بيت / ファンタジー / 有給休暇は異世界で / 第19話:ちょっといいお店

مشاركة

第19話:ちょっといいお店

مؤلف: 大正
last update تاريخ النشر: 2026-05-01 07:00:28

 イアンちゃんのおすすめのお店に連れて行ってもらう。だが、少し血の匂いが残っている以上、まずは身支度を整えるのが先だ。イアンちゃんも一旦血の匂いを落としてから行きたいとのことなので、家へお互い戻って体を拭いてから再合流することになり、イアンちゃんに迎えに来てもらうことになった。

 セルフィと宿に戻る途中で夜の鐘が鳴る。これは急がないといけないな。急いで宿に戻って、メリーさんに湯を二人分頼む。部屋に戻ると、ベッドがもう一つ運び入れられていた。どうやらセルフィ用にもう一つ運び入れてくれたようだ。ありがたいことだな。寝床をどうしようか少し悩んでいたところだ。

「私のベッド……ちゃんと用意してくれたんですね」

「さすがに一緒に寝る……というのはな。それに言われる前に用意してくれたようで、後でお礼を言っておこうな」

「はい」

 しばらく今日使ったショートソードや防具の手入れをしていると、メリーさんが湯を持ってきてくれた。

「セルフィ、向こう向きな。背中はやってあげよう。ただ前と……それ以外の部分は自分でやってくれ。さすがに年齢的にまずいだろうしな」

「わかりました。では、背中お願いします」

 髪を洗うのは最後でいいな。セルフィの長い銀髪を軽く持ち上げて縛り、邪魔にならないようにしてから背中を拭いてやる。「あう……」と気持ちよさそうな声が聞こえるので、しばらく体も洗えていないんだろう。奴隷とはいえ、ある程度綺麗にしておかなきゃ売り物にもならないとは思うんだが、その辺は良いんだろうか。

 セルフィの背中を拭き終わった後、背中合わせになってお互い自分のあちこちを綺麗にしていく。ふと、湯を掬うための手ぬぐいを洗うタイミングが一緒になり、手が触れ合う。ビクッとびっくりしたセルフィだったが、すぐに俺の手だと気づいて元に戻る。後一年こんな関係が続くんだから慣れていかないとな。

 血の匂いが落ち着き、体も綺麗になったところでセルフィの髪を洗ってやる。体を拭いた後の湯なので綺麗だとは言いがたいが、今のままの髪で居るよりはよほど綺麗になるはずだ。髪を梳いてやるには櫛やシャンプーなんかが必要だろうが、俺の知能でどこまで実現させてやれるかはわからない。

 一応こっちへ来る前に「これだけ詰め込め! 異世界に行ったときにチートできる知識100選」みたいな本を読んできたので、似たような性質のものを見つけてうまいことやってしまうしかないな。さて、髪を洗ってやったところで服を着なおして、外に出かける準備は万端。一階に降りて食堂の横を通ると、リンカちゃんとばったり出くわす。

「今から食事ですか? 今日もいつものメニューですけど」

「いや、なんかイアンちゃんが他のお店も教えてくれるらしくて。今日はそっちに」

「それは残念ですね。でも、イアンちゃんのおすすめというと……豚は出荷亭ですかね。ミニボア料理がおすすめのお店なんですよ。うちではミニボアはめったに取り扱わないですからね。多分ですけど、ミニボア狩りにでも行ってたんですかねえ」

「そうなんだ。セルフィが大活躍でな。おかげで今日の分も無事に稼ぎきることができた」

「セルフィちゃんとタカナシさん、すっかり仲良しですね」

 リンカちゃんにそう言われ、確かに気が付けば仲良しになっているな。

「ああ、そうだ。ベッドありがとうね。運んでもらわなきゃ二人同じベッドで寝るところだったよ」

「ベッドがちょうど一つ余っていたのでサービスです。これからも長期宿泊してくれるかもしれないお客さんには、できるだけよくしておかないと」

 ありがたいことだな。期限が来てもまた十日伸ばしてここに宿泊させてもらうことにするか。それが借りる側のありがたみってものだろう。

 食事をしないのに食堂で待っているのも悪いので、部屋に戻って待っていると、しばらくしてイアンちゃんが到着した。

「お待たせしました。それでは行きましょう」

 イアンちゃんに連れられてしばらく歩くと、「ブタハシュッカテイ」の文字。どうやら本当にここらしい。というかこの店の名前はなんだろう。どことなく親近感がわく。これも、異世界の前の住人が残した名前だったりするのだろうか。

