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第255話

Author: るるね
last update publish date: 2026-09-19 23:58:26

 久しぶりに紗月が帰ってきたことを、祖父は心から喜んでいた。

 普段はこの広い屋敷で一人きりで暮らしており、子どもたちも傍にはいない。

 久しぶりに帰ってきてくれた孫娘が愛おしくて仕方がないのか、食事の間も祖父は何度となく紗月へ話しかけ、嬉しそうに笑っていた。

 せっかく会えたのだから、今夜はこのまま帰してしまいたくないのだろう。

「紗月、今夜はここに泊まっていきなさい。ここはお前の家なんだから、遠慮することはないんだぞ」

 祖父の言葉に、紗月は嬉しそうに笑って頷いた。

「はい、おじいさま」

 その返事が終わるか終わらないかのうちに、それまで黙って食事をしていた慎一まで口を開いた。

「それなら、俺も今夜は泊まる」

 先ほどまで満面の笑みを浮かべていた祖父の顔が、途端に露骨な嫌そうな表情へ変わった。

「慎一、お前は毎日毎日、忙しいと言っているくせに、こういう時だけ暇になるのか。じいちゃんが帰ってきてほしかったのは紗月だけだ。お前など呼んでおらんぞ」

 そこまで言われても、慎一はまるで聞こえていないかのように平然としていた。紗月へ一度だけ視線を向けると、祖父の小言など意にも介さず、何食わ
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