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第12話 地獄の旋律

Auteur: 桜花桜餅
last update Date de publication: 2026-04-29 18:00:00

音楽室の壁と同化した隠し扉がまるで僕たちを誘うかのよう風が吹いている。

 僕たちは顔を見合わせた。逃げ出したいという本能的な拒絶は、誰もが抱えていたが、ここで背を向ければこの廃校という巨大な胃袋に消化されるのを待つだけだ。

「……調べるしかないな。」

 大樹の声は、地を這うように低く、逃げ場のない決意に満ちていた。

 有栖は白く震える唇を強く噛みしめ、縋るように僕の腕を掴んだまま頷く。

 扉の前に立つと、古い木材は死人の肌のようにじっとりとした湿気を含み、触れると心臓が凍るほど冷たい。錆びきった蝶番が、招き入れるように揺れている。

「……行くぞ。2人とも。」

 ギィィィイ……ッとゆっくりと口を開いた闇は、単なる暗がりではなかった。

 鼻を突いたのは鉄と腐敗した内臓が混ざり合う、むせてしまうほどの死の臭い。足元には薄い赤黒い粘液状の染みが広がり、赤い月光を吸い込んでどろりと光っている。

「……血だ
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