LOGIN教えたがりのおじさんから情報を得て、食事も無事にし終えた。どうやら四層ではコボルトフェンサーやコボルトバーサーカーなど、より戦闘意欲と武器の鋭いモンスターが襲ってくるらしい。とりあえず三層に降りてみて、そこで戦えるかどうかを確認したほうがいいだろうな。
「さて……二層の地図も出来上がったし、三層まで行ってみるか」
「大丈夫ですか? 三層のモンスターはより強いとさっき聞きました。ご主人様はまだいけますか? 」
「二層でも大丈夫だったし、三層もきっと大丈夫だろう。とりあえず行くだけ行ってみて、ダメそうなら戻ればいいさ。今の自分の実力を知っておくことも大事だからな」
さっきと同じ道順をたどって二層へ向かう。道中のビッグラットの動きにはもう慣れたので、一刀のもとに切り伏せて、魔石を着実に回収しながら歩いていく。二層ではコボルトが相変わらず襲ってくるが、さっきの昼前に比べて冒険者の人数も増えてモンスターの密度が薄くなったので動きやすくはなった。
倒し慣れたコボルトだが、少し時間がかかるのは仕方なし。動きによってはこっちにダメージを与えることもできるだろうし、こっちは無傷で多少時間がかかっても問題なく倒したい。それゆえに俺の時だけ時間がかかる。だがセルフィがコボルト相手だと、セルフィはグイグイ押していき、コボルトが攻撃を始める隙を狙って後の先をバシバシ決めてコボルトを倒していく。すると、途中でセルフィの動きがさらに鋭敏になった。
「なんか、レベルが上がったと言われました」
「誰に? 」
「わかりません。頭の中に声が響いたので。ですが、なんか強くなった気がします」
レベルといっても一口に何のレベルが上がったのかはわからない。スキルレベルなのかベースレベルなのか、それとも人間としてのレベルなのか。俺もそのうちレベルが上がるだろうし、その時分かるだろう。
二層から三層へ行く途中で、俺もその声を聴くことになった。
「ケンジュツレベルが上がりました 2」
どうやら、セルフィが聞いた声というのはこれのことらしい。俺もレベルが上がって剣術レベルが2になった、ということらしい。
「セルフィ、俺もレベルが上がったらしいぞ」
「おめでとうございます御主人様。これでレベル2仲間ですね」
「そうだな、でもそっちが剣聖レベル2で俺が剣術レベル2だからものすごい差があることは明白だな」
剣術と剣聖の間に他に刻むようなスキル……例えば剣士だとか剣豪だとか、そういうものもあったりするんだろうか。今度スキルについてゆっくり調べる機会があれば調べてみよう。
三層へ向かう。ここからはコボルトファイターとコボルトスカウトというそれぞれ刃物持ちが襲ってくるらしいからな。刃物って意味ではビッグラットやコボルトの牙もそうだったし、ミニボアの角もそうだったが、明確に殺しに来る、という意思を見せてくるのが三層から、ということらしい。
まあ、スキルレベルも上がったし多少は……できるようになっていると思う。へっぴり腰でセルフィに笑われないようにしないといけないな。
三層に降り立つと、すぐに目の前にコボルトにしては大きめな剣、こちらのショートソードと同じぐらいの長さの武器を持つコボルトが現れた。鑑定によると、こいつがコボルトファイターらしい。よし、さっそく戦ってみるか。
コボルトファイターはその体格も他のコボルトよりも一回り大きく、きちんとショートソードを振り回せるだけの体重を有しているらしい。が、若干武器に振られているような感覚も見受けられるので、もしかしたら体重移動を誘発してやれば案外簡単に倒せるかもしれないな。
早速、コボルトファイターに向かって近寄り、誘うように剣を振り回して向こうにショートソードを振らせる。振らせたところを絡めとり、足元へ落とすように誘導してやると、面白いようにコロンとショートソードを転がす結果になった。そのままがら空きの体へ一閃加えると、さすがに一撃では殺しきるまでに至らなかったのか、体から黒い霧を巻き上げながら噛みつこうとすり寄ってきた。
ここで剣を拾いに行ってくれたらより楽に戦えたのだが、そうはならなかったので噛みつきを回避して、再度剣をするりと差し込む。剣術レベルが上がったおかげか、さっきまでよりも体の動かし方が楽になったというか、無理な姿勢を取らなくなった。その姿勢のままもう一度コボルトファイターに切りかかり、袈裟懸けに切り込んでそのまま力で押し切る。
