Share

第698話

Author: 清水雪代
林社長と真一は、これまで何度も仕事で顔を合わせてきた仲だ。だからこそ、少しだけ詳しく事情を話してやってもいいという気になった。

「岡田社長があれほどお忙しい中、わざわざ奥様のお迎えに足を運んで、付きっきりで付き添っているんですよ。あのお二人の仲が悪いわけがないでしょう」

真一は、その言葉の意味を即座に呑み込んだ。

上流社会には、世間体を繕うためだけの仮面夫婦も決して珍しくはない。だが、一握りではあるが、本当に心底睦まじい夫婦というのも確かに存在するのだ。

悠人と智美は、間違いなくその後者なのだろう。

林社長から智美の話をいくつか聞くうちに、彼女がこの羽弥市で自ら起業し、しかもマネジメント会社まで立ち上げていると知って、真一の目が怪しく光った。

岡田の奥様が映像業界に関心を持っているのなら、そこを足がかりにして、岡田家そのものと深い繋がりを持てるかもしれない。

そこへ、先ほど真一から冷たくあしらわれた香月が歩み寄ってきた。不満を隠しもしない顔だった。「真一さん、さっきはどうして私のことを無視したの?」

まだ付き合い始めて間もなく、相手に飽きていなかった真一は、にこやかに香
Continue to read this book for free
Scan code to download App
Locked Chapter

Latest chapter

  • 無視され続けた妻の再婚に、後悔の涙   第700話

    「さすがは太っ腹な上司ね」智美は感心したように頷いた。「私は仕事の方を少し片付けてから行くつもりだけど、急ぎのものは出発前に全部終わらせておかないと。あなたも最近忙しいでしょうに、ちゃんと抜けられるの?」悠人は余裕の表情で頷いた。「兄さんがいるから問題ない。あいつは最近随分と楽ばかりしていたからな。そろそろ馬車馬のように働いてもらわないと」智美は思い出した。確かに、和也は最近よく会社を抜け出していたが、悠人はそれに対して特に何も文句を言わなかった。てっきり兄だから大目に見ているのだと思っていたが、実はわざと貸しを作っておいたのか。そう気づくと、思わず笑いがこみ上げてきた。こうして見ると、悠人の方がよほど計算高くて兄らしい。落ち着きという点では、間違いなく和也より一枚も二枚も上手だ。実家に戻ると、リビングには和也と美穂の姿があった。悠人は玄関で靴を脱ぎながら智美のバッグを自然に受け取り、彼女の手を引いてリビングへ向かった。美穂と並んでテレビを見ていた和也が、にやにやとからかうように声をかけてきた。「お、残業してから智美を迎えに行ったのか?ご苦労なこったな」悠人はそんな兄に冷ややかな視線を向け、窮屈だった袖口を直し、ネクタイをゆっくりと緩めながら宣告した。「兄さん。俺、数日後に智美と一緒に大桐市へ行くから。あとは頼むぞ」和也がぎょっとして目を丸くした。「おいおい、まさかまた弁護士に戻る気じゃないだろうな?悠人、あんな事務所は人に任せておけばいいんだよ!お前が会社に来てくれないと会社も困るし、何より俺が困る!」優秀な弟が山のような仕事を分担してくれているのに、今さら逃すわけにはいかない。悠人は慌てる和也をちらりと一瞥した。「弁護士に戻るんじゃない。智美の友人の結婚式に付き合うだけだ」和也はほっと大げさに胸を撫で下ろした。「なんだ、そういうことか。それならよかった、本気でびっくりしたぞ。で、何日いるんだ?」「三日だ」和也は少し不服そうに唇を尖らせた。「三日は長いな……お前が関わってるプロジェクト、俺には手に負えないものもあるんだぞ……まあいい、なるべく早く戻ってこいよ」悠人はぶつくさと文句を言う兄を相手にせず、智美の手を引いてさっさと二階の自室へ上がっていった。リビングに取り残された和也は、美穂に向かって子ども

