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第10話 生贄の祭壇

Autor: 桜花桜餅
last update Data de publicação: 2026-04-28 17:00:00

僕たちは調理室を後にし、墓場のような静寂に沈んだ廊下を這うように進んだ。

 窓から差し込む赤い月光は、もはや光ではなく、床にぶちまけられたどす黒い粘液のようだ。

 自分の靴音がカツン、カツンと乾いた音を立てるたび、その振動が直接脳を叩き、心臓が爆発しそうなほど跳ね上がる。

 やがて、体育館の重厚な扉の前に辿り着いた。

 意を決して扉を押し開けた瞬間、肺の奥まで侵食するような異様な重みが押し寄せてきた。

 それは汗でもホコリでもない。

 鼻の粘膜にべっとりと張り付く、強烈な生臭さ…肺が拒絶反応を起こすほどの、腐りかけの内臓が放つむせ返るような死臭だ。

「……っ、う、あ……っ。」

 有栖が、喉の奥からせり上がるものを必死に堪えるような、潰れた声を漏らす。

 高い窓から降り注ぐ月光が、コート中央に鎮座する|そ《・》|れ《・》を、逃げ場のない鮮明さで照らし出していた。

 体育館の照明は落
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