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第447話

Auteur: 星柚子
その一言で、武也の口元に浮かんでいた作り笑いがぴたりと凍りついた。

正修――忌々しいやつだ。

奈穂にプレッシャーをかけるなと言っておきながら、今度はわしにプレッシャーをかけてくるとは。

正修は武也を見据え、続けた。「お顔色があまり良くありません。もう、あまり多くのことに気を揉むお歳でもないでしょう」

武也は言葉の真意を理解できなかったふりをし、朗らかに笑った。「何でもない。昨夜少し寝不足でね。年を取れば、あちこち不調も出るものだ。心配はいらん」

本心では正修と話す気などさらさらなかった。黒く沈んだような正修の視線をあえて無視し、相変わらず慈愛深い年配者の顔を作って、奈穂と世間話を続ける。

奈穂は礼儀正しく応じながらも、頭の中には前回ここを訪れたときの光景がよみがえっていた。

あのとき、武也が自分に向けて放った言葉。

そして今日の態度。

まるで別人だ。あの日の出来事が、夢だったのではないかと思うほどだ。

しばらく雑談が続いたあと、武也は今度は縁談の話を持ち出した。婚約式はいつにするのか、準備は順調か――言外に、もはや自分は二人を妨げるつもりはないという意思を滲ませる。
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