تسجيل الدخولたっぷり食べて、お腹もいっぱいになった。マヨもきっちり使い切って、満足してブタハシュッカテイを出る。帰り道の涼しい風を身に受けながら、胃袋では今必死にボア肉を消化しているからか、少し体が熱っぽい。
消化のための全身の熱を抑え込んでくれるにはちょうどいい具合の風を受けて、鼻歌でも歌いながら帰りたい気分になっているが、へたな鼻歌を歌ってどこのどんな歌なんですか? とセルフィに問われると、ちょっと説明が面倒くさくなるので今は鼻歌はなしだ。
セルフィも軽くお腹を膨らませて、ポッコリとまではいかないが、服の上から少しわかる程度のふくよかな感じになっている。明日になれば胃もたれもせずに平気な顔して起きてくるんだろう。
そういえば、若返った分だけ油分の消化もマシになっているんだな。43歳の体ではうまく消化しきれなかったであろう豚の丸焼きも、しっかり胃袋に入れてこうして今一生懸命消化しているのだし、若返り万歳といったところか。
「また食べに来ましょうね! 丸焼きを一部分ずつ分解していくのが楽しいです! 」
セルフィは
たっぷり食べて、お腹もいっぱいになった。マヨもきっちり使い切って、満足してブタハシュッカテイを出る。帰り道の涼しい風を身に受けながら、胃袋では今必死にボア肉を消化しているからか、少し体が熱っぽい。 消化のための全身の熱を抑え込んでくれるにはちょうどいい具合の風を受けて、鼻歌でも歌いながら帰りたい気分になっているが、へたな鼻歌を歌ってどこのどんな歌なんですか? とセルフィに問われると、ちょっと説明が面倒くさくなるので今は鼻歌はなしだ。 セルフィも軽くお腹を膨らませて、ポッコリとまではいかないが、服の上から少しわかる程度のふくよかな感じになっている。明日になれば胃もたれもせずに平気な顔して起きてくるんだろう。 そういえば、若返った分だけ油分の消化もマシになっているんだな。43歳の体ではうまく消化しきれなかったであろう豚の丸焼きも、しっかり胃袋に入れてこうして今一生懸命消化しているのだし、若返り万歳といったところか。「また食べに来ましょうね! 丸焼きを一部分ずつ分解していくのが楽しいです! 」 セルフィはまだ元気だ。食べすぎて動けない、という風ではないらしい。若いっていいなあ……俺もまだ二十代ぐらいの若さなんだから若いと言えば若いんだが、子供らしさをまだ残しているセルフィが妙に無邪気に見え、そしてそんな歳で奴隷堕ちしているという現実に直面する。 この子から奴隷紋を外すにはいくらかかるんだろう。今のうちに確認しておくか。奴隷商はまだやってるかな。「ちょっと寄り道していくぞ」「はい、付いていきます」 セルフィを引き連れてセルフィを購入した奴隷商へ向かう。他に奴隷を扱う店を知らないので必然的にこの店にたどり着くことになるわけだが……セルフィが店に近づいていることを察したらしく。さっきまで少し騒がしくしていたのがウソのように静かになる。 もしかしたら、またどこかへ突然売られるのかも、とかそんなことを考えているのかもしれないな。そんなことはないのに、少し心配症だな。店に入り、カウンターにいる男性に声をかける。「ちょっと奴隷のことで聞きたいことがあ
肉を切り分けて、切った肉にマヨをつけて食べる。ニドヅケキンシを守るため、一口大に毎回切り取ってからつけて食べている。マヨラーがこの世に出現していたなら、この丸焼きにどれだけのマヨを使い続けるのかわからない。 マヨ三つ分ぐらいは使ってしまうのだろうな。本体よりマヨのほうが高くなってしまうが、マヨにはそれだけの中毒性があるということは俺自身もよく知っている。 世の中には特別な調味料や食事に夢中になってしまう禁断症状が生まれることは知っているし、毎日同じ食事を食べ続けないと機嫌が悪くなったり調子が悪くなったりする人がいる。 マヨという禁断の調味料を生み出した以上、マヨラーが生まれ始めても不思議ではない。マヨラーがマヨに合う一番の食べ物はどれであるか、というのを吟味している最中なのだろう。 