「さあ、ここでお勧めです。銅貨15枚の一匹丸ごとコースがお勧めですね。ただ、セルフィちゃんにはちょっと量が多いかもしれませんが」

「がんばる! 」

「あー、頑張らなくていいぞ。金銭的な意味ではなく、もったいないの意味で。二人で一匹丸ごとコースを頼んで、まだ足りなかったらもうちょっと注文するってこともできるかな? 」

「できますよー。そっちにしますか? 私は定食を頼みます」

 席に座り、丸ごとセットと定食を注文。しばらくして、ミニボアの各部位をそれぞれの味で仕込んだ丸ごとセットが届いた。

 特製ソースのかかったもも肉をまずは味わう。量は少ないが、一番ヘルシーらしく、ほとんどいわゆる赤身肉の部分を茹でて出してきたように見受けられる。ソースの酸味が程よく中々に美味しい。

 もも肉の次は塊で出てきたステーキだ。一枚肉をニンニクのような香りのするソースがかけられ、これもまた美味しい。ニンニクは……厨房を眺めてみると、厨房の上の棚に吊るしてあるのが見つけられた。ほぼにんにくの形をした物体が見える。あれがそうだな。

 厨房の主がもぎ取って、かけらを取り出した後分厚い包丁でペシンと叩いてつぶして、そのまま刻んでいる。どうやらニンニクで間違いないようだ。さて、次は……ロース肉っぽい部位の半生……これ大丈夫なのかな。

「ミニボアって生でもいけるの? 」

「大丈夫ですよ。モンスターには寄生虫などは寄り付かない……というより、モンスターにはそういった部類のものは憑りつけないんです。寄生虫が仮に憑りついても、モンスターの性質……これは説明すると長くなるんですが、その性質上寄生虫も死んでしまうので安心して生でも食べられるようになっています」

 イアンちゃんが大丈夫だというので大丈夫なんだろう……と、セルフィは普通に生で食べているな。生ハムみたいなものだと思って食べてみよう。ソースをつけて……ああ、生だとマヨネーズが欲しいな。

 かじりついてみるが、噛み切るのにちょっと難儀する以外は美味しい肉だった。これが今日の成果だとすればなかなか悪くない。あと、やっぱり生よりも焼いてあるほうがなんとなく安心するのも確かだな。

 さて、次は……

استمر في قراءة هذا الكتاب مجانا
امسح الكود لتنزيل التطبيق

أحدث فصل

  • 有給休暇は異世界で   第165話:現実チェック

     side:アザーワールド社 イアンから提供されたアンケートはその日のうちに会議にかけられ、アザーワールド社内でも問題となった。即座に銀行口座に対して照会がされ、小鳥遊が金銭を稼ぎ副業として立派に稼いでいることと、その金額が十分に大きいことがクローズアップされ、話は更にややこしくなった。「ふむ、では小鳥遊氏は満喫していることは確かなのだな? 」「それは間違いないでしょう。ただ、休みに行ってるというよりは出稼ぎついでに休んでいる、という形になっている可能性が大きいと考えられます。本人満足度が非常に高いのが返って不思議なのですが」「有休を320日も溜める男なんだ、普通に休んでいる感覚で仕事をしているのか、もしくは仕事と私生活が不可分な御仁なのかもしれないな」 社内ではそれぞれ会議内で意見が出され合い、この事態をどうするかについての協議がなされた。小鳥遊が稼いできた金額は二十日で彼の平均賃金のおよそ三カ月分以上。 有給休暇中にこれだけの資金を稼ぐのは明らかに副業である、という判断ができるだけの金額になっているため、厚生労働省に問い合わせるまでもなく、彼の有給休暇時間は再考の上で延長される可能性は高いとみられている。「10日のうち、真面目に休んでいるのは2日だけ、ということか」「おそらくは、現地で生活するための資金を稼いで、その余裕を貯蓄の形で回したのだと思いますが、何をしたかまでは今回アンケートの内容に含まれていないため、抜け落ちや不足があるものだと思われます」「神崎君、現地監視員からの詳細報告を求めることはできるかね? 」 上司からそう質問された神崎は、正直に答える。「今回のアンケート結果について、場合によっては有給休暇の延長が認められる可能性がある、という話については既に小鳥遊さんも知っている、ということですので、それを前提としたアンケートを再度行って、正式な事実として積み上げることは可能ですが、この様子ですと、ここ19日の有給休暇、そして18日間の異世界行きの時間に対して、比率換算すると4日しか休んでいない、という計算に行き当たります」「ふむ…&hellip