  • 無視され続けた妻の再婚に、後悔の涙   第699話

    智美と悠人は車に乗り込んだ。今夜迎えに来た車は、悠人がいつも乗っている重厚な黒いマイバッハではなく、洗練されたロールス・ロイスだった。しかも色は、夜の街でも少し目を引く鮮やかな紫だ。智美は不思議そうに聞いた。「どうして急に車を替えたの?」悠人は淡々と答えた。「先日、輝煌グループの盛田(もりた)社長と対談番組に出たんだが、彼に感化されてね。それで、車を替えることにしたんだ」智美は首を傾げた。たかが対談番組に出たくらいで、どうして急に車を替えることになるのか。「だって、君が紫を好きだろう」「理由はそれだけ?」「それだけだ」釈然としないのに、何か隠しているような気がする。智美は車内で自分のスマホを取り出し、ブラウザで悠人の名前を検索してみた。すると、彼が言っていた盛田社長との対談番組の記事が、トップニュースとしてすぐに見つかった。記事を読み進めると、前半は業界の動向や互いの事業についての極めて堅い内容が続いていた。だが後半になると、司会者が空気を変えるように、二人の家庭生活について尋ねている。悠人はもともとそういった場では奥手なため、答えも非常に短くそっけないものだった。ところが、一方の盛田社長は、それはもう堰を切ったように惚気話のオンパレードだったのだ。「私の着ているスーツも、ネクタイも、靴も靴下も、これは全部妻が選んでくれているんです。私は彼女の選んだ服しか着ませんからね。毎晩必ず十時までに帰宅するように言われていますし、出張は三泊まで、もし三泊を超えるようなら一緒に連れて行くようにと厳命されています。私はその約束をずっと律儀に守り続けているんですよ。妻の好みはすべて完璧に頭に入っていなければなりませんし、毎年の記念日には必ず盛大なサプライズを用意します。私にとって、そんなことは全く難しいことではありません。記憶力には自信がありますからね。それから、普段私が乗る車の色も、妻の一番好きな色にしています。送り迎えするたびに、センスがいいと彼女から褒めてもらえるんですよ。まあ、そうでなければ、あんな素晴らしい妻の心を射止めることなどできなかったでしょうね!」記事によれば、盛田社長は愛妻の話が止まらず、三十分近くも熱く語り続けたらしい。司会者がとうとうたまらず口を挟んだ。「岡田さんもご結婚され

  • 無視され続けた妻の再婚に、後悔の涙   第698話

    林社長と真一は、これまで何度も仕事で顔を合わせてきた仲だ。だからこそ、少しだけ詳しく事情を話してやってもいいという気になった。「岡田社長があれほどお忙しい中、わざわざ奥様のお迎えに足を運んで、付きっきりで付き添っているんですよ。あのお二人の仲が悪いわけがないでしょう」真一は、その言葉の意味を即座に呑み込んだ。上流社会には、世間体を繕うためだけの仮面夫婦も決して珍しくはない。だが、一握りではあるが、本当に心底睦まじい夫婦というのも確かに存在するのだ。悠人と智美は、間違いなくその後者なのだろう。林社長から智美の話をいくつか聞くうちに、彼女がこの羽弥市で自ら起業し、しかもマネジメント会社まで立ち上げていると知って、真一の目が怪しく光った。岡田の奥様が映像業界に関心を持っているのなら、そこを足がかりにして、岡田家そのものと深い繋がりを持てるかもしれない。そこへ、先ほど真一から冷たくあしらわれた香月が歩み寄ってきた。不満を隠しもしない顔だった。「真一さん、さっきはどうして私のことを無視したの?」まだ付き合い始めて間もなく、相手に飽きていなかった真一は、にこやかに香月の肩を抱き寄せて林社長に引き合わせた。林社長も、彼女が彼の新しい相手だということは百も承知だが、愛想よく挨拶を返すだけですぐに他の客の相手に戻っていった。林社長が離れたのを見て、香月は真一に尋ねた。「真一さんも立派な社長さんなのに、さっきはどうしてあの岡田社長にあんなに腰を低くしてたの?」「媚びを売っていたんだ」と正直に言いたいところだったが、男としての面子を傷つけそうで言葉を濁した。真一は苦い顔で香月をちらりと見下ろした。「いいか、この羽弥市には名家の御曹司が道楽で経営しているような会社なんて腐るほどあるんだ。あの岡田社長の絶大な権力の前で、俺みたいなものが通用すると思うか?ああやって徹底的に下に出なければ、映画の出資なんて夢みたいな話を持ちかけられると思うか?」香月は、先ほど真一が悠人に必死で取り入ろうとし、結果的に自分が智美に大きく水をあけられた形になった悔しさを、未だに引きずっていた。でも、だからといって彼にむやみに機嫌を悪くして八つ当たりするわけにもいかない。真一は、香月が苦労してやっと掴み取った強力なスポンサーだ。怒らせて機嫌を損ね、あっさ