マヨに合う食べ物……色々あるが、トリキシや他の食事店でもマヨと自分の店の食事の親和性を確かめて、美味しいとはっきり言える食べ物にはマヨをタダでつけてお得感を出すか、追加で頼めるようにして皿にマヨが売れるように仕向けるかだな。 少なくともトリキシではガルキンの唐揚げとマヨのコンビネーションを試してゲキウマなことを確認されているであろうから、マヨの売り上げは好調であることは間違いないだろう。唐揚げマヨは大正義だからな。「これは美味しいですね。マヨを本格的に食べるのは、ご主人様がマヨを作っている時のつまみ食いを除いては初めてですが、ボアの肉汁とマヨがよく合います」「マヨは何にでも合うからな。生野菜でも焼き物でも揚げ物でも、それこそ銀の卵亭で売ってたように生ジャガでも蒸かしジャガでも、美味しく食べられるし、何でもいけるのが強みだ」「そういえば、昼食のお弁当にもマヨが塗られていました。パンにも合うし、挟んである具にも合いましたね。マヨは万能……マヨを崇拝せよ……」 若干マヨラー気質になりつつあるセルフィはさておき、せっかく頼んだ分だけきっちりマヨを味わう。やはり、ボア肉の皮目のパリパリの部分にマヨを合わせるのがなかなかに美味しい。このパリ皮が何とも言えず美味いのが、
ブタハシュッカテイに向かう前に、まずは宿に戻って血の匂いを落としていこう。血の匂いをぷんぷんさせたまま料理を楽しむのはちょっと俺にも難しいからな。急ぐこともないし、のんびり銀の卵亭まで財布の重さに幸せを感じながら帰る。 しかし、ここ数日収入が安定しているのはいいことだが、やはりガツンと大きい当たりに出会えていないのは確か。ガルキンの日ほどの収入は得られていないのが確実。毎日あのぐらいの収入が得られるようになるには、ワイルドボアを安定して狩れるようにならなきゃいけないな。 そのためにはもうちょっと強くならないといけない。そのために……ダンジョンに潜るか。ダンジョンのほうがモンスター密度が高いし、その分数を倒せる。モンスターの強さとの兼ね合いもあるだろうが、ワイルドボアを探し回って同時に二匹や三匹と戦うことになるよりは安全だ。 確実に一歩ずつ進んでいこう。楽して戦ってレベル上げができる方法があるならそれをやるだろうが、とりあえずそんな横道は見当たらなかったからな。例えば特別に経験値的なものが多いモンスターが出てきたわけでもないし、今のところ地道に強めのモンスターと戦うしかなさそうだ。 パナメラのダンジョンの五層へ行って、コボルトリーダーやコボルトマジシャンと戦って、手っ取り早くレベルが上がるかどうかはわからないが、現状はそれが早そうだ。 コボルトリーダーはともかく、コボルトマジシャンとは、まだ戦ったことがない。どのぐらい魔法が厄介なのか実際に戦ってみるまではわからないからな。それを味わいに行くためにも、明日はダンジョンへ行こうと思う。 考えを遮るように、夕方の鐘が鳴る。もう少しで銀の卵亭に到着するので十分湯をもらう時間には間に合うな。 銀の卵亭に到着し、メリーさんに湯をもらってそのまま部屋へ戻り、さっそく全裸になって体を拭き始める。清潔魔法を湯にかけて、体の汚れが落ちやすくなるようにしっかりと体を拭き、背中はセルフィに拭いてもらう。「今日もしっかり頑張りましたねえ。あと、背中の筋肉が目立つようになってきた気がします」「全身を使って頑張ってる結果だな。もっとマッチョになってみるのも悪くないかもし
午後からは、畑から完全に出て、外側を回って近寄ってくるミニボアを狩り続ける……という狩りに変わった。休んでる間にも少しばかりにじり寄ってきていたらしく、畑のすぐそばにいたミニボアを一匹狩って、お仕事開始の号砲が鳴ることになる。 と言っても午前中とほぼやることは同じで、セルフィと別れてミニボアを倒しながら、徐々に森の方向へ進んでいく。セルフィはテンポよくポンポンとミニボアの首筋にショートソードを突き立てては、一撃で瀕死にし、そのまま放置して血抜きをしていく。 俺はそのセルフィの動きを見ながら、自分の分もやりつつ、セルフィがその場に置きっぱなしにしていったミニボアの血抜きをしていく。