  • 有給休暇は異世界で   第164話:綺麗にできるもん

     メリーさんのところへ行き、次の10日分の宿泊代金である大銀貨1枚を払う。「順調に稼いでるようで何よりだねえ。その調子でいつも通り長く居てくれると嬉しいね」 メリーさんがそろそろ更新日付だということを覚えていてくれたので、次の区切り日までの延長ということになった。メリーさんとしても、親父さんとしても、マヨを安く仕入れることができるということでメリットはあるはずだ。「あと、桶をいくつか借りるね。ちょっと今日は全身ピカピカにしてみたいもんで」「今の時間ならいいさね。お湯を沸かす時間までに帰してくれれば自由に使ってくれていいよ」 許可を得たので、井戸で水を汲んで部屋に持ち込み、部屋の中で火魔法でぬるい湯にまで温度を高める。気持ちいい温度になったところで、服を脱いで全身に水をなじませた後、石鹸で体を洗い始める。「うん、ちょっとビリッとくるが、このぐらいは許容範囲かな。レンモの香りもするし、泡立たないのはそれだけ体が汚れてるってことだろう。スポンジみたいなものがあればより良かったかもしれないな」「すぽんじ……とはなんですか? 」 スポンジを知らないのは当たり前か。ここの周辺には海もないし、海綿も珍しいものになるだろうから説明が難しいか。「泡を立てるのに便利なもの……かな。石鹸を泡立ててから体を磨いたほうが効率的に体を綺麗にできるんだがな。手ぬぐいより便利なものが今のところ手持ちにないから、諦めておくしかないかな」「ぬるぬるしますが、このぬるぬるが大事なんですよね? 」「ちゃんと水で溶いて、泡立ちを……と言いたいが、俺もセルフィも体がそれなりに汚れてるから泡立たないのかもしれないな。毎日定期的に綺麗にしてると、泡が立ってなかなかに気持ちいいんだが」「むぅ、そうですか。じゃあせめて全身綺麗に洗って、その後洗い流してレンモの香りがするようにしましょう」「それだけできれば十分かな。さて、そろそろ洗い流すか……って、桶を複数個借りてて正解だったな。垢で桶の中が凄いこ

  • 有給休暇は異世界で   第163話:報連相・2

     どうやら、俺がゴブリンの耳を査定にかけた段階で第一報はフェリクスさんに伝わっていたらしい。そして、査定とカウンターで報酬の支払いと相談をしているうちに情報が伝わって、あらかじめ事前情報を共有。そこまではできているらしい。仕事が早いな。「えっと……このあたりで一匹、その後このあたりでもう一匹、それからここで一匹、この時点で戻ったのでこの先は不明ですね」「なるほど。つまり、この間には巣がある可能性は低い、というわけですね」 俺が通ったルートをたどり、フェリクスさんが書類の上に魔石を置いて場所を絞り込んでいく。「セルフィが一緒に居るので、もし巣に誘い込んで俺を引き離して襲おうとしていた場合、もっと早く仕掛けてくる可能性があったはずです。なのでここまでは安全ゾーンであると考えます」 アライ草を採りに行っていた範囲を丸っと安全圏ではないか? と判断する。巣があるとしたらその先の可能性が高いだろうと意見を具申する。「確かにそうですね。だとするとこの先にあるかどうか、探しながら行かなくてはなりませんね。本来ここにはゴブリンは生息していないんですよ。仮に住み着いたとしても、街に近すぎますので、駆除対象にしなくてはいけません。これがもっと遠くや、薬草群生地の近くでなければ問題はなかったのですが」 ゴブリンの発生場所について詳しく教えてくれている。今後も似たような場所にゴブリンが出た場合には参考にしろ、ということなのだろう。フェリクスさんのほうをちらっと見やると、こくりと頷く。そういうこと、ということなのだろうな。「一つ質問があります」 早めに聞いておこう。この後数日かけての作業になる可能性もあるからな。「なんでしょうか」「ゴブリンの巣の特定が必要になった場合、我々も特定のためにギルドの指示を仰がなければならないのでしょうか? 」「そうですね、手伝いをしてくれるなら一番ありがたい、というのが正直なところですね。やはり一度現地を知っている人物が追い込みや索敵、追跡をしてくれるほうがありがたいのが確かです」 こっちは初めて出かけた場所だから詳しくない

