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第298話

Author: 一燈月
仏教学院は、四方を深い山々に囲まれていた。

谷間には、金色の屋根と朱色の壁を持つ僧房が、斜面に沿って段々に立ち並び、実に壮観な眺めだ。

石段を登っていくと、朱色の衣をまとった参拝者たちが、彼女の脇を足早に通り過ぎていく。

小道には読経の声が絶え間なく響き渡り、僧房の前を通り過ぎるたびに、どこからともなく漂う線香の香りが鼻をくすぐる。

ふと見上げれば、数羽のハゲワシが巨大な翼を広げ、甲高い鳴き声を上げて空を横切り、ある山頂へと飛んでいくのが見えた。

まるで仏の国にいるようでありながら、人間界の営みも感じる不思議な場所だ。

小夜は石段に立ち、飛び去る鳥を目で追っていた。

しばらく立ち止まっていたが、再び歩き出そうとしたその時、背後から重厚で温かな声が聞こえた。魂が安らぐような響きだった。

「旅のお方、あの鳥たちがどこへ向かうかご存知かな?」

小夜は足を止めた。

振り返ると、すぐ後ろに緋色の法衣を着た僧侶が立っていた。両目は固く閉じられているが、顔は彼女の方を向いており、その表情は穏やかで親しみに満ちている。

彼女はその問いの意図が分からず、首を横に振ったが、僧侶に反応
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