INICIAR SESIÓNトップ爆発物処理専門家である夫の氷室凛斗(ひむろ りんと)が、娘の結衣(ゆい)が拉致された際、爆弾の赤いコードを切り間違えた。 さらに呆れたことに、彼は全くの未経験である幼馴染の星野陽菜(ほしの ひな)を支援に呼び寄せる。 陽菜がわざとハサミをずらしたことで、爆弾のカウントダウンが短縮された。 私、桜井琴音(さくらい ことね)は顔を青ざめさせ、爆発する前に結衣を助けてほしいと凛斗に土下座して懇願した。 しかし、彼は道具を片付けて立ち上がる。 「琴音、くだらないことで騒ぐな。 陽菜が得意なのは爆発時間を延ばすことさ。 爆発ギリギリで結衣の救出に成功すれば、陽菜は最優秀新人賞を取れるんだよ」 私は絶望で崩れ落ちそうになりながら、他の爆発物処理班を探し回ったが、誰一人として凛斗の任務を奪おうとはしなかった。 一分一秒と時間が過ぎていく中、仕方なく陽菜が無資格で作業していることを告発しようとすると、凛斗は私に爆弾を縛り付けたのだ。 「告発するか、それとも俺が起爆装置を押すか、どっちか選べ。 25時間後に俺が直接結衣を迎えに行く。それで万事解決。 悪くはないだろう?」 凛斗、爆弾が爆発するまで、本当はもう24時間しか残っていないのに!
Ver más「あなたの報いは、こんなもんじゃ終わらないわ」それを聞き、陽菜は全身を震わせ、瞳に殺意が満ちた。「琴音、私がこんなになっても、まだ許してくれないわけ?凛斗があなたを庇うのは、ほんの出来心よ。彼は私を愛してるんだから!」言うと、遅れてやってきた凛斗が彼女を引き寄せ、思い切り頬を張り飛ばした。「何でたらめを言ってるんだ! 俺がいつ愛してるなんて言った? 愛してるのは、ずっと琴音だけだぞ!」そして、彼はすぐに私のもとへ駆け寄り、慌てて弁解する。「昔はあいつが単純だと思って、少し世話を焼いてやっただけだよ。琴音への気持ちは、今まで一度も変わってないさ。琴音、俺を信じてくれ」必死にご機嫌を取る彼の様子を見て、胃の中が何度も吐き気を覚える。嫌悪感を露わにして、彼を乱暴に振り払った。「あなたが誰を好きになろうと、私には何の関係もないわ。これ以上、私の前で白々しい真似をしないで。吐き気がするだけよ」その言葉を言い捨てて、私はおじさんの腕を引いて裁判所へと踏み入れる。開廷後、凛斗は一部始終を包み隠さずすべて打ち明けた。彼の後ろには、弁護士の一人すらもついていない。彼が最初から言い逃れする気などないこと、私には分かる。しかし、陽菜は完全に乱れ状態に陥っている。「凛斗、頭がおかしいの?こんなことして、自分の将来を台無しにする気?これまでの努力が全部水の泡になるのよ。私まで巻き込んで、あの女のためにそこまでする価値があるの?」凛斗は思わず拳を握りしめ、彼女の顔面に強く振り下ろした。「お前なんか万死に値する。死刑判決を受けたって当然だ!お前を殺して結衣が戻ってこられるなら、何百回も殺してやるぞ!」二人は狂犬みたいに激しく殴り合うが、最後には職員たちによって無理やり引き離された。おじさんは整理したすべての資料を提出し、憤りに満ちた声で口を開く。「氷室凛斗は星野陽菜と不倫関係にあったばかりか、悪意を持って実の娘を死まで至らしめました。断じて許されるべきではありません。氷室凛斗の厳罰を求めるとして、専門家としての資格を剥奪し、永久に同業界への従事を禁ずることを提案します。同時に、氷室凛斗と被害者の母親である桜井琴音の離婚を主張します」言葉が終わるや否や、凛斗は机を叩いて立
「それはあなたの自業自得なのよ。一生その苦みの中で生きて、自分の犯した最低な罪を償いなさい」それを聞き、凛斗は突然、おかしくなったみたいに自身の頬を平手打ちした。一発殴るごとに「すまない」と口にしながら、止まらない涙を流し続ける。「琴音、俺はもう地獄の中で生きてるんだ。目を閉じても開けても、結衣の顔が浮かんでくる。あの子は助けを求めて、お父さん、お父さん助けてって、ずっと叫んでるんだ……でも、俺が結衣の方に行こうとすると、急に姿が消えてしまう。あんな感じは、本当に死ぬよりも辛いんだ!」私だって同じだ。毎晩のように、血の海に倒れながら「お母さん」と呼ぶ結衣の夢を見る。けれど、結衣がもう二度と帰ってこないことは分かっている。心にあるのは、娘への果てしない思いだけだ。しかし、後ろめたさを抱える凛斗は、結衣を思い出すたびに、ただ苦痛に苛まれるしかない。彼の心にある罪悪感が、彼自身を溺れさせるのに十分だった。苦悶に満ちたその表情を見下ろし、私は皮肉めいた笑い声を漏らす。「一生そうやって生きていけばいいのよ。結衣が味わったすべての痛みを、その身で骨の髄まで感じなさい。それだけじゃないわ。陽菜にも代償を払わせてもらう!」 凛斗は血が滲むまで、黙って唇を噛み締めていた。「琴音の言う通りだな。正直、俺も自分自身を許せないんだ。でも、俺には本当に琴音がいないと駄目なんだ。結衣を失って、この世界でたった一人で生きていくなんて耐えられない。琴音のいない生活も試してみたけど、それは無理だった……」それを聞いた瞬間、私はあらかじめ用意しておいた離婚協議書を、彼の顔に叩きつけた。紙の束が彼の皮膚を鋭くかすめていく。「何度言わせるつもなの?私たちは今すぐ、終わらせなきゃならないのよ。あんたの顔なんて、一秒でも見るだけで吐き気がするわ!」そう言い放つと、バンと音を立ててドアを閉めた。外では、凛斗が狂ったようにドアを叩き、私の名前を叫び続けている。偽善に満ちた「すまない」という言葉と、すすり泣く声が廊下に響き渡る。私は耳を塞ぎ、部屋の奥へと歩む。おじさんはすぐにボディガードを呼んで凛斗を荘園から、無理やり引きずり出させた。そして彼の手の甲を容赦なく踏みつけ、力強く踏み
