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私を裏切った億万社長、今はもう一度愛して欲しいと求めてくる
私を裏切った億万社長、今はもう一度愛して欲しいと求めてくる
Penulis: みゃー

再会

Penulis: みゃー
last update Tanggal publikasi: 2025-12-19 19:34:55

(これがAJグループの本社ビル……)

空間デザイナーの鈴木智也は、きちんと仕立てられたスーツを身にまとって、東京都心にそびえ立つ、38階建ての巨大なAJグループ本社のビルを近くで見上げて内心感嘆した。

その端正で清らかな顔立ちはスーツによって一層際立ち、ビジネス街を行き交う男女が思わず振り返ってしまうほどだった。

智也の顔立ちは繊細で柔らかく、僅かに上がった眉目には穏やかさと聡明さが漂う。

輪郭は、はっきりしているのに決して硬さを感じさせない美しいラインを描いている。

白く滑らかな肌。

自然でふっくらした唇。

光が彼の肌に落ちるとやわらかな輝きへと変わっていくようだった。

「本当に、俺達の会社みたいな小さな所がAJグループから新規ホテルの内装デザイン任されるのが決まったのも、全部鈴木のお陰だよ」

上司でありスーツ姿の部長で中年の別所がそう言いながら、穏やかな視線を智也に向けた。

「そんな事ないです」

「いや、鈴木は、本当に才能があるし、何よりそれ以上にいつも誰よりも勉強して努力してる。俺は、それを本当に知ってるから言ってる」

別所のその言葉で、智也は増々照れながら「はい……ありがとうございます」と小さく返事をした。

不意に、晴れ晴れとした秋の初めの爽やかな風が智也の頬を撫でた。

「ハイ!行きましょう!別所部長!」

智也がそう言うと2人は颯爽と、AJグループのビルに吸い込まれるように入って行った。

AJビルは、縦に長いだけで無く、横にも大きい。

そこですれ違う人も多く、ガラス張りの部屋も沢山並びそこで働く人も多い。

智也の前にはAJの社員とそれに続く別所の背中が見える。

「わ~!」

「凄いイケメン過ぎる……新しい広告のモデルさん?」

どこからかそんな女性達のヒソヒソ声がしたが、人や部屋が多過ぎて誰かわからない。

智也は、その容姿から普段から多くの人から視線を向けられるのは慣れてるとは言え、やはりそれは苦手だし、今日はいつもより多く受けている。

智也の気持ちが乱れてきたし、会議室が近づくに従ってプレゼンへの緊張感が高まってきた。

そして呼吸が浅くなるのを感じ、周りにはわからないように意識して空気を取り込み始めた。

智也達は、会議室の前に来た。

「鈴木様。まずあなた様からお入り下さい」

そして何故か、先導してきたAJの社員は、別所では無く、一番最初に智也に入室を促した。

「えっ……しかし……」

智也は、躊躇し上司の別所を見た。

こういうシチュエーションでは、上司が先に入るものだ。

しかし、別所は気にする素振りもなく、

智也に先にドアを開けて入室するように視線だけで合図した。

智也は、意を決して大きく息をしてから会議室のドアを開けた中に入った。

智也の目の前にまず、ひたすら広い静寂な会議室が広がった。

内装もシンプルで白と黒に統一され、実に無駄が無い。

そこに、いかにも多人数でいつも会議するのだろう、この字型に沢山の高級そうな机と椅子が並び威圧感を出している。

だが、会議までまだ時間があるせいか、このだだっ広い部屋には遠く最奥のデスクに人が一人しか座っていなかった。

しかもその席は、どう見ても会社のトップの座る位置だった。

その人物が少し遠くて、すぐに智也にはその人物の顔がよくわからなかった。

それでも智也は、真っ直ぐ前に視線を向け顔を確認すると――

(あの人……?)

智也の目の前の彼の顔は、立体的で力強く、剣のように鋭い眉、深く鋭利な眼差しは全てを見透かすようだった。

高く通った鼻筋と形の良い引き締まった唇、輪郭のハッキリした顎が、息を飲む程の完璧な横顔を描き出す。

服装は、シンプルながら上質で、体にぴったり合う黒のスーツは身長のラインを美しく際立たせ、身分の高さも表している。

目元には僅かに冷たさが漂うが、全体的な雰囲気は圧倒的に高貴で、直視する事を躊躇わせる程。

しかし、目を離す事が出来ない魅力も備えている。

頭の先からつま先まで、あらゆる細部にいたるまで完璧で欠点が無い。

生まれながらに世界を従わせる俊美な男。

その気品、容貌、オーラの全てが、彼の貴族的な威厳と侵す事の出来ない完璧さを物語っている、

智也は一目で固まり、胸がぎゅっと締め付けられ、息が止まり、指先が微かに震えた。

「鈴木様。今、あなたの目の前、真正面におられるのが、我がAJグループの社長であらせられる、不破大成(ふわたいせい)です」

智也は、内心ビクっとし、頭の中は一瞬で真っ白になった。

目の前の男は、まるでスローモーションになったかのようで、一つ一つの動作、呼吸さえも鮮明に感覚を刺す。

智也の心臓は早鐘のように打ち、自分の目を疑わずにいられなかった。

――そうだ、不破大成、AJの社長で、智也の初恋だ――

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