  • 無視され続けた妻の再婚に、後悔の涙   第697話

    シャンデリアの光が上から降り注ぎ、見つめ合う二人の顔を柔らかく照らし出す。それは誰もが目を奪われる美しい光景だった。傍らで見ていた香代子は、たまらず感嘆のため息をついた。もしこの二人が揃って芸能活動でもすれば、間違いなく瞬く間に世間の話題をさらうだろうに。本当に惜しいことに、この完璧な夫婦が興味を持っているのは、冷徹なビジネスの世界だけなのだ。林社長が慌てて近づいてきて、悠人に愛想の良い笑顔を向けた。「岡田社長!いやはや、さっき奥様からお話を伺っておりましたよ。まさか今夜いらっしゃるとは」悠人は軽く頷いてウエイターからグラスを受け取り、林社長に向けて優雅に持ち上げた。「今夜は、妻が大変お世話になりました」「とんでもないことでございます」グループのトップとして経営に携わるようになってからというもの、悠人が放つ気配はいっそう研ぎ澄まされていた。常に冷静で、言葉に重みがあり、頂点に立つ者だけが纏うことを許される絶対的な威厳を感じさせる。林社長は内心でつくづく感じ入った――岡田家の男たちは、本当に誰も彼もが桁外れだ、と。一方の香月は、彼氏が会場に到着したことに気づいていた。甘えて腕に寄り添おうと嬉々として歩み寄ろうとしたが、なんと彼氏は、まるで香月など見えていないかのように彼女の横を素通りし、真っ直ぐに悠人のもとへ向かっていったのだ。「岡田社長」不意に声をかけられ、悠人はゆっくりと振り向き、見覚えのない男を静かに見据えた。「私、ハヤテ映画株式会社の浅見真一(あさみ しんいち)と申します」男は恭しく名刺を差し出した。「実は現在、弊社で大型の新作映画の制作を予定しておりまして……もしご興味をお持ちいただけるようであれば、ぜひ一度お時間をいただき、ご相談させていただきたく存じまして」真一は、羽弥市の映画・映像業界ではそれなりに名の知れた人物だった。数年前に手がけた大作がいくつか立て続けに当たり、一時代を築いたこともある。だがここ数年は映像市場全体が低迷し、ショート動画の台頭が長編ドラマや映画の市場を確実に侵食していた。会社の受注は目に見えて減り、利益も急激に落ち込んでいるのが現状だった。彼の元妻も、夫の度重なる浮気癖についに見切りをつけ、数年前に離婚を突きつけている。香月とは、仕事の付き合いの食事の席で偶然出会っ

