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第244話

手足あせだく
実花は、ただ冷ややかにその様子を眺めていた。

和真が躊躇う姿を見ても、不思議なほど心は凪いでいた。やっぱりね。

あの男の心の中で一番重いのは、私が顔すら知らない「みぃちゃん」とかいう初恋の幻影なのだ。

たとえ今、目の前で元妻の命が脅かされていようと、彼には常に「より重要な選択肢」が存在する。

だが、ここで意地を張って命を危険に晒すほど、実花も馬鹿ではない。

自力でこの状況を打破するにしても、まずは確実な安全を確保する必要がある。

利用できるものは利用しなければ。実花はあえて声を震わせ、弱々しい響きを作って呼びかけた。

「和真……私を助けて。あなた、前に言ってたわよね。自分の間違いを償いたいって。

……今、私を選ぶことが最高の償いよ。私を選んでくれたら……あなたのこと、許してあげる」

「許す」とは言ったけど、「やり直す」とは一言も言ってないけどね。

実花は心中で冷たく毒づきながら、和真の答えを待った。

「実花……っ」

和真の声はひどく掠れ、ほとんど嗚咽のように震えていた。

これまで散々彼女を傷つけてきた。

だからこそ、心を入れ替えて彼女を大切にし、もう一度愛し
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  • 凍える愛の終焉に ―さよなら、偽りのマリアージュ―   第299話

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  • 凍える愛の終焉に ―さよなら、偽りのマリアージュ―   第5話

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