コボルトファイターはそれで力尽きたのか、そのまま黒い霧になって消え、後にコボルトよりさらにちょっとだけ大きい魔石を残していった。これで銅貨3枚か。50匹ぐらい倒せれば今日の稼ぎはかなり大きいものになるな。
「うん、俺はなんとか行けそうだ。セルフィも次やってみよう」
「はい。でも、見ている限りだと余裕だと思います」
「セルフィ、岡目八目と言ってな、横から見ていると楽に見えるものなんだぞ。実際に戦ってみて、それから感想を言うほうが安全だ。油断はしないようにな」
「気を付けます」
まあ、俺で何とかなったんだからセルフィならなんとかなるだろとは思う。でも、油断はそれだけ危険につながる。俺のできることは注意をして、そして楽勝だったら楽勝といっていい、と太鼓判を押してやることだ。
次のモンスターは……またコボルトファイターだ。セルフィに戦ってもらって、様子を見る。
セルフィはすたすたと歩いていき、コボルトファイターの射程距離内に入るとコボルトファイターが振りかぶったその攻撃が降ってくる前に自分のショートソードを振り抜き、コボルトファイターの両腕を切り落として、攻撃そのものをできなくしてしまう。そして、そのまま首に自分のショートソードを添わせると一気に振り抜いて首を切断する。剣聖レベル2だと今の攻撃のほうが早いと思います。
あっさりと勝ち、魔石を拾いこっちに持ってくると、俺に向かって一言。
「さすがにちょっと振りかぶられてからのこっちからの攻撃は怖いですね。先に切り飛ばせなかったらあれが降ってきていたかもしれないと思うと……もうちょっとなんとかします」
俺からは余裕に見えたんだが、剣聖だからと言って精神的に鍛えられるものでもないらしい。一つ剣聖スキルについて知れたな。技術的なサポートはしてくれるが精神面でサポートしてくれる分には限界があるらしい、ということがわかった。
午前中めいっぱい、肩慣らしと称してコボルトスカウトとコボルトファイター相手に思い存分戦い尽くした。レベルもまた一つ上がり、これで剣術レベルが……6になったかな。 自分で自分を見て鑑定したので間違いない。セルフィは剣聖レベル6のままらしいが、6から7に上がるにはそれなりに時間がかかるらしい。俺が剣術レベル6と火魔法レベル3の間ぐらいだから……結構かかる感じか。 そういえば、いつの間にか鑑定でスキルレベルまで見られるようになっているな。これも鑑定レベルの上昇の影響とかだろうか。午前中の仕事を終えて、一層の安全地帯に戻ってそこで食事。今日は黒パンのサンドイッチだ。ちゃんと両面を軽く炙ってくれてある。 冷えたそのままのパンを硬いまま食べることはせず、アイテムボックスの効力で温かく辛うじて柔らかい食感を残しつつも、焼いた肉と野菜の味わいもそのままに食べることができている。「今日のは食べ応えがあります」「さすがに少ないと言ったら一個分多めに入れてくれるようになったみたいだ。後でお礼を言っておかないとな」「そうですね、催促したみたいでなんだか悪い気分です。でも、リバーシでお客さん読んだりマヨで儲けさせたりしてますからそこはイーブンですよね」「むしろ、マヨで儲けさせてる分だけ向こうのほうが美味しい思いをしているはずだ。その分昼食でサービスしてもらっていると思えば悪い気はしないな」「……これにもマヨが塗られているみたいですね。なんか高級っぽいお味になってますよ。酸味があって美味しいです」 焼いたパンの内側に塗ったマヨ。そしてお肉の汁とまじりあってこれがなかなかにイケている。イメージ的にはウサギ肉のマヨレタスサンドイッチなのだが、ウサギ肉に塗られたソースがまたマヨと混ざり合って美味しさを引き立て合っている。「次はどんな食べ物にするかな……」「まだ何か美味しいものが出てくるんですか? ご主人様の頭の中にはどれだけの食べ物への情熱が詰め込まれているんでしょう。楽しみです」「まあ、思いついたらちょこちょこと作って出す……程度のものかな。まあ、材料があるかどうかはわからんからな。また市場調査して作
