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第1192話

Author: リンフェイ
咲はその車のほうへ顔を向けて、運転手は一体誰なのか目を凝らして見ようとしたが、やはり視界は真っ暗だった。少しの光は感じ取られるのだが、それでも目の前の光景をはっきりと映し出すことはできない。

光は目の前にあるというのに、どうしても自分の目には届かない。

「君は毎日歩いて店に行ってるんですか?」

低い声が響いた。

そして、咲はそれが結城家の二番目の坊ちゃんの声だとわかった。

辰巳は義姉である唯花に一度してやられて、咲を花屋に送った時に、咲が彼にお礼をして名前を尋ねていた。辰巳は理仁のように自分の身分は隠さず、はっきりと咲に自分が結城家の若者世代の中で二番目に年上の結城辰巳であると教えたのだった。

「結城さん」

咲は相手が辰巳だとわかると、いつものあの営業スマイルを見せた。

「柴尾家には専属のドライバーがいないんですか?」

「います。私にはいないだけです」

辰巳はそれを聞いて唇をぎゅっと結んだ。おばあさんが彼に選んだ花嫁候補は目が不自由なだけでなく、可哀想な境遇の娘だった。父親は亡くなり、母親からは煙たがられている。

「乗ってください。店まで送りましょう」

咲はその
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