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1-12 自分の痕跡

Author: 酔夫人
last update publish date: 2026-01-28 10:11:11
あやめの満足のいく形で夕食が済んだ。

仕事に戻ると言う冬弥を見送った後、あやめは充てがわれた部屋へと戻ることにした。

ダイニングに来たときは、空腹もあってどこにも寄らなかった。

せっかくなので、食後の運動を兼ねてあやめは邸内を散策することにした。

早苗に頼むと快く引き受けてくれた。

一通り邸内を見て回り、戻ってきたダイニングの扉の前で早苗は立ち止まる。

「以上が、本邸の構造になります」

早苗の案内簡潔で、無駄がなかった。

だから何に邪魔されることなく、あやめは部屋の配置とその役割を理解できた。

「この屋敷は、正門から見て手前側が龍神会の本拠地となっております」

あやめの背後、玄関のほうを早苗が指し示す。

リビングと言うには無機質で、応接スペースと言ったほうがしっくりする部屋があったほう。

あちら側は全て龍神会としての場所。

神崎家の屋敷であるが、組のための公的な場所という位置づけ。

「奥側、ここから先が組長とその御家族、神崎家のプライベートエリアになります」

「ここ」と言われて、あやめは足元へ視線を落とした。

境界を示すものは何もない。

ただ、なんとなくだが空気が違う気がした。

人の気
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