  • 無視され続けた妻の再婚に、後悔の涙   第696話

    しかし、林社長は少し困ったように表情を曇らせた。「奥様のお気持ちは痛いほど分かりますし、彼女は確かに素晴らしい素質がありそうだ。ただ……非常に申し上げにくいのですが、番組の枠がもう完全に埋まってしまっていまして。私としても、こればかりはどうしようもないんですよ」それは、体よく断る時の業界の常套句だと、智美もとっくに承知していた。それでも、ここで素直に引き下がるつもりはない。「確か、この新しい番組のメインスポンサーはまだ決定していませんでしたよね?」智美は軽く咳払いをして、手札から切り札をすっと切った。「実は夫が、岡田グループとして今年、羽弥市の各テレビ局への広告予算枠を大幅に増やす方向で検討しているようなんです。この番組に彼が興味を持ってくれるかどうかは……私には分かりませんが」林社長はすぐさまその言葉の裏にある巨大な意図を読み取り、パッと顔を輝かせた。「いやあ、藤沢さんのお顔、実に強運を持っていらっしゃる。きっとうちの番組を大いに盛り上げてくれる逸材に違いない!よろしい、特別に一枠、追加で用意しましょう。私が直接現場に掛け合って、必ず彼女を出演させてみせますよ」話はあっさりまとまった。智美は胸の内でしみじみ思った。名利の渦巻くこの世界は、確固たる資本の後ろ盾がなければ、たとえ岡田家という名前を出したところで、そう簡単には人は動かないのだと。自然と、悠人への深い感謝が湧き上がってきた。もし彼が、岡田グループの巨大な資産と権力を自由に使わせてくれると言ってくれなければ、自分ひとりの力でこのマネジメント会社をここまで軌道に乗せることなど、絶対に不可能だった。林社長と短い挨拶を交わしてその場を離れるなり、香代子が興奮気味に言った。「智美、旦那さん頼もしすぎるわよ!グループの莫大な資本まで使わせてくれるなんて」千鶴もまた、潤んだ感謝の眼差しを智美に向けた。デビューしたばかりの身で、いったいつになれば世間に注目してもらえるのかと不安でいっぱいだったのに、まさかこんなに早く、これほどまでに大きなチャンスを与えてもらえるとは思ってもみなかったのだ。「私も、今回うまくいったのは彼のおかげだと思ってる。帰ったら、ちゃんとお礼をしないとね」智美は優しく笑って言った。香代子が意味ありげに片目をつぶって見せる。「あなたが甘い言葉を

  • 無視され続けた妻の再婚に、後悔の涙   第695話

    「リンゴテレビの新しいオーディション番組のことですよね?さっき新人を二人連れてきているのも見ましたよ。あの子たちのために林社長とお話されるんでしょう?でも、残念でしたね。林社長、さっき約束してくれたんです。最後のひと枠は特別に私にくれるって。だからもう定員は完全に埋まってしまったんですよ。智美さんがこの後でお話しに行っても、無駄足になるだけだと思います」香月の声には、隠しきれない得意げな色がたっぷりと滲んでいた。まるで長年の雪辱を果たし、智美に一矢報いたかのように、あからさまに勝ち誇っている。しかし、智美は表情一つ変えなかった。「そうなの。じゃあ、林社長に直接確かめてみることにするわ」自分が嘘をついていると疑われたのだと察し、香月は不快そうに顔を曇らせた。智美はそれ以上、彼女をまともに取り合うつもりはなかった。関わること自体が貴重な時間の無駄だ。隣で聞いていた香代子が、呆れたような顔で拓郎に目を向けた。「ずいぶんとまあ……あなたが契約した新人さんは、落ち着きがないのね。自分が得た機会を、そんなに言いふらしたいものかしら?」香代子の鋭い皮肉に、香月の顔がさっと真っ赤に染まった。拓郎は当然、自分の連れである香月の肩を持つ。なんといっても、彼女は大切なスポンサーからの預かりものなのだ。香代子に向かって、不快感を露わにして言い返した。「この子に何も問題はない。彼女には才能も、スターとしての可能性も十分にある。だからこそ、あの林社長も特別に出場枠を認めてくれたんだ。それより香代子、お前こそ最近めっきりメディアの露出が減っているじゃないか。一年もすればすっかり人気も落ちて、業界の人間から名前すら忘れられるんじゃないのか?」香代子は余裕の笑みで眉を上げた。「ご心配なく。私の業界での立場は盤石よ。一年やそこらで落ちるような安い人気じゃないわ。それより、あなたが新しく契約した彼女のことをちゃんと考えてあげたら?一発屋で終わらなきゃいいけど……というか、一発も当たらないかもしれないけどね。以前もどこかのオーディション番組に出ていたみたいだけど、私の名前に便乗して、それでもまったく話題にもならなかったじゃない。また性懲りもなくオーディション番組に出すって、どういうこと?あなたの育て方に問題があるんじゃないの?」痛いと

