登入万物研究会についての説明は、概ね神崎から聞いていた通りのものだった。
研究内容に、指定はない。
各々が自由に興味のある事を調べ、考察、実験、観察、調査した結果を発表したり、それについて議論をしたりするというのが主な活動内容ということだ。意外だったのが、研究会のメンバーは現状、香月先輩と朝山先輩の二名だけというものだった。
というのも、去年同じクラスになった二人が各々興味のある分野での話で大いに盛り上がり、話のノリとその場の勢いで立ち上げた研究会で、神崎を除いては特に誰かを誘うという事もなかったらしい。
そもそも正式な部活動という訳でもなく、様々なツテを当たっては機材や場所を確保して作り上げた非公認の研究会というのが実態だった。
それが許されているのは生徒の自主性を重んじるという、悪く言ってしまえば放任主義の校風があってこそなのだろう。
二人だけの研究会とはいえ、活動自体はちゃんとしていたらしい。
近々、香月先輩は自身が行っている研究の成果発表をするとのことだった。「君たち二人に、今すぐ入会してほしいとまでは言わないさ。正式な部活動という訳でもないしね。気が向いたからとか、私に会いたかったとか、そんな理由でいつでも顔を出してくれて構わない。歓迎するよ」
その言葉の後、空になったカップがテーブルに三つ並んだ。
それを合図として、その場は解散ということになった。香月先輩を残して研究会を後にした俺と神崎が次に向かったのが、誰もがその名を知るハンバーガーで有名なファーストフード店だった。
お腹が空いたという神崎の言葉には、同調せざるを得なかった。
その理由は簡単だ。
午前中で終わる筈だった本日の校内活動が、神崎の急な誘いよって午後まで延長された挙句、腹に入ったものが珈琲だけだったのだから。各々が注文したセットの品を手に持ち、神崎がお気に入りの席だという二階窓際のカウンター席に並んで腰掛けた時には、時刻は既に十四時を回っていた。
随分と遅い昼食になったものだった。
ポテトを口に運び咀嚼を始めた事で、ようやく空腹を訴えていた腹の虫も治り始めた。
俺の隣では、両手に持ったテリヤキバーガーをリスのように頬張っている神崎の姿がある。
こうやって神崎と一緒に昼食を摂る日が来るとは思っていなかったので、何だか変な感じがした。
この時間は俺が気になっていた事を質問するには、良い機会だろう。
そう考えた俺は、神崎に質問を投げる。「で、今日はなんで俺をあの研究会に連れていったんだ?」
「私の話を聞いて、香月先輩が岩倉君に会いたがっていたから」 「そうじゃなくて、俺が聞きたいのはその理由だよ。お前達が、俺に興味を示す理由が全く分からない」 「私の研究には、貴方の存在が欠かせないから」その言葉を聞いた瞬間、胸の奥がざわついた。
俺が必要なのではない。
俺を通して見える何かが必要なのだと、そんな気がした。
またそれかと、呆れそうになった俺の姿を神崎の瞳が映していた。
その瞳の色が、また変わっていた。
気味が悪いと感じてしまう、あの多彩な色をした瞳に。
「……それは、どういう研究なんだよ?」
「私の研究内容に興味があるの?」 「そりゃあな。そんな風に言われたら、興味も沸くだろ」 「なら、岩倉君も私と一緒にあの研究会へ入会すれば良い。そうすれば、自ずと分かる」 「入会って言ってもな、俺には特に研究したい事なんてないぞ」 「本当に? 何もないの? 今まで生きてきて、その中で経験した不可思議な体験とか、解明できていない謎な出来事とか、単純にもっと深く知りたい事柄とか、なんでも良いと思うのだけど」そう言われて、脳裏に浮かぶ事があるにはあった。
それは、自分自身に関連すること。 とある現象について。だが俺は、それを口にする気にはならなかった。
