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Author: 槇瀬陽翔
last update publish date: 2025-08-31 20:41:01
「…っ…ここは?」

目を覚ませば見慣れぬ天井。消毒臭い場所。

「病院だ」

その声に驚き飛び起きた。そこには金狼さんの姿があった。

「えっと…どうして?」

思わず聞いちゃった。

「お前が帰るときに変な奴らが付いていったからな。気になって追いかけて行ったらこの様だ。俺がもう少し早く気が付いて追い付けられたら良かったんだけどな」

金狼さんは少しだけ渋い顔をして教えてくれた。

そうなんだ…

「ありがとう。俺って帰ってもいいの?」

取り敢えずどうしていいかわかんないから聞いてみた。

「ん? あぁ、殴られた頭は検査して異常がないから大丈夫だ。ただ、右腕はヒビが入ってる。2週間ぐらいで治るからそこまでは酷いケガじゃない。それと、母親が来るぞ。連絡したから」

金狼さんの説明に固まった。

おふくろが来る?

俺のせいで?

「…っ…行かなきゃ…」

俺は急いでベッドから飛び降りると病室を抜け出してロビーに向かう。

「蒼樹、大丈夫なの?」

あぁ、遅かった。もう来たのか…

「うん、掠り傷だから…。ごめん急がしいのに…」

俺はお袋から視線を逸らし謝る。俺と視線が合うのを嫌がる人たちだか
槇瀬陽翔

2026/01/21…今更ながら誤字脱字等の修正をしました。

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    「苗代、織田を連れて今日はもう帰れ。そんな状態じゃ無理だろうし邪魔になるだけだ」 部屋に戻って来た拓ちゃんが言う。俺は怖くて翔ちゃんの胸に顔を埋めてた。 「あぁ、わかった。そうする」 翔ちゃんの手が俺を落ち着かせるように何度も背中を撫でていく。でもそれも意味がない。 「夜、行くから待ってろ」 耳元で囁かれて驚いて拓ちゃんを見たらいつもの優しい顔で俺の頭を一撫でした。なんで?どうして?本当の俺を知ったんでしょ?なんでそんなこと言うの?「苗代、後でメールする」 「おう、わかった」 翔太は拓ちゃんの言葉を聞き返事をして俺を抱き上げて生徒会室を出た。教室に戻る間も俺はずっと翔太に抱きついたまま。こうしておかないと暴走してしまう…自分が止められなくなってしまう…結局、俺たちは強制的に帰ることになった。俺は翔太に送られる形で家に帰ってきた。 「もう少し一緒にいるか?」 翔太が聞いてくるけど 「大丈夫」 俺は首を振り答える。これ以上は迷惑かけられないからさ。 「そっか。じゃぁ、また明日な」 翔太は俺の頭を撫でて帰っていく。俺はそんな翔太の背を見送ってから家の中に入った。自分の部屋に入り制服を着替えてベッドに座る。蘇るのはさっきの出来事。あと少し…あと少し遅ければ俺は殺していただろう。「は…ははは…」俺はそのまま横に倒れた。もう傍にいられない…もう…一緒にいられない…これで拓真にも完全にばれたよね…俺には闇が付きまとう。そんな俺には幸せなんてこない… ピンポーンチャイムの音で俺は目を覚ました。慌てて下に行き玄関の扉を開ければ拓真がいた。 「あがってもいいか?」 そう聞かれるから俺は躊躇いながら頷いた。拓ちゃんは俺が頷いたのを見て俺の部屋へとあがっていく。俺も鍵をかけて急いで後を追った。拓ちゃんはベッドに座り 「おいで」 両手を広げて俺に言う。俺はそれに誘われるように拓ちゃんの方に行けば 「もう我慢しなくていいから」 俺を抱きしめ優しく頭を撫でてくれる。どれだけこの人は俺のことを見てるの?どれだけ俺のことを知ってるの?「…っ…ふっ…たくぅ…拓真ぁ…」 いつもそうだ。闇の俺が現れた後は必ず俺を甘やかす。まるで狙ったかのように現れて…散々俺を甘やかす…どうしてあなたにはわかるんだろう?ねぇどうして?なんで

