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第442話

Author: 森の小鹿
蘭の声は、今にも泣き出しそうに震えていた。

「わかった。今すぐ行くから」

電話を切った瞬間、奈緒の顔から血の気が引いた。

今は充に構っている余裕などない。奈緒はそのまま充の肩を押しのけるようにして、外へ飛び出した。

通話の内容は充にも聞こえていた。

黎が高熱を出し病院へ運ばれている、そう分かった途端、充も奈緒を追った。

奈緒が車のドアを開けて運転席に乗り込んだ瞬間、充もすぐ助手席のドアを開け、半ば強引に乗り込む。

呆気に取られた奈緒。

「何してるの?」

充は声を落として言った。「黎が熱を出したんだろ?俺も行く」

奈緒のこめかみに青筋が浮いた。

「こんなときまで邪魔しないでよ!早く降りて!」

充はシートベルトを締めると、断固とした態度で言った。

「降りない。黎は俺の娘だから、あいつの具合が悪いなら、俺も行く」

奈緒はもう言葉も出なかった。

一刻を争う状況だ。こんなところで言い争っている場合ではない。

奈緒は目を閉じ、深く息を吸った。込み上げる苛立ちを無理やり飲み込むと、そのままアクセルを踏み込む。

車は勢いよく走り出した。

病院へ着くと、奈緒は車を降り
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