「私にはある。どうしても知りたいこと。それはただ黙って観察しているだけじゃ、きっと分からない。だから私も香月先輩のように観察だけじゃなくて推論、考察、調査、あらゆる手段を用いてそれを解明したいと思っている。なぜなら……」
神崎はそこまで言って、不自然に沈黙した。
何かを考えこむように、ジーっとテーブルに視線を落としている。「なんで……なんで私、こんなにも知りたいと思っているんだろ」
それは俺に向けた言葉ではなく、神崎が自分自身へ問いかけた言葉に聞こえた。
なぜだろう、彼女の瞳には困惑の色が浮かんでいた。
「……ごめん、今日はもう帰る。付き合ってくれてありがとう。入会の件、考えておいて」
「え、あ、ああ」突然の事だったので、俺は少し面喰ってしまった。
ずっと何かを考えこむ様子を見せながらもトレイを片付け、足早に去っていった神崎の背中を黙って見送る。
空席となった隣を見ながら、俺はストローに口を付け、今日の出来事を反芻する。
「……変な一日だったな」
思わず口を付いて出たのは、そんな感想だった。
その夜、布団に入って目を閉じても、神崎の言葉だけが耳に残っていた。
――私の研究には、貴方の存在が欠かせない。
俺はその意味を、まだ知らない。
俺の発表が終わると、例の如く機材の片づけから始まり、香月先輩が入れた珈琲をお供に四人で円卓を囲む形となった。「さて、ここで会長特権を使わせてもらおう」 皆が珈琲に口を付けた後、いの一番に口を開いたのは香月先輩だった。「会長特権?」 首を傾げて疑問を投げた朝山先輩に対し、香月先輩はコクリと頷く。「妃那美も怜菜も、岩倉君に質問したい事があるのは分かっているが、ここは会長特権を使わせてもらう。つまり……質問は私からだ」「えー、なんだそれー。ずるいぞー!」 やんややんやと文句を言う朝山先輩を無視して、香月先輩は俺へと視線を向けた。 ちなみに神崎はというと、親指ってそんな速さで動くのかと驚かざるを得ない速度で、スマートフォンを弄っている。 また、何か調べているのだろう。「まずは岩倉君、発表お疲れ様。とても……本当にとても興味深い内容の発表だったよ。シナスタジア、私もその言葉自体は知っていたけどね。君の発表からは私の知らない新しい知識が沢山得られたよ。特に共感覚の知覚現象の例や、君自身に生じている現象については、とても興味深いね。なんというか、私達人間の感覚、知覚と呼ばれているものは想像以上に複雑で奥深く、どこか神秘的とさえ感じた」 そう話す香月先輩は、どこか楽しそうだ。 その瞳からは楽しい、関心といった感情の色が見えた。「さて、私からの質問だが、君は他人の目から感情の色が見えると言っていたね。いま私の目からも、その色が見えるのかな?」「はい、見えますね」「どんな感情の色が見えているんだい?」「今は黄色と橙色なので、楽しい、もしくは嬉しいかな。後は興味、関心といった感情の色も混じって見えます」「……ふむ、当たっているね。私自身の今の感情として、それが正しいと思う。楽しい、嬉しいと言った感情は喜びに付随するものだから、同じ色に見えるということかな。興味、関心に関しても類似した感情と言える……感情と色の結びつきについ
水曜日の放課後になった。 俺は緊張に弾む心臓の音を少しでも落ち着かせようと、一度だけ深呼吸をしてから、万物研究会への扉を開く。 部屋には既に、香月先輩の姿があった。 今日は俺が研究テーマを発表する日なのだが、彼女は機材の準備だけ既に進めてくれているようだった。「やあ、岩倉君。発表用のデータは持ってきてくれたかな?」「あ、はい。これです」 俺は学生鞄の中から、予め香月先輩から預かっていたSDカードを取り出し、それを彼女に渡す。 SDカードの中には発表用に使うスライドデータのテンプレートと、それを元にして俺が作成したスライドデータが格納されている。 