パナメラのダンジョンの本っぽい何かを読み終わり、元の位置に戻すと冒険者ギルドを後にして、そのまま北門へ向かう。北門では今日も門番が暇そうにしつつも、まじめに出入りする人間の身分確認を行っていた。「おつとめご苦労様です」 探索者証を見せてそのまま通り抜けようとする。……が、Eランクの探索者証を見せたとたん少し顔色が変わり、こちらに少しだけ圧をかけ始める。「ん? お前たち、この前までFランクだったんじゃないか? 気をつけろよ、Eランクになってすぐに怪我をする奴が多いんだ。パナメラのダンジョンへ行くんだろうが、無理に五層へ行こうとせずに体を慣らしていくんだぞ」 普通にいいおせっかいだった。ここは素直にお礼を言っておこう。「ご忠告どうもありがとうございます、気を付けます」「うむ、無事帰って来いよ」 門番もこうやって適度にコミュニケーションを取っておかないと暇なんだろうな。それでも、誰も守っていなかったらモンスターが大発生したりした場合の対応が遅れることになる。先日のようなミニボアやワイルドボアの大発生に対応するときも必要だろう。「暇なんですかね。もしくは新人冒険者には一言かける決まりでもあるんでしょうか」「さあな。さて、三十分歩く間にミニボアを狩りながら行こう。何もしないよりは金になる」 パナメラのダンジョンまで片道30分。セルフィとのんびり話をしながら行くのも悪くないが、それでは金にならない。 それに、30分も語るほどのネタはお互いにないのはわかり切っているし、思い出話はセルフィのトラウマを刺激する可能性があるので危険。だから、モンスター退治をしているほうが合理的といえるだろう。 草原部分からちらちらと見えているミニボアに軽く水魔法や土魔法で刺激を与えてやり、こっちを向いたところでミニボアを仕留めては、アイテムボックスから半分だけ出して血抜きをしながら歩く。そしてそのうちに血抜きが終わり血が止まると、完全にアイテムボックスの中にしまい込む。 これを繰り返してミニボアをできるだけ綺麗な状態でアイテムボックスにしまい込み、冒険者ギルドに
銀の卵亭を出て、まず冒険者ギルドへ。カウンターへ行き、受付嬢へ簡単な質問をする。「パナメラのダンジョンの地図とか、出てくるモンスターの特徴を知りたいんですが、まとめてある資料みたいなものはありますか? 」 受付嬢もその手の質問には慣れているのか、すんなり頭の中から知識を披露してくれた。「二階部分の書物棚にパナメラのダンジョンという名前そのままの本がありますので、そちらを参照されると宜しいと思います。事前に知っておけば怪我のリスクも減りますし、モンスターの強さにも対応しやすくなりますからね。無謀にもいきなりダンジョンへ行ってしょんぼりして帰ってくることに比べればかなり賢い行動だと思いますよ」 笑顔でちょっとハートに刺さるセリフを言ってくる。確かにそうだが、初日二日目と二回も何の情報もなしにダンジョンに突っ込んでいったことは間違いないので言い返せない。 早速二階にある、本棚二つ分ぐらいの書棚を調べて……あった、パナメラのダンジョンとだけ、本当に書かれている簡素な本……本というより、厚紙に挟んである紙束だな。それを取り出して、破らないように丁寧に扱って読む。 待ってる間セルフィも暇だろうし、ここは図書館と違ってお静かにとも書いてないので、読み聞かせて情報を共有する。 パナメラのダンジョンがいつからあるのか、という話と、商用利用されるようになった話やダンジョンからモンスターがあふれそうになった時期があるのかどうか。それから活性化……ダンジョンが活発にモンスターを出現させる時期がいつ頃になるのかなどが記されている。 ダンジョンも活性化という、いわゆるモンスターの繁殖期みたいなものがあるんだな。最近の活性化の時期は……どっかに載ってないかな。後ろのほうにとか……お、あった。 どうやら昨年度に活性化し、その前は5年前、さらに前は10年前と、ほぼ5年おきに発生しているらしい。ということは、しばらく活性化の可能性は薄そうだ。少なくとも俺がいる間に活性化が発生することはないだろう。
