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第16話(16)

Author: 北川とも
last update publish date: 2026-02-13 08:00:24

 足元の腰紐を取り上げようとすると、先に取り上げた賢吾に背後から抱き締められた。

「俺が結んでやる」

 そう言った賢吾に促され、姿見の前に立たされそうになったが、和彦は軽く身じろいで拒む。

「恥ずかしい格好を自分で見たくない」

「恥ずかしい、か……」

 何か含んだような賢吾の物言いが気になり、振り返る。思った通り、楽しそうに笑っていた。

「……いまさら何を恥ずかしがる、と思っている顔だな、それは」

「さあ、どうかな」

 耳元で微かな笑い声を洩らした賢吾が、衿を緩めに合わせて、腰紐を締めてくれる。

「春には、先生も自分で着物の着付けができるようになってもらおうか」

「ぼくが着る必要はないだろ」

「着物姿の先生を外に連れ回すと、俺の気分がよくなる」

 長襦袢の上から腰を撫でられて、和彦はビクリと体を震わせる。そのまま身を固くしていると、賢吾は着物を肩にかけてくれた。

「きちんと帯を締めてやろうか?」<
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  • 血と束縛と   第7話(16)

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    last updateLast Updated : 2026-03-22
  • 血と束縛と   第7話(15)

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    last updateLast Updated : 2026-03-22
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