香月先輩は俺から受け取ったSDカードを、彼女が持っていたノートPCにあるメモリースロットに差し込んだ。 SDカードから読み込まれたスライドのデータが、PC上に表示される。「ほう、興味深いね。これは、もしかして君自身の――」 そこまで言った所で、香月先輩は言葉を止めて緩やかに首を左右に振った。 ふわりと香ってきたシャンプーの香りに、一瞬だけ気を取られた。「いや、すまないね。発表前だというのに、つい質問してしまいそうになってしまった。質問は、後の楽しみにとっておこう。あとはこのケーブルをここに差し込めば、スクリーンにPCの画面が表示される。スライドのページ移動に関しては分かるよね?」「はい、大丈夫です」「よろしい。では、準備完了だ」 そんなやり取りから数分も経たない内に、朝山先輩がいつもの「やほー」という挨拶で登場した。 そのすぐ後に、神崎が無言のままペコリと頭を下げながら姿を見せた。 メンバー全員が揃い、それぞれが定位置へと着いた所で、香月先輩によって部屋の電気が消灯される。 そのタイミングに合わせて、俺は先ほど言われた通りにケーブルを配線した。 問題なくPCの画面がスクリーンに投影されているかを確認した後、皆の反応を伺う。 朝山先輩は首を傾げている。その様子から察するに、どうやら彼女はスクリーンに映し出
日曜日の午後、俺は学校からタブレットPCを家に持ち帰り、そのキーボードを叩いては、頭を捻るという行動をひたすらに繰り返していた。 香月先輩と朝山先輩、万物研究会の既存メンバーである二人の発表が終わった。 そのため、次は新メンバーである俺と神崎が研究テーマについて発表する運びとなったのがその原因だ。 香月先輩からは、今週どこかのタイミングで、簡単に研究テーマについての発表をしてほしいと頼まれている。 しかし、その研究テーマというものが、中々決まらない。 研究対象は何でも良いとは言われているものの、そこまで自由だと逆にテーマを選定するのが難しいと感じた。 いや、実を言うと一つだけ頭に浮かんでいる事が、あるにはあるのだ。 だが、それを研究テーマとして皆の前で発表するというのには、若干抵抗を覚えた。 なぜならそれは、自分自身に関連することだから。 幼少期にその事を他者に告げた事で、周りから奇異の目で見られたり、からかわれたりする事となった経験は、俺の中でまだ少しトラウマとして残っている。 これはあまり他人に吹聴して回る事ではないという考えは、そういった経験から来るものだった。 しかし、その一方でこうも思うのだ。 香月先輩や朝山先輩が俺の何かを知った所で、俺への態度を変えることなんてあるだろうかと。 まだ短い付き合いなのだが、俺はそう思えるくらいにあの人たちの事を信用しているし、好意的な存在だと捉えている。 神崎に関しては、正直よく分からない。 あの不思議系美少女に関しては、何を考えているか全く分からないからだ。 俺を困惑させる数々の発言や行為は、未だ留まる事を知らない。 そもそも、俺があいつの事をどう思っているのか、俺自身がよく分かっていない。 苦手である事は、間違いない。 あの非日常的な何かを感じる瞳が、好きになれない事は間違いない。 でも、だからと言って神崎の事が嫌いかというと、そういう訳でもない。 あいつの事を考えると発