「ちょっと寄り道してから帰るか」「寄り道ですか? いいですけど、あてはあるんですか? 」 セルフィに少し話をしてから商業ギルドに立ち寄ってみる。すると、商業ギルドの入り口に大きく貼り出しがしてあった。「マヨ専門店、マヨチュッチュ、本日開店! 容器持ち込みで容器代サービス! 」 ネーミングセンスぅ……商業ギルド内で適当に決めたんだろうなという気がするが、しかしマヨチュッチュしたいほどのマヨ中毒者がいた、ということにはなるか。 場所は……ちょっとだけ離れたところになるか。食品を扱う店舗に近い場所にはあるので、各種の食事店や宿屋からのアクセスは悪くない場所ではあるな。ここで今後マヨを販売していくことになるんだな。「どれ……朝早くから開いてるかどうか確認しに行こう。自分が原因でできた店だし、どのぐらいの人や人気が出てるかは気になるしな。それが自分の収入に直結するならなおさらだ」「ご主人様のマヨがもう売られているんですか……これからは毎朝作らなくても、マヨチュッチュに来るようになればマヨが気軽に買えるようになる? 」「そういうことになるな。それを確かめにお店のほうに寄ってみるんだ。もしかしたらもう並んでたりして」「どうでしょうね……昨日の鳥騎士にも来ていた通り、マヨを配っていましたから、もしかしたら話題になっているかもしれませんね」 早速商業ギルドの案内図に従って……そして、途中から列ができていたので、すぐに店の場所はわかった。なかなかの長蛇の列。そして、入れ物を持っている人たち。入れ物は千差万別だが、同じような容器を持っている人も多いので、もしかするとマヨを配った容器なのかもしれない。「多いですねー……でも、順調に進んではいますからペースは悪くなさそうですね」 並ぶ列の先を見ていくと、食品店街に近い一角にそこそこの広さの店が営業を始めていた。どうやら急ぎで店を改装して、一刻も早く食事処に
朝のぎらついた、煩わしい太陽に視線を貫かれて目が覚める。もうこの目の覚め方も慣れた。慣れてしまえば、毎朝お日様が昇るありがたさを感じようともいうものだ。 そういえば、こちらへ来てまだ雨が降ったことはないな。雨が降らない地域なのか……いや、それにしてはあんまり埃っぽくないな。今は降らない時期なのかもしれないな。 外で仕事をするにしてもダンジョンに行くにしても、晴れているほうが都合がいいのでその点は感謝はしている。おひさまありがとう。 セルフィも目を覚ましたらしく、目を軽くこすりながらくぁ……と小さくあくびをして起き上がってきた。「おはようございます……」「まだ眠たそうだな。顔を洗ってさっぱりしに行こう」「ふぁい……」 本当に眠そうだが、冷たい井戸の水で顔を洗えば気分も落ち着くだろうし、昨日してやれなかった髪の洗浄を清潔魔法でしてやることもできる。朝からちょっと冷たい思いをすることになるかもしれないが、それでしゃっきりして今日一日を過ごす必要がある。 着替えて着替えをもって井戸へ。洗濯板に洗い物を入れておくと、その間に顔を洗い、口を漱ぎ、塩と布で口の中を綺麗にしてさっぱりする。うむ、今日も一日気持ちよく過ごせそうだ。 身支度を済ませてから洗い物を始める。清潔魔法を唱えてから下着と上着を洗い始める。しかし、洗濯板って割と近代の発明品だったはずだが、この世界の文明水準からすればオーパーツなんだよな。 これも、俺以外の異世界転移者が残していった痕跡だったりするんだろうか。だとしたら……助かった、というべきだろうな。さすがに洗濯板までは思い浮かばなかった。 洗濯機と洗濯板を比較すると、洗濯板のほうが綺麗に汚れが落ちやすい部分があって近年再評価されているらしいし、頑固な汚れになりやすい血の汚れや匂いも、清潔魔法をかけながら落とすことでよりきれいになってくれるはずだ。少なくとも、汚れ以外の菌なんかは落ちるだろう。 自分の分の洗濯が終わった後、セルフ