  • 有給休暇は異世界で   第162話:報連相・1

     カウンターへ行く前に、今度はモンスターの査定を行う。ゴブリン二匹分だけだが、金になるならこれもちゃんとした収入。それに、あんまりアイテムボックスに入れておきたいものでもない。 査定カウンターにゴブリンの耳を持っていき、渡す。「ゴブリンの耳ですね……これをどこで? 」 査定嬢の目がぎらつく。ゴブリンがすぐそばに繁殖しているというなら大ごとだろうし、そうでなくても街の近くにいたという話だけでも大事なことだろう。「西門から南西に30分ほど行ったところでゴブリンが最低3匹はいることは確認しています。その内の2匹の分ですね」「残りの1匹はどうされたんですか? 」「こちらを警戒して罠を張ってる可能性があったので、下手に会敵したり戦闘をしないうちに撤退してきました。できるだけ警戒して帰ってきましたが、付いてくる様子はなかったので気づかれなかった可能性のほうが高いですね」「なるほど。その話、帰ってきてから誰かにしましたか? 」 査定嬢が更に確認を重ねてくる。報告はしたか、ということだろう。「ここで話しているのが最初です。誰に報告したらいいのかもわからない新人なので、専門の部署があるならそこへ相談しに行くのですが」「わかりました……と、カウンターで支払いを受ける際にこれをついでに渡してください。担当部署への引継ぎのサインになります。細かいお話はそちらでお願いします」 査定嬢からは耳二つ分の査定金額が記された査定結果書をもらう。 ゴブリン 2 どうやら、シールドゴブリンと普通のゴブリンに差はないらしい。いくらになるかは受け取るまで分からないってところだな。まあ、ダンジョンのモンスターより安いということはないだろう。 カウンターへ行って薬草の査定結果を渡す。カウンターでは薬草査定結果を確認して、銀貨7枚と大銅貨1枚を渡される。これで今日の稼ぎは銀貨9枚と大銅貨1枚となった。最近の稼ぎからすれば多くはないが、7日分の宿泊代金と考えれば安いものだ。 ゴブリンの左耳はどうやら一匹当たり銅貨5枚と

  • 有給休暇は異世界で   第161話:ゴブリンの巣?

     ここまでで出てきたゴブリンは二匹。そもそも偶然ゴブリンが出現した、という可能性はまだ否定できない。初心者冒険者がゴブリン二匹と出会ったからと言ってそれを元に巣ができたかもしれない、と引き返してくるのはありがちかもしれない。 だからといって、このまま次のゴブリンを探して彷徨ってる間にゴブリンの計略にはまって囲まれて……という可能性もある。ここは深追いせずに、薬草採取のついでにゴブリンを探す、という方向を続けているほうが良いな。 もうちょっと街に近い位置にまで戻ってアライ草を探す。そして、そこでゴブリンがもう一匹出てきたら、これはゴブリンが街の近くで繁殖している可能性が高い、と冒険者ギルドに報告する流れのほうが良いだろう。 こっちは二人しかいないんだ、集団戦に持ち込まれたらあっという間にのされてしまうだろう。いくら剣聖だとしても、ゴブリンが十数匹、数十匹と現れてくるような状況では限界もある。まだ剣聖としてのレベルが高いとは言えないセルフィでは手に余るだろう。 そして、ゴブリンによって攫われてあーんなことやこーんなことに……うむ、許せん。ゴブリンはすべて殲滅しなければならないな。そのためにはきちんとした手順を踏まないといけない。 俺とセルフィの力をもってすればゴブリンなどたかが低級モンスター……と言い切れるほど腕に自信があるわけでもない。世の中の流れや手順、ルールにはできるだけ従うべきである。 もしも、ここで討伐をしなかったり巣を放置したせいで少なからず損害が出るんだとしても、街の西側なら何もないし、あえて言うなら採石場があるのみ。 ゴブリンが石に興味を示すとは思えないので、ゴブリンがより繁殖してから襲ってくるか、通りかかる民衆を襲うのがせいぜいだろう。 その前に短期決戦でゴブリン退治をする、というほうが期待に応えることができるだろう。その為には報連相、無理に自分たちだけで解決しようとせず、冒険者ギルドに報告する。 そして、俺たちより使える安全なパーティーが偵察を行い、ゴブリンの巣を発見して駆除の流れをきちんと作ってもらうほうが大切だ。

