉強は精神的に来るんだと思う。だからまずは健康的に頑張るのが一番だとおっちゃんは思うな」

「自分のペース・・・・」

「あとは目標とかを立てたらいんじゃない」

「目標?」

「この学校でこうゆうことしてみたい。憧れの先輩に会いたいとか。恋愛したいとか。部活を頑張りたいとか。なんでもいいから目標を立てたら具体的に頑張れるかもしれないなと思って」

「それいいですね!!」

「俺たちは西村さんのことを学校で待っているから頑張って」

「あっ。でも僕たち学校では陰キャポジションにいるから近づきにくいかもしれないけど」

「そうなんですか?」

「そうだよ。でも西村さんが学校で見かけたらこっちから話しかけるよ」

「ありがとうございます」

「瑞樹ちょっとタオルとってきて」

「はい」

「先輩」

西村さんは敬都に話しかけた

「?」

「あの先輩って彼女いるんですか?私めちゃくちゃタイプなんですけど」

敬都は西村さんのまさかの質問に驚いた

それと同時にさっき「目標を立てた方がいい」的な話をしていた女の子に

いきなり目標の一つを消すようなことを言っていいのかを考えた

だが、瑞樹と嶋野さんのことは学校に来れば遅かれ早かれわかることだと多い正直に話すことにした

「いるよ」

「そうなんですね」

「彼女は学校では有名な人だから文化祭なんかで学校に来た時にみてみるといいよ」

「はい。ぜひ」

西村さんの目はまったく落ち込んでおらず、逆に輝きに満ちていたことを知る人はこの中にはいなかった

「文化祭絶対いきます」

施術が終わり、帰り際西村さんは元気よく帰っていった

敬都と山田は先ほどの会話を瑞樹には話さなかった

「さて今日はあがっていいぞ」

そして俺たちの職場体験一日目の終わりの時間になり。

キリのいいところまで仕事を手伝い帰宅した。

「明日までよろしくな」

「「はい」」

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