血が抜けたら収納して……とやっていくが、セルフィがテンポよくやっていくので俺の周りには逆さに吊られた空中に浮くミニボアが複数体存在する、不思議な光景になっている。 ここが冷蔵庫の中や解体所の中だと、一般的な肉屋の光景で済むんだろうが、周りにあまり何もない草原と畑の入り混じった場所での空中浮遊肉なので、こっちを見た村人がぎょっとして逃げていくのが見えた。まあ、いいんだ。実利があるなら多少の見た目の悪さは。 セルフィがかなり早いペースでミニボアを狩っていくものだから、段々俺の周りの肉や地面が血だらけになり始めた。その血に近寄って他のモンスターが寄ってくるならまだいいんだが、ミニボアも自分の仲間の血にまみれるのはあまり好まないらしく、俺の周りには近寄ってこない。 このままセルフィに好きなだけ暴れてもらうのも悪くはないし、俺がひたすら血抜き担当でもいいんだが、それもちょっとフラストレーションがたまるというか、俺もちゃんと仕事をしてる気分になりたい。 セルフィが置いていったミニボアは充分に血抜きがされていく、という前提に基づいて、どこにどれだけミニボアを倒した跡があるかを覚えておいて、俺も戦闘に参加することにした。 ◇◆◇◆◇◆◇ 午後からも一生懸命仕事をした結果、今日一日で倒したミニボアの数は100を超えた。セルフィとバラバラで行動したことも大きい。村長に一声かけて、依頼の達成報告をもらう。「今
村の外側まで大きく回って、まずは被害の大きそうな畑から見ていく。畑一枚当たりで考えると、二割から三割ほどの作物が荒らされてしまっている。麦は踏まれると強くなるとは言うが、収穫直前にこれでは商品や食い物にならないだろうな。 早速一匹目のミニボアを見つけたので、さっと近寄って首筋にショートソードを入れて血を抜き、畑から引っ張り出して畑のそばに横たえておく。さすがに畑を血で汚されるのは好まないだろうし、かといって畑から追い出してから倒すのでは余計な被害が出かねない。 冷静に一匹ずつ、ミニボアを倒していく。本当に大量繁殖しているかどうかは置いといて、畑一枚あたりに一匹は潜り込んでいる感じだ。畑が……30枚ぐらいあるから、少なくとも30匹は倒せるな、という感覚でまずは一枚一枚畑を確認していく。 そして、ミニボアがいたら倒して畑から引きずり出して、畑の横に並べて置いておく。畑の中を移動しながら戦う都合上、いつものアイテムボックスで血抜きをしながら戦う方法は封印だ。 セルフィが時々集めてくるミニボアを血抜きが終わったかどうかを確認しながらアイテムボックスに詰め直していく。普段よりちょっと手間だが、実質二倍速で作業をしているので、やはり総合すると五割増しぐらいのスピードで仕事が進んでいることになる。 午前中の間にすべての畑の見回りを終わり、セルフィと確認し合ったところで、畑の外側に生息しているであろうミニボアを予防措置として倒していく手はずとなった。 外側とはいえミニボアもそこそこ生息領域が広いモンスターではあるらしいのだが、村の周辺に近寄らないように予防線を張っておくのは大事だろう。 村の畑から出て、目に見える範囲ぐらいの間にいるミニボアをまた一匹ずつ狩り始める。今度は畑の外なので、血も抜き放題だし逆さにし放題だ。手順良く倒しては半分格納、血抜きが終わったら完全収納、と手順良くやっていく。 途中、セルフィが倒して血抜きをしたまま放置したのであろう跡を見つけたので、血が抜けていることを確認してアイテムボックスに収納していく。ワイルドボアは今のところ出てきていないのが救いか。 ワイルドボアの相手を一人でやる
