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母が調べていたこと

Author: 影畑凛星
last update publish date: 2026-08-19 06:33:06

「本人に気づかれず……?」

 綾香は九条先生を見つめた。

「それって、誰かに薬を飲ませるってことですか?」

「そこまでは聞いていません」

 九条先生は静かに答えた。

「具体的な薬の名前も、誰のことなのかも話しませんでした。ただ、そういう質問をされたことは覚えています」

「いつ頃ですか?」

「亡くなる半年ほど前だったと思います」

「半年……」

 母が亡くなる前から、何かを疑っていた。

 綾香は手紙へ目を落とした。

『私が間違っていたなら、それでいいのです』

 あの言葉の意味が、少しだけ変わって見える。

 母は確信していたわけではなかった。

 だから誰かの名前も残さなかった。

 自分の疑いが間違っている可能性も考えていた。

「他には?」

「他?」

「お母様、他に何か聞いてませんでし

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