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第199話

Penulis: 花野めい
看護師は少し言いよどんでから、こう続けた。

「新しく担当する主任医師は、海外研修から戻られたばかりで、大変評判の高い先生なんです。

すでに多くの患者様から予約が入っておりまして、先に一度、診察と記録の引き継ぎを済ませていただければ、次回以降の妊婦健診も優先してご案内できます。

次の健診が近くなってからですと、ご希望の日に予約をお取りできない可能性もありますので」

西戸市総合病院は、国内でも有数の大病院だった。産婦人科はどの医師も人気が高く、初診の予約を取るだけでも一苦労だった。

三久が初めて受診したときも、どうにか空き枠に入れてもらったのだ。その後は院内で次回の予約を取れるようになり、ようやく受診に困らなくなっていた。

「分かりました。では、予約をお願いします。日時が決まったら、事前にご連絡いただけますか?」

「明日でしたら、ご都合はいかがでしょうか。午前中に秦先生が時間を空けて、直接診察してくださるとのことです」

明日は水曜日。午前中は会議もなく、九洲との案件も軌道に乗っているため、休みも取れそうだった。

三久は了承し、退勤前に上へ行き、由樹に半休を願い出た。

オ
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    三久はトーク画面をじっと見つめていた。息を潜めるようにして、由樹からの返信を待つ。何度も画面を確認したが、新しいメッセージが届くことはなかった。やがてスマホの画面も暗くなり、由樹からの返信は、それきり来なかった。三久はスマホの画面を消し、暗闇の中に身を沈めた。しばらく寝返りを打ち続け、ようやく眠気が訪れる。翌朝早く、三久は電話の音で目を覚ました。目も開けないまま枕の下に手を伸ばしてスマホを取り、応答する。「もしもし、早坂三久様のお電話でしょうか」「はい。どちら様ですか」「こちら、ヴェリア産後ケアセンターでございます。ご予約内容の確認でお電話いたしました。8月28日がご出産予定日と伺っておりますので、二週間前を目安にご入居のご案内をさせていただきます。ご入院の準備もあらかじめお済ませいただければと……」電話の向こうの柔らかな女性の声が、丁寧に説明を続ける。三久は遮った。「すみません、お電話番号をお間違えではないかと思います。私、そちらに予約した覚えはありませんが」「こちらは高崎久留美様よりご予約をいただいております。料金もすでにお支払いいただいておりますので、当日はそのままお越しいただければ結構です」スタッフはそのまま、入居手続きの流れを説明し続ける。三久は最後まで辛抱強く聞き終えた。眠気はすっかり吹き飛んでいた。起き上がるのも待ちきれず、そのまま久留美へ電話をかけた。久留美はほとんど間を置かず応答した。「三久さん?」たったひと言に喜びと驚きが滲んでいた。「先ほどヴェリア産後ケアセンターからお電話があって、そちらでお部屋をご予約くださったと伺いました」三久は前置きなく本題に入った。「ええ。紫織と出産時期がほとんど同じだから、あなたの分もと思って予約しておいたの。この間あなたが一度来てすぐ帰ってしまったでしょう。もしかしてお金のことを気にしているのかと思って」久留美の声は慈しみに満ち、まるで面倒見のいい年長者のようだった。「申し訳ありません。そのご厚意には甘えられません」「まあ、そんなに急いで断らないで」久留美は言葉を遮った。「私だって、誰にでも理由もなく親切にするわけじゃないの。あなたと紫織のあいだには、良くないことがいろいろあったでしょう。だから和

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