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第3話(36)

Author: 北川とも
last update Petsa ng paglalathala: 2025-11-01 21:00:22

「いいよ、なんだって。先生が、こうして俺の側にいてくれるなら」

「〈俺〉じゃない、〈俺たち〉だ」

 賢吾にあごを掴み寄せられ、また唇を吸われる。和彦は賢吾の頬をてのひらで撫でると、そっと唇を吸い返していた。満足そうに賢吾が目を細めて言った。

「――ヤクザの扱いに慣れてきたな、先生」

 内心で和彦はドキリとする。したたかになると決めた和彦は、自分の立ち位置を探り始めていた。決してこの父子に媚びないが、決定的な反抗はしない。今の和彦の話は、ウソではないが、すべて本当とはいえなかった。

 ヤクザにさまざまなものを与えられながら、従うことを求められている和彦の感情は、そう簡単なものではない。

 千尋はともかく、賢吾はそんな和彦の内心を汲み取っているようだった。だが、完全な恭順までは求めてこない。その理由は――。

「根っからのヤクザじゃない先生に、俺たちの組織や考え方に心酔しろってのは無理な話だからな。だったら、損得の話で従わせるほうがいい。こちらが与え続ける限り、裏切られることも、離れることもない」

 賢吾の
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