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    pipipipipiいつものように携帯のアラームで目を覚ます。ゴソッと動いて違和感に気付く。あるはずのない温もり。 俺は目を開けてその存在を確かめる。あぁ…やっぱり拓ちゃんだ…俺はその胸にすり寄った。この場所にいるときだけ俺だけのもの…俺だけのものでいられる瞬間…すり寄ったらギュッと抱きしめられた。 「おはよ」 俺は拓ちゃんの胸に顔を埋めたままいえば 「おはよう」 拓ちゃんは抱きしめる腕に少しだけ力を込める。俺…やっぱり拓ちゃんが好き…誰よりも…拓ちゃんが好き…「朝飯、作るか」 拓ちゃんは携帯で時間を確認して言う。 「ん」 俺は小さく頷いた。本当はもっとこうしてたい。でも学校だしね。 拓ちゃんは俺を離すとベッドから降り部屋を出て行った。ほんと…俺が好きでいいのかな?闇を纏う俺が好きでいていいのかな…あなたは太陽のような人なのに…俺は…俺は闇そのもの。ねぇ拓ちゃん…あなたは俺の何を知っているの?あなたは俺のどこまでを知っているの?全部知ってるの?あなたは本当の俺を知っても傍にいてくれるの?俺は拓ちゃんの作ってくれたご飯を食べて二人で一緒に学校に行くために家を出た。いつもなら一人なのに今日は拓ちゃんと一緒…なんか不思議…「バスだけどいい?」 俺は拓ちゃんに聞いてみた。 「あぁ、それでいい」 拓ちゃんはそう返事をしてくれる。 俺たちはバスに乗り込み学校へと向かった。もっと…もっと拓ちゃんの傍にいたい…もっと…傍に…バスに揺られ俺は隣に立ってる拓ちゃんを盗み見る。信じていいのかな…拓ちゃんの言葉…「どうした?」 俺の視線に気が付いた拓ちゃんが訊いてくる。 「ううん、なんでもないよ」 俺はそう誤魔化した。実はさ今、拓ちゃんがつけてるメガネね俺のやつなんだ。俺がつける前に拓ちゃんに取られて掛けられちゃった。 で、俺の方が拓ちゃんのやつ。これさ、拓ちゃんの心遣い。気付くやつは気付くんじゃないのかな?俺と拓ちゃんのメガネが違うの。ホントはすごく嬉しいんだ…たったこれだけのことだけど俺にはすごく嬉しいこと…これだけで幸せを感じられるんだ…バスを降りて溜め息をつく。俺が俺じゃなくなる瞬間。 「行くぞ」 拓ちゃんが声をかけてくるから 「あっ…うん」 俺は返事をして拓ちゃんの後をついていく。門を入っ

  • 蒼い華が咲く   64

    「でも…それで本当によかったの?」 雅が困った顔しながら聞いてくる。そんな顔しなくてもいいのに。 「なにが?恋愛は個人の自由でしょ?俺はそれに関してはなにも言わないよ?真樹だって拓海と付き合ってるし、直海だって晃司と付き合ってるんだし。メンバー同士で付き合ってるやつ他にもいるよ?それってさ本当に自由じゃないのかな?俺が止めることじゃないもん。俺はそこまで口出さないよ?俺が口出す問題じゃないしね。俺がZEAのルールを決めてるわけじゃない」 俺は守られてはいるけどZEAのルールを決めるつもりはない。ZEAのトップは翔太なのだから…翔太が決めることだから…俺は口を出さない。恋愛は自由だか

  • 蒼い華が咲く   63

    俺と拓ちゃんはなんの会話もなく正輝さんの店に向かった。こうやって一緒に歩けるだけで俺は嬉しいよ。 店に入ればみんなが来てて騒いでた。まぁ相手はバイクなんだから当たり前なんだけどね。 「そーちゃん!」 なんて抱きついてくるから 「まーくん!」 とまぁいつもの挨拶を例の如く30人分やってのけた。その挨拶を終えてから俺は拓ちゃんを連れて翔太が座ってるボックス席のソファに座った。なんだかんだで雅たちも一緒に来たんだね。 「おまたせぇん」 そう声をかけて拓ちゃんが隣に座ったのを見計らってゴロッと膝枕をする。いつものことだから拓ちゃんはなんにも言わない。 「お前さ、いっつもこんななの

  • 蒼い華が咲く   62

    俺はタバコを吸い煙を肺の中に吸い込み吐き出す。何日ぶりだっけ?タバコ吸ったの?拓ちゃんに会ってからしばらく止めてたんだけどな…「そうだ蒼樹お前の携帯は…ってお前はぁ~!!」 ヤベぇ。翔太に見つかった。 「1本だけだから心配するなよ」 自分の携帯を翔太に投げつけ短くなっていくタバコを吸いながら答える。 「それで止めとけよ」 翔太は諦めたのか俺の携帯を受け取りデータを入れてくれている。俺はギリギリまで吸って小さくなったタバコを捨て踵で踏みつけ火を消す。 潰したタバコを拾いポッケの中にしまい、ゆっくりとみんなの方に戻る。そろそろ終わりそうだったからさ… 「終わった?」 俺は翔

  • 蒼い華が咲く   61

    翔太の優しい声に反応するように顔を上げると額に目元に頬に優しいキスが降りてくる。そして最後に唇に…。 触れるだけの、子供がじゃれ合うような軽いキスを繰り返す。もう一度、額に唇を寄せ 「もう大丈夫か?」 優しい声で静かに聞いてくる。俺はそんな声を聞きながらそっと目を閉じ息を吐く。 「ありがと翔太。もう大丈夫」 翔太のこの行為のおかげで俺はいつも落ち着ける。そしていつもの偽りの俺へと戻れるんだ。 「ねぇ」 躊躇いがちに声をかけられ 「ん?」 二人して声のした方を見る。 「二人とも付き合ってないんだよね?」 雅がそんなことを聞いてくる。 「そうだけど?どうして?」 なんで

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