  • 無視され続けた妻の再婚に、後悔の涙   第475話

    余裕たっぷりに身を引く智美の姿が、加恋の闘争本能に火がついた。自分が智美のような小娘に負けるなんてありえない。悪いのは全部、この無能な駿のせいだ!駿はどうにか加恋の機嫌を取ろうと、おずおずと提案した。「えーっと、最後のラウンドですが、夏井社長は参加されますか?」最後のゲームは「しっぽ取り」——背中のゼッケンを奪い合う、体力勝負のゲームだ。加恋は目をぎらつかせた。「やるわよ、やらないわけないでしょ?ちょっと待ってて、岡田社長を誘ってくるから」加恋が息巻いて近づいてくるのを見て、智美も悠人も顔を見合わせ、困ったように苦笑した。「岡田社長、智美さん。ここに座っているだけじゃ退

  • 無視され続けた妻の再婚に、後悔の涙   第477話

    悠人と智美は空港で別れた。大桐市に戻った智美は、すぐに仕事モードに切り替えた。六月の大桐市は、すでに初夏の暑さを帯びていた。智美は半袖に着替えて業務に励んだが、オフィスの空調が効きすぎていたのか、風邪を引いてしまった。最初はあまり気にせず、我慢していれば一週間程度で治るだろうと高をくくっていたのだが。ところが風邪は悪化の一途をたどり、激しい咳と喉の痛みに襲われるようになった。最後には観念して、病院に行くことにした。季節の変わり目ということもあり、外来の待合室は風邪や咳を訴える患者で溢れかえっていた。智美は長い間待ち続け、ようやく自分の番号が呼ばれた。彼女はマ

  • 無視され続けた妻の再婚に、後悔の涙   第496話

    雛子の瞳に期待の光が宿ったが、すぐに不安げに陰った。「本当に……働いてもいいんですか?瑞希さんの不興を買うのでは……?」「母さんのことは気にするな。君が何をしたいかだけ考えればいい。俺が守ってやる」祐介は財布からプラチナカードを取り出し、彼女に渡した。「これを使え。毎月の限度額は二百万円だ。好きなものを買っていい」そして彼女の身に纏った、どこか頼りない既製品の服を見て、かつての智美の質素な姿を思い出し、胸が痛んだ。あの頃の自分は、智美にまともな服一枚買ってやらなかったなんて、あまりにも冷酷だった。「服もバッグも化粧品も、すぐにでも一流品を用意させる。雛子、俺の隣に立つ女なん

  • 無視され続けた妻の再婚に、後悔の涙   第470話

    「そんな冷たいこと言わないでよ。彼も魔が差しただけよ。それに、あなたは岡田社長と同じ大学の出身でしょう?彼があなたに気がないとしても、昔の仲じゃない。うまく口添えしてくれれば、きっと穏便に取り計らってくれるわよ」さっき悠人のオフィスに激昂して食ってかかり、無様に追い出された。今さら頼めるわけがない。「加恋、お願いだから助けてあげて。じゃないとおばさんに合わせる顔がないのよ!頼むわよ!」加恋はスマホを握りしめ、苦渋の表情で考え込んだ。今、助けてもらえる可能性があるとすれば……智美しかいない。「……善処はしてみるわ」……昼、智美は悠人とランチを共にしていた。悠人

More Chapters
Explore and read good novels for free
Free access to a vast number of good novels on GoodNovel app. Download the books you like and read anywhere & anytime.
Read books for free on the app
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status