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第925話

Author: 歓乃
「わかってる」

海斗はそう答えると、一度に二つを崩せるやり方を口にした。

「利明が小林に何をされたのか、その経緯を全部明らかにするうえで、裏で糸を引いてたのが美雪だって証拠を出せばいい。そうすれば、彰菜さんも美雪を庇いきれなくなる。

ただし、凛がそれをして後悔しないならだけど」

凛は逆に聞き返した。「証拠を出して、本当のことを話すだけでしょ。何を後悔するの?」

海斗は満足そうに目を細めた。それならいい。

もっとも、やられたら必ずやり返す海斗にとって、それだけではまだ足りなかった。

美雪も彰菜も、結局のところ神谷家がもたらす地位と金に執着している。だが、それが成り立つのは、美雪が「茂の養女」で、彰菜が「茂の妻」だからだ。

二人にはいつだって茂の存在が必要だ。なら、その茂自身が神谷家を離れてしまえば、話は根底から変わる。

利明が「父に中身を見せてもらえないまま書類へ署名させられた」と話したときから、海斗にはある程度の予想がついていた。

茂は本気で神谷家を出るつもりなのだろう。それなら海斗としても、背中を押すことにためらいはない。

凛が美雪と彰菜を庇う気はないことも、今
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