パルム、というのがこの村の名前らしい。それほど人口は多くないらしく、村というよりさらに小さい集落、というほうがしっくりくる程度の、数十人程度が暮らしている様子の場所だ。村の裏手……街道から見て反対側には畑が広がっている。 この畑がある都合でここに集落があるのだとすると、毎日ボコマズの街やその更に向こう側の村から通うとなると中途半端な上に、きっとここが作物を育てるのにちょうどいい場所だったのだろう。 しかし、街の城壁に囲まれない場所では周辺のモンスターの状態によって環境や危険度を左右されるのは仕方がないところ。今回も”そういう依頼”ということなんだろう。 パルムの村の中に入り、一番大きい家のほうへ向かっていく。村長や代表なんだから一番大きい家に住んでいるだろう、という偏見でしかないが、それでもおそらく間違ってないだろうところに向かう。「すいません、誰かいますか」「なんじゃい、どちら様かな」 爺さんらしき人が一人出てきた。長老って威厳はないが、気安そうな爺さんが一人出てきた。気難しそうな人でなくて良かった。「冒険者ギルドから来ました。ミニボアの繁殖で困ってると聞いたので」「おお、来てくれたか。待っとった。今年はグレートボアの大繁殖期らしくてな。そのおかげでワイルドボア、ミニボアの数も増えておってな。畑を掘り返されて困っとるところなのよ。その畑の警備をお願いしたいんじゃが……一日銀貨二枚、倒したミニボアは二匹を除いて好きにしてもらって構わない、という条件のはずだが、聞いておるか? 」「ミニボア二匹を残す件以外はおおむね。ちなみに、ミニボア二匹の理由を聞いても? 」「単純に、畑を荒らされてる分食い物がないからその腹いせに食い返してやろう……というだけじゃ。深い意味であるとか、少しでも依頼料をごまかそうとかそういう意味ではない。一匹残らず狩った自分たちのもんだと言い張るなら、それでもかまわんて。ただ残してくれるといろいろ手間が省けてうれしい、程度のもんじゃ」 なるほど。なら、二匹ぐらいなら
30分待つことなく、武器だけ買いそろえた俺は南門へ向かった。その場で先に待っていたイアンちゃんと合流する。イアンちゃんはさっきより一枚二枚多く着込んだような服装で、頭には軽めの帽子をかぶっていた。 腰にはしっかりナイフを持ち、戦う準備は万端という感じだ。 実際にはもっと重苦しい装備もできたんだろうが、薬草採取ならこのぐらいで大丈夫だろう、という感じだな。「早かったですね。そういえば、武器も持たせずに待ち合わせに来てしまいました。今から急いで武器だけでもそろえに行きますか? 」「いや、アイテムボックスに入れてある。この通り」
奴隷の中の一人の少女の鑑定を行ってみる。その鑑定の中身には驚くべき一つのスキルと一つの称号が書かれていた。「ケンセイ」「イセカイテンイシャノシソン」 片方は剣聖、もしくは拳聖、後は健聖という可能性もあるが、あまり健康そうには見えないので最後のはありえないだろう。どちらにせよ何かしら強そうなイメージが与えられる。問題はもう一つのほうだ。 異世界転移者の子孫。これはあれだろうか。俺以外の異世界転移者がこの世界に過去に存在していて、その転移者が残していった種が畑に植えられて、実った結果、ということなのだろう。おそらくはこの子は借金奴
アイテムボックス以外にどんなスキルが付与されているのか。それを確かめに行く必要があるな。「どこかでスキルを確認することはできないのかい? 」「それなら、そこの露店の占いばあさんに頼むといいです。各地にネットワークを広げていて、ばあさんはみんな鑑定の技能を持ってる凄腕ばかりなのです。なのに、銀貨1枚で鑑定してくれる格安便利ばあさんなのです」 そんな街に一人はいるセーブデータを記録してくれる教会の司祭、みたいな存在がこの世界にも存在するらしい。ただ、田舎にまではさすがに足を伸ばしていないらしく、このボコマズの町ぐらいの中都市には一人はいるよう
サイバルさんとの会食が始まる。サイバルさんの白パンはよくトーストされた、こちらで言う六枚切りの食パンのような弾力で、馴染み深いものではある。それが160円で食えるとなると、やはり十分物価は安いな。これでも世間が回っているということは、よほどの経済的な格差があるのか、それとも果てがない上が存在するのか。 まあそれはさておき、食事だ。温かいスープにパンを浸して食べ、パンの酸味を抑えつつも、決して柔らかくないそのパンをかみ砕き、咀嚼して胃に入れる。80円の食事ならこんなものか……現世でも、298円でハンバーグ弁当が食えるスーパーも確かにあったが、あ