side:商業ギルド マヨのレシピの特許権を独占することができた商業ギルドの動きは早かった。商業ギルドで、泡立て器も含めて材料の購入ルートを確保してしまうと、ギド親方から出来始めの数本を受け取り、商業ギルドの一角を仮のマヨ生産拠点とし、さっそくマヨづくりを始めた。 最初は二人一組で始め、慣れてきたら一人ずつそれぞれのペースでマヨづくりを始め、手ごろな容器を都合してくると、容器に入るだけのマヨをたっぷりと入れると、各食品店舗や食事店に無料で配り始める。「急いでください、初動でどれだけの店に配れるかが勝負を分けます。えこひいきなしでどれだけのお店に配れて、それぞれのお店でどのぐらいの客を相手にマヨを売りさばけるか、そしてマヨがどれだけ美味しいかをわかってもらうためのこれは呼び水です。金を払っても欲しいと思わせられればそれでマヨの価値は確定します。後は作っただけ売れる、と思ってください」「はい! 」 ギルド職員のやる気も本物らしく、一生懸命泡立て器を回しながら油を流し込んで、分離しないように一生懸命マヨを作る姿が見えていた。 木工ギルドから適度な大きさの入れ物を受け取ってはそこにマヨを詰め、試供品として配りまわる職員と、製造に回った職員、そして、職員に雇われて、機密契約を結んだうえでさっそくマヨを作り始めた、おそらくこの世界で初めてのマヨ職人たちがひたすらかき混ぜ続けることになった。「ギド親方には歯車式の回転泡立て器の発注はしてありますが、それが仕上がってくるまではひたすら自力で混ぜることになります。泡立て器までセットで考えてくれたタカナシさんにはお礼以外に言うことはありませんね。こうなることまで予想されていた、ということでしょうか」 マルタは一人微笑む。さて、マヨはいくらで売れば元が取れるのか……という計算はもうしてある。後はその値段でも買うと言い出す店がどれほどあるのか、ということだろう。しかし、これは調味料の革命だ。 マルタには絶対の自信があった。これは売れる、この街だけではない、国中、いや、商業ギルドが存在するすべての地域でこれを流行らせることができると。そのためのバラマキの値段だとする
翌日、いつもの強烈な日差しで目が覚める。そういえば、こっちに来てから一回も雨が降っていないな。乾期と雨期があったりして、はっきりとした季節なのか、それとも滅多に雨は降らないのだろうか。いずれにせよ、今日も仕事日和だ、しっかり働いていこう。 セルフィを起こす。今日は仕事の日だからな、しっかり朝から働いてもらう必要があるし、セルフィも仕事の日なら俺が朝から忙しそうにしていても問題はないだろう。「おはよう、セルフィ」「おはようございます、ご主人様」 昨日は夜も早くに寝たのでばっちりの目覚めのようだ。いつも通り身支度をして汚れても
銅貨90枚分の支払いをして、木工ギルドにさよならを告げる。親方が作る分は、いざ売れた時に商業ギルドと直接交渉して決めるらしいので、俺が発注したことにはならないらしい。とりあえず、ゲームの遊び方の説明書が必要だな。同じものを三枚用意する必要があるだろう。帰ったら紙に書いて説明書を作るか。セルフィにも文字を覚える練習にもなるだろうしな。 さて、戻るか。今日は一日良く休んだ。明日は何をしようかな……と、銀の卵亭に戻ると、セルフィはお休み中だった。よく寝ている。寝る子は育つというし、寝ている姿はかわいい剣聖様だ。さて、寝ている間にリバーシのルールを書
「……というのをやるのがリバーシだ」「なるほど、面白そうです」「今銅貨が……64枚あるな。お金で遊ぶと怒られそうだが、銅貨でやってみるか。こっちが表でセルフィの面、こっちが裏で俺の面だ。俺はルールを細かく知ってるから、セルフィが先に打っていいぞ」「はい、では……ここに打ちます」 セルフィとリバーシを始めた。マヨもなければリバーシもない。異世界チートはまだまだ有効範囲が広いということだな。そして、銅貨でもできるのにやり方を知らない子供がいるということは、この遊びはまだ誰も思いついてない、ということになる。 まだ
「さて……休みにふさわしい豪勢な昼食を食べに行こう。お金はさっきもらったから、今なら店ごと買えそうなぐらいだぞ」「そこまでですか! 」「セルフィ二人分ぐらい儲けたからな。マヨのおかげでセルフィも救われたようなもんだ」「私二人よりマヨのほうが価値があると言われているように感じて少しなんだか微妙な気分です……」「まあ、そのおかげで今日の財布には余裕がある。仕事もしてないのに人の手伝いをして右から左へ商品を流しただけで大金貨1枚の儲けだ。さあ、何を食べたい? なんでもいいぞ」