朝山先輩の発表が終わり、機材の片づけを皆で協力して完了させた後、俺たち万物研究会のメンバー四人は中央のテーブルに集まって一息ついていた。 発表を終えた朝山先輩は何だかんだ緊張していたようで、その糸がほぐれたかのように脱力している。 香月先輩は優雅に珈琲の入ったカップを啜っており、その視線はテーブルに突っ伏している朝山先輩へと向いている。 神崎はというと、前回と同様にスマートフォンで何かを調べているようだった。「妃那美、発表について質疑応答の時間を取りたいんだが、いけるかな?」 香月先輩の言葉に勢いよく体を起こした朝山先輩は、どんと来い! とでも言わんばかりに両手を広げる。「では、私から質問させてもらおう。君は幽体離脱という体験を通して宇宙空間を進み続けたと言っていたが、それはどれくらいの時間、どれくらいの距離か分かるかい?」「うーん、時間に関しては正直、数値で出すのは難しいかなー。体感としては、凄く長かったとしか言えないんだよねー。距離に関しても、ぶっちゃけ分かんない! 凄い速さで周囲の星々が全部線になってビュンビュン後方へと消えていく、そんな景色を長い時間ずーっと見てた感じ。だから惑星の位置とか、そういうのも視認出来ないくらいだったんだよねー」「それって凄く……怖いですよね」 それは、俺の口から自然と出た言葉だった。 女性陣三人の視線が、一斉にこちらへと向く。「いや、想像するだけで怖いなーと思って。だって凄い速さで進み続けたとしても、宇宙の果てまで到達するのにどれくらいの時間が掛かるかも分からないじゃないですか。そもそも果てなんてものは無いのかもしれない。もしそうだとしたら、永遠に同じ景色の中を進み続ける事になる……それって、考えるだけで怖くないですか?」 俺の言葉に朝山先輩は同意を示すかのように、大げさにうんうんと頷いてみせた。「やっぱり、岩倉君もそう思うよねー。私も幽体離脱中は考えたよー。もしかしてこれ、一生終わらないんじゃない? って。そう考えたら、もう怖くて怖くて泣きそうになったよね」
そんなこんなで火曜、水曜、木曜日と日々は過ぎていき、あっという間に朝山先輩が発表する日である金曜日になった。 放課後に研究会へとやってきた俺は、既に三人揃っていた面々への挨拶を済ませた後、いつもの定位置へと腰かける。 今日の主役とも言える朝山先輩は「配線間違えたー」とか「あれー? スライドどこに格納したっけー」等と独り言を言いながら、準備を進めている途中だった。 そこから発表までの流れは、香月先輩の時とほとんど同じだった。 朝山先輩の「準備かんりょー」という言葉を合図に、香月先輩が室内灯のスイッチをオフにする。 室内が暗くなることで、ようやくスクリーンに表示された内容が視認できるようになった。 そこには、このように書かれていた。【幽体離脱体験についての報告】「えっと、じゃあ始めても良いかな? 私の発表内容は……これです!」 ビシっと音が鳴りそうな勢いで、スクリーンを指差す朝山先輩。 それから数秒、沈黙の時が流れる。 いくら待てども、続きの言葉が朝山先輩から発せられることがない。 どうしたのだろうと不思議に思い、彼女をよく観察する。 どうやら、朝山先輩は緊張で頭が真っ白になっているようだった。「妃那美……別に発表だからと言って、畏まる必要はないんだ。いつも私達と会話しているような感じで、普通に話を聞かせてくれれば良いよ」 香月先輩の助け舟に同調しようと、俺と神崎が同時に頷いて見せた。 それを見て、緊張の糸が少し解けたらしい。 朝山先輩は何度か大きく深呼吸をした後、屈伸運動をその場で何度か行ってから、ようやく口を開き始めた。「ご、ごめんねー。人前で話すのって昔から得意じゃなくて、頭真っ白になっちゃった。そうだよね、いつも通りで良いんだよね。んっと、実はわたし小さい頃から霊感っていうのがあってねー、そのせいか分からないけど、結構不思議な体験っていうのをよくする事があったんだよね。その中でも特に印象に残っているのが、この表題となって
