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第23話

Auteur: クレヨンまるこ
それとも、ただ自分を煙に巻こうとしているだけなのか。

咲夜は、晴南が送っていくと言い出すとは思ってもいなかった。わずかに眉をひそめ、思考を巡らせる。

あのマンションにはすでに買い手がついており、これから不動産仲介所へ向かい、引き渡し契約を結ぶ予定だった。

この土壇場で余計な揉め事は起こしたくない。何より、マンションを売却する決断を下したことを晴南に知られたくなかった。

だが、今の晴南の様子を見る限り、このまま大人しく自分を行かせてくれるはずがないことは明らかだった。

これまでは、自分の行き先など微塵も気にかけなかったくせに、どうして今になって執拗に付きまとってくるのか。

その振る舞いに、咲夜は強い苛立ちを覚えた。

咲夜は晴南の視線を真正面から受け止め、静かに答えた。

「……それじゃあ、お願いするわ」

結局、咲夜は妥協を選んだ。

送りたいというのなら、送らせればいい。目的地に着いてから適当な理由をつけて追い払えば、それで済む話だ。

咲夜は行き先を告げると、後部座席のドアを開けて車に乗り込んだ。

咲夜が後部座席に座ったのを見て、晴南は露骨に不機嫌そうな顔をした。本気
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