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第6話(26)

Aвтор: 北川とも
last update Последнее обновление: 2025-11-21 20:00:23

 すでに敷いてある布団の一つにどかっと胡坐をかいて座り込むと、片手に持っていた缶ビールを開け、豪快に飲み始める。和彦は、さりげなく部屋の隅へと移動しながら、そんな賢吾を見つめる。

 昼前に目的地に着いてから、賢吾たちは病院に向かったが、和彦だけは組員一人を運転手としてつけられ、なぜか観光地巡りをさせられた。組員ではない和彦を、組員たちが集まった病室に連れて行かないだけの配慮を、賢吾はしてくれたのだ。

 用意された宿は、こじんまりとして古くはあるが部屋も風呂もきれいで、いかにも温泉地にある宿といった風情を持っていた。観光シーズンから外れているためか一般の宿泊客も少なく、宿内を長嶺組の一団がうろうろしていても、さほど気にしなくて済んでいる。

 大広間での夕食のあと、和彦だけは大浴場でゆったりと入浴を楽しめたが、体に刺青を入れている賢吾たちはそういうわけにもいかず、本来なら一時間ごとの貸切になっている家族風呂を悠々と占領してきたようだ。

 和彦は窓に這い寄ると、外の景色を眺める。通りに沿って宿や飲食店の明かりがぽつぽつと灯っているが、降り続く雨の
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     自分はこの男のオンナなのだと、和彦は本能で痛感させられる。自分が今いる世界の中心は、大蛇の刺青を背負ったこの男なのだとも。 和彦の変化に気づいたのか、賢吾は牙を剥くように笑いながら、熱く高ぶった欲望を内奥の入り口に擦りつけてきた。「あっ……」 一気に内奥深くまで押し入ってきた賢吾は、自分の感触を刻みつけるように大胆に腰を使う。それでなくても感じやすくなっている部分には、強烈すぎる律動だった。「うあっ、あっ、んああっ――」「丹念に可愛がってもらったようだな。こんな奥までトロトロだ」 果敢に奥深くを突き上げられ、抉られる。和彦は腰を弾ませながら賢吾の激しさを受け止め、じわじわと押し寄せてくる肉の愉悦に喉を鳴らす。 いつの間にか和彦のものは反り返り、先端からはしたなく透明なしずくを滴らせていた。賢吾が指の腹で先端を撫で、鋭い快感に和彦は息を詰める。柔らかな膨らみすらも揉みしだかれ、たまらず腰を捩ろうとしたが、内奥深くにしっかりと欲望を埋め込まれているため、それすらできない。 和彦はすがるように賢吾を見上げる。このときの表情が、残酷な大蛇の性質を満足させたのか、賢吾は目元を和らげた。 唇を吸われ、そのまま余裕なく舌を絡め合う。和彦は夢中になって賢吾の背に両腕を回し、大蛇の刺青を忙しくまさぐる。褒美だといわんばかりに乱暴に腰を突き上げられ、身震いするほどの快感を与えられた。「んっ……、はあっ、あっ、あううっ……」 身悶える和彦の髪を、賢吾が荒っぽい手つきで鷲掴む。息もかかるほどの距離で、こう言われた。「先生に〈いいこと〉をしたのは、長嶺の守り神だとでも思っておけ。多分、凛々しくて美しい若武者の姿をしているぞ。先生は、そんな守り神に気に入られたんだ。俺や千尋のオンナだからというのもあるだろうが、先生自身の情の深さも多淫さも、したたかさすら、たまらなくよかったんだろうな。何より、惚れ惚れするような色男だ」 貪るような口づけを交わしてから、和彦は喘ぎながら問いかけた。「――……そういう理屈で、あんた

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    「内緒」 先日、千尋が入れるつもりの刺青の絵柄について尋ねたとき、千尋が答えた言葉をそっくりそのまま返してやる。本人もそれがわかったのか、短く声を洩らして笑った。「意外に根に持たれてる?」「ぼくは執念深いんだ」 ようやく髪が乾き、ドライヤーを置いた千尋が手櫛で整えてくれる。至れり尽せりだと、口元を緩めた和彦が立ち上がろうとすると、すかさず背後から抱きつかれた。「おい、千尋――」「なんか先生、今朝は妙に色っぽいよね。さっき俺たちの前に姿見せたとき、ちょっとドキッとしたもん」「何言ってるんだ……」 千尋の嗅覚の鋭さを、和彦はよく知っている。動揺を押し隠して腕の中から抜け出そうとするが、かまわず千尋は間近から顔を覗き込んでくる。「――長嶺の男って、結局、好みと行動が似てるのかな。気に入った人を逃がさないよう、長嶺の家に取り込んで、縛り付けようとする」 独りごちるように言いながら、千尋が和彦の首筋に顔を寄せて、ペロリと舐め上げてきた。熱く濡れた感触に和彦は、鳥肌が立ちそうなほど強烈な疼きを感じる。「千尋、こんなところでふざけるなっ」「俺は、歓迎だよ。先生が、長嶺の男と深く結びついていくの。そうすることで先生は、俺たちから離れられなくなる。目に見えない形で、長嶺の血が先生の中に流れ込んでいくんだ。……じいちゃんが今、総和会に対してやっているみたいに」 千尋の物言いは、確信しているようだった。和彦が夜、〈誰〉と深く結びついたのかということを。 しかし和彦自身は確信を得ることを避け、瞼の裏に焼きついている、掛け軸に描かれた若武者の姿にすがっている。「……さっきも言ったが、夜はゆっくりと休めた。お前が何を勘繰っているのか知らないが、何もなかった。ただ……、ちょっと艶かしい夢を見ただけだ」 和彦を抱き締める千尋の腕に、わずかに力が加わる。「その艶かしい夢って、相手がいた?」「ああ……」「誰?」「客間に行っ

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