  • 有給休暇は異世界で   第160話:アライが悪いよ、アライが

     西門にたどり着き、外に出る。出るときに衛兵がいつも通り話しかけてきた。「冒険者が西門に用事があるのか? 」「薬草を採りに行くんですよ。西門からのほうが近くて」「そうか、夜の鐘には遅れないようにな」 納得したらしく、そのまま見送ってくれた。ちゃんと仕事をしていてえらい。そのまま西門から南西方向に道を外れて、採石場とは道を挟んで反対側に行く。 まだ採石場として稼働していないが、今稼働している採石場から石を取り切ったら、こっち側が今度は採石場になるんだろうな、というようなイメージの岩場を歩く。道はないので適当に岩に昇って……そして、岩陰にこっそりと生えている草を鑑定する。 草からは「僕アライ草です、こんにちは。良く育ってます」と返事が返ってきた。アライ草はこんなに近くでも取れてくれるのか。ただ、鑑定で調べる感じ……と、お? 今ので鑑定のレベルが上がったらしい。 範囲鑑定ができるようになって、周辺の地形の中にどんなものがあるのかが遠距離でもわかるようになってきた。ついでに、さっきの鑑定結果のアライ草の返事を見る感じ、状態変化も把握できるようになったらしい。「セルフィ、鑑定のレベルが上がったぞ。これで離れててもどこに薬草が生えてるのかわかるようになった。いちいち近づいて見たり抜いて観察しなくていいのは楽だな」「おめでとうございます。これで楽に稼げますね」「そうだな、しっかり育ったアライ草だけを抜いていくことにしよう。アライ草の育ち具合も見られるようになったからそこも楽になった」「鑑定だけで食べていけるようになったんじゃないですか? これでお休みを増やしてもいい感じになりましたね」 セルフィはニコニコと嬉しそうにしている。お休みが増えるのを楽しみにしているらしい。確かに、自分の自由になるお小遣いも増えたし、お休みに買い食いするとか楽しみたいことはそれなりにあるだろう。「それだと鑑定やってる婆さんの商売敵になっちゃうしな……鑑定で飯を食っていくつもりはないよ。それに、レアなスキルを持っ

  • 有給休暇は異世界で   第9話:残滓

     奴隷の中の一人の少女の鑑定を行ってみる。その鑑定の中身には驚くべき一つのスキルと一つの称号が書かれていた。「ケンセイ」「イセカイテンイシャノシソン」 片方は剣聖、もしくは拳聖、後は健聖という可能性もあるが、あまり健康そうには見えないので最後のはありえないだろう。どちらにせよ何かしら強そうなイメージが与えられる。問題はもう一つのほうだ。 異世界転移者の子孫。これはあれだろうか。俺以外の異世界転移者がこの世界に過去に存在していて、その転移者が残していった種が畑に植えられて、実った結果、ということなのだろう。おそらくはこの子は借金奴

  • 有給休暇は異世界で   第8話:スキル確認

     アイテムボックス以外にどんなスキルが付与されているのか。それを確かめに行く必要があるな。「どこかでスキルを確認することはできないのかい? 」「それなら、そこの露店の占いばあさんに頼むといいです。各地にネットワークを広げていて、ばあさんはみんな鑑定の技能を持ってる凄腕ばかりなのです。なのに、銀貨1枚で鑑定してくれる格安便利ばあさんなのです」 そんな街に一人はいるセーブデータを記録してくれる教会の司祭、みたいな存在がこの世界にも存在するらしい。ただ、田舎にまではさすがに足を伸ばしていないらしく、このボコマズの町ぐらいの中都市には一人はいるよう

  • 有給休暇は異世界で   第7話:取引のお時間

     サイバルさんとの会食が始まる。サイバルさんの白パンはよくトーストされた、こちらで言う六枚切りの食パンのような弾力で、馴染み深いものではある。それが160円で食えるとなると、やはり十分物価は安いな。これでも世間が回っているということは、よほどの経済的な格差があるのか、それとも果てがない上が存在するのか。 まあそれはさておき、食事だ。温かいスープにパンを浸して食べ、パンの酸味を抑えつつも、決して柔らかくないそのパンをかみ砕き、咀嚼して胃に入れる。80円の食事ならこんなものか……現世でも、298円でハンバーグ弁当が食えるスーパーも確かにあったが、あ

  • 有給休暇は異世界で   第6話:この世界について

     食堂に入り、適当に空いた座席に座る。「リンカさん、ランチ二つで」 イアンちゃんが早速注文をする。通い慣れてる感じがするな。「あらイアンちゃん、久しぶり。ここに来るってことはお客さんかしら」「そうです、お仕事です。なので美味しいところをお願いします」「うちはいつも美味しいところしか提供してないよ! 」 いつものお互いの軽口なのか、嫌みっぽいやり取りではなかった。他の有休消化者も似たようなやり取りはしてきたんだろう。しばらくすると、温かそうなスープと肉の焼いた塊、そして付け合わせのようなパンが出

فصول أخرى
استكشاف وقراءة روايات جيدة مجانية
الوصول المجاني إلى عدد كبير من الروايات الجيدة على تطبيق GoodNovel. تنزيل الكتب التي تحبها وقراءتها كلما وأينما أردت
اقرأ الكتب مجانا في التطبيق
امسح الكود للقراءة على التطبيق
DMCA.com Protection Status