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約束の前に

작가: 影畑凛星
last update 게시일: 2026-09-26 17:45:48

 箱根へ行く日程は、思ったより早く決まった。

 父の仕事が比較的落ち着いている週末に、一泊することになったのだ。

「日帰りでもよかったのに」

 夕食の席で綾香が言うと、父は首を振った。

「せっかく行くんだ。慌ただしく帰ってくる必要もないだろう」

「お仕事は大丈夫?」

「一日くらい休ませてくれ」

「それならいいけど」

 以前なら、父が仕事を休むと言えば安心しただろう。

 今ももちろん安心する。

 けれど、それだけではなかった。

 父と旅行できることそのものが楽しみだった。

「どこに泊まる?」

「綾香が決めていいよ」

「それじゃ、昔泊まったところは?」

「まだあるのかな」

「調べてみましょうよ」

 二人でスマートフォンを覗き込み、昔の写真と現在の宿を見比べる。

 建物は改装されていたが、旅館そのものは今も残っていた。

「こ

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