「新メンバーの歓迎会をしよう」 研究会へ到着し、先に待っていた香月先輩から発せられたのは、そんな言葉だった。 見ると中央のテーブル上には、ペットボトル飲料やお菓子の類が並んでいた。 香月先輩が用意してくれたようだ。 お菓子類に目を輝かせた朝山先輩と神崎は、我先にと席へ着くと、好みのお菓子について談義を始めた。 香月先輩が俺を呼び出したのには、こういう理由があったらしい。 今日は研究活動ではなく、親睦を深めることが目的のようだ。 二人に続き、俺も席へと腰かける。 なんとなく、定位置というものが既に決まっているようだった。 俺の向かいに香月先輩、左手側に神崎、右手側に朝山先輩という形だった。「各自好きな飲み物は手に取ったかな? ではでは、岩倉君と怜菜の入会を祝して、乾杯といこう」 香月先輩の音頭に合わせ、四人でペットボトルを合わせる。 それが、歓迎会はじまりの合図となった。「あ、これ春季限定のやつだー。食べてみたかったんだよねー」「それ、私も気になってました」「おー、じゃあ二袋あるから二人で半分こしよー」「なんだ、二袋しかないのか。それは残念だ」「あ、小夜子も欲しい? じゃあ、はい。あーん」「え? ああ……あ、あーん」「おいし?」「うん……美味いな。だが、その、あーんといのは少し照れるんだが……」 女三人寄れば、姦しいという言葉がある。 その言葉通り、女性陣は和気あいあいとしていた。 大人しいイメージの神崎でさえ、好きなお菓子を前に、いつもよりかはテンションが高く見える。 適当なお菓子をつまみながらそんな事を考えていたら、神崎の目がこちらを向いた。 こいつがこの目をするのは、いつだって唐突だ。 俺の苦手な、あの目。「……何か言いたい事でもあるのか?」「別に。
万物研究会への入会が決まった日から数日が経ち、翌週の月曜日。 予想通りではあったが、バスケ部に俺を誘ったクラスメイトからは、香月先輩との関係について教えろと詰められた。 面倒だなと思いつつも、とある会へ入会する事になり、彼女はその会の会長であることを正直に伝えた。 最初は興味を持ったクラスメイトだったが、活動内容について説明すると彼はつまらなそう、モテなさそうという感想を残し、すぐに興味を失ったかのように話題を転換させた。 変な波風が立たなかったことに、俺はとりあえず一安心だった。 その日の放課後、クラスの
香月先輩の発表が終わり、室内が明るくなった。 俺は少しぼんやりとした頭を覚醒させようと、軽く頭を振ってから室内を見回す。 今しがた発表を終えたばかりの香月先輩は、一息つこうと思ったのだろう。優雅に珈琲を淹れている。 朝山先輩は、脳がショートでもしてしまったのだろうか、ポヤーっという擬音が発せられそうな面持ちで、ぼんやりと中空を見つめている。 神崎はというと、スマートフォンを片手に何かを調べているようだった。今の発表に対して調べているのだろうか。だとしたら流石優等生、勤勉なことだ。「岩倉君、君も飲む
強引に連れてこられた万物研究会の部室には、予想していた通り既に神崎と朝山先輩の姿があった。 二人は中央にある楕円形のテーブルを挟んで、向かい合う形で座っていた。 両手に自前のものだろうか、黒猫のプリントが施されたカップを持ったまま、俺の姿を見た神崎が瞳の色を変える。 朝山先輩は「やほー」と軽い口調で俺と香月先輩を出迎えた後、ササっと俺が座るための椅子を用意してくれた。「あ、なんか、すいません。ありがとうございます」 用意してくれた椅子に腰かけると、朝山先輩は柔和な笑みを俺に向けた。 初めて会
神崎に誘われて万物研究会へ顔を出してからの数日は、俺が思っていたよりかは平凡な高校生活となった。 家から近いというのが志望した理由として大きな割合を占めていたこともあり、同級生の中には中学からの顔馴染みも多かった。 そういった理由で友達作りに困ることもなく、クラスメイト達とどうでも良い話で笑いあったり、ふざけあったりして日々は過ぎていった。 何も特筆することもない、どこにでも見られるような普通の学校生活。 そんな生活を送る中でも時折、研究会の事が頭を過ぎることはあった。 クラスメイトから、一緒にバスケ部に入