南都市のトップに君臨する弁護士、橘宗介(たちばな そうすけ)は、父の義弟にあたる。私が結婚してから、彼は正式に弁護士を引退し、イギリスの別荘で隠居生活を送っていた。結衣の死に陽菜と凛斗が関わっていると知った時、私は娘のためにけじめをつけると決意した。そして真っ先に思い浮かんだのが、橘おじさんのことだった。「琴音、氷室のやつ、それでも人間か? 自分の娘を愛人の練習台にするとは。結婚した時の誓いを忘れたとでも言うのか? 思い上がるのもいい加減にしろ」おじさんは私以上に結衣を溺愛しており、隠居してからも頻繁にプレゼントを送ってくれていた。結衣が凛斗のせいで爆死したと知り、彼を八つ裂きにしたいほど憎んでいる。私は結衣が遺したスマートウォッチを握りしめ、震える手でそれを彼に手渡した。「ここに陽菜が結衣を拉致して、いたぶった映像が入ってるわ。あの二人を、刑務所へ送ってやって。私と凛斗の関係は、もうおしまいだよ」結婚して五年間、私と結衣に昼夜を問わず寄り添ってくれた凛斗が、こんな常軌を逸した真似をするなんて思いもしなかった。最短で結衣を救出し、苦痛から解放することが、彼にとって簡単であるはずなのに。それが、陽菜のわがままな甘えに絆され、結衣の命をその手に委ねたのだ。かつて私と結衣を掌中の珠のように大切にしてくれた凛斗は、もうどこにもいない。彼への五年間の愛も、一瞬にして灰に消え失せた。私が送ったUSBメモリを受け取ったのだろうか、凛斗もついに、陽菜のしでかした悪行を知ることになった。彼は自らメディアの前で、己の過ちを深く懺悔して謝罪した。しばらく見ない内に、彼の頭には白髪が混じり、目が深く落ち窪んでいた。「すべては俺が星野を安易に信じたせいです。そのせいで娘を死なせ、琴音にも見放されました。俺に専門家を名乗る資格はありません。ただの、ろくでなしです!」彼は事の顛末をすべて語り、数え切れないほどの「申し訳ありません」を口にした。しかし、ネット民がそんなものを鵜呑みにするはずがない。【英雄だと思ってたのに、愛人のために自分の娘を犠牲にするなんて、人間のクズかよ】【星野なんて資格証すら持ってないじゃん。勝手に爆弾を解体させるとか規程違反もいいとこだろ。なんでそんな奴を信じたのか】
映像の中では、陽菜が結衣の首を強く締め上げながら、容赦ない言葉で脅している。「このクソガキ、あんたの母親と同じで目障りなのよ。凛斗との愛を奪い合う気なんて、死ねばいい!でも、ただで死なせるわけにはいかないわね。凛斗に私の才能を認めさせるための生贄になってもらうわ。あんたも吹き飛ばせるんだから、一石二鳥でしょ?次は母親の番だね。地獄で仲良く親子再会させてあげるから!」そう言うと、結衣の口をガムテープで塞ぎ、その体を思い切り蹴り上げる。「あんたもあの女も、本当に反吐が出る!」結衣は無残にも床に這いつくばり、叫ぼうとしても声が出せず、顔を真っ赤にして苦しんでいる。目の前の光景は、鉄槌となって凛斗の心臓を容赦なく打つ。窒息になるまで痛めつけられる娘の姿に、胸が痛む。そして何よりも、結衣を拉致した真犯人が、自分が誰より甘やかしていた陽菜だったとは!映像に映る女の醜悪な本性に、彼は目を疑う。これ以上見ていられず、パソコンを閉じると、すぐ電話をかけて陽菜を呼びつけた。ドアから入ってきた女は、散らかった部屋を見るなり、白々しい態度で口を開く。「凛斗、元気を出して。きっと良くなるわよ。これからは私がそばにいるから。ねえ、一緒に住んで……」その言葉が終わるより早く、重い平手打ちが彼女の頬に落ちた。陽菜は目を丸くして、信じられないように目の前の凛斗を見つめる。「ど……どうしたの?」とぼける彼女を見て、凛斗はさらに頬を張り飛ばした。「よくもどうしたなんて聞けるよな!結衣を拉致したのもお前なら、わざと爆発時間を縮めたのもお前じゃないか!陽菜、このまま済むと思うなよ!」陽菜は恐怖のあまりその場に這いつくばって、命乞いを始める。「凛斗、本当にわざとじゃないの。私を信じて。ほんの出来心だったの。私を見捨てないでよ!」凛斗は彼女を一気に蹴り飛ばし、目を血走らせて咆哮する。「出来心だと? 完全に計算してやったんだろうが!結衣を殺して、次に琴音まで消すつもりだったじゃない。ふざけるのも大概にしろ!」それと共に、彼の拳が女の顔面を無慈悲にぶつける。陽菜は顔中血まみれになりながらも、無様に這い寄ってくる。「お願い、今回だけは許して。私のこと、愛してるでしょ?こんなに