Se connecterライブ後、響は会場の外で藤堂を待った。他の観客たちが次々と帰っていく中、響はビルの前でじっと立っていた。夜風が頬を撫で、遠くから酔客の笑い声が聞こえてくる。初夏の夜は心地よく、街路樹の葉が風に揺れている。
しばらくして、藤堂が出てきた。汗を拭きながら、響を見つけると満面の笑みを浮かべた。
「響! 来てくれてたんだな!」
「……ああ」
「どうだった?」
藤堂は期待に満ちた目で響を見つめた。まるで、子供が親に褒めてもらいたがるような、純粋な期待。響は少し迷ったあと、小さく頷いた。
「……よかった」
「マジで!?」
藤堂はうれしそうに響の肩を叩いた。
「ありがとう! なんか、本当に歌った甲斐があった」
「……最後の曲」
響は顔を逸らしながらいった。
「あれ、よかった」
「だろ? あれ、お前のために選んだんだ」
響は驚いて藤堂を見た。藤堂は照れくさそうに頭を掻いた。
「お前の曲を聴いたら、自然とああいう雰囲気の歌を歌いたくなったんだ。お前にこの想いが届いていたら、うれしい。伝わったかな?」
響の胸が、また熱くなった。こんなふうに、誰かが自分のために何かをしてくれたことなんて、これまでなかった。家族以外で、自分のことを考えてくれる人がいるなんて、思いもしなかった。
「……あの歌声なら」
響は小さく呟いた。
「俺の曲も、歌えるかもしれない」
藤堂の目が大きく見開かれた。数秒の沈黙のあと、彼は興奮した様子で響の手を握った。その手は温かく、力強かった。
「本当か!?」
「……条件がある」
「なんでも聞く!」
響は藤堂を真っすぐ見つめた。夜の街灯が、二人の顔を照らしている。
「俺の曲を笑わないこと。気持ち悪いとか、暗いとか、そういうことをいわないこと」
「当たり前だ」
藤堂は即座に答えた。
「お前の曲を笑うやつがいたら、俺が許さない。誰であろうと」
その言葉に、響の心が震えた。藤堂の瞳には、真剣さが宿っていた。そこには嘘も、お世辞もない。ただ、純粋な誓いだけがあった。
「……じゃあ、一曲だけ」
「ありがとう!」
藤堂は響の手を強く握った。
「絶対、大切に歌うから。俺の命に懸けて」
「……大げさ」
「大げさじゃないよ」
藤堂は真剣な顔でいった。
「俺にとって、これは本気なんだ」
藤堂の手は温かかった。その温もりが、響の凍てついた心を、少しずつ溶かしていくようだった。
――もしかしたら。
響は思った。
――もしかしたら、この人となら。
自分の音楽を、誰かと分かち合えるかもしれない。そんな希望が、響の胸に芽生え始めていた。
二人は並んで夜の街を歩いた。藤堂は興奮した様子で次のライブのことや、響の曲をどう歌いたいかを語り続けた。
「お前の曲、いつ聴かせてくれる? 明日にでも?」
「……そんなに急がなくても」
「急ぐよ! だって、早く歌いたいんだもん」
藤堂の声は弾んでいた。響はそんな彼を横目で見ながら、小さく笑った。
「……子供みたい」
「え、そう? よくいわれる」
藤堂はけろっとした顔で答えた。
「でも、好きなことに対しては真剣なんだぜ」
「……わかってる」
響はそう呟いた。藤堂の真剣さは、嘘じゃない。彼は本当に、音楽を愛している。そして、自分の曲を愛してくれようとしている。
それがうれしい反面、同時に怖くもあった。
二人は駅まで歩き、改札の前で別れた。
「じゃあ、また月曜日な! 楽しみにしてる!」
「……ああ」
藤堂は手を振りながら改札を通っていった。その背中を見送りながら、響は胸に手を当てた。
心臓が、まだ高鳴っている。
――この感覚は、なんだろう。
期待? 不安? それとも――恋?
響は首を振った。考えても仕方がない。ただ、一つだけ確かなことがあった。
藤堂晴真という男が現れてから、自分の世界は確実に変わり始めている。
それが、いい変化なのか、それとも破滅への一歩なのか、響にはまだわからなかった。
*
週末、響は部屋で藤堂に渡す曲を選んでいた。
パソコンに保存された数十曲のデモ音源。どれも、響が孤独の中で生み出した旋律たちだ。悲しみ、苦しみ、そして誰にも言えない想い――それらをすべて音に変換したもの。
響はひとつひとつ聴き直した。
この曲は暗すぎる。この曲は攻撃的すぎる。この曲は、あまりにも自分の傷を露呈しすぎている。
どれも、人に聴かせるようなものじゃない。そう思っていた。
だが、藤堂の歌声を思い出すと、考えが変わった。「――あの声なら」
響は一曲のファイルを開いた。タイトルは「ひとりの夜に」。一年前、特に孤独が辛かった夜に書いた曲だ。高校時代のトラウマが蘇り、眠れない夜が続いていた頃の作品だった。
ピアノの旋律が静かに流れる。それは、まるで誰かを求めるような、切ないメロディ。孤独の中で手を伸ばし、誰かに触れたいと願う――そんな想いが込められている。
響は目を閉じた。この曲を藤堂が歌ったら、どんな風になるだろう。あの温かい声で、この孤独を包んでくれるだろうか。
響は決心した。この曲を、藤堂に渡そう。
そして、もし藤堂がこの曲を笑ったら――もう二度と誰にも曲を聴かせない。
それでいい。
響はファイルをUSBメモリにコピーし、机の引き出しにしまった。小さな黒いメモリが、響の心の断片を宿している。
窓の外では、夕日が街を橙色に染めていた。
響は窓を開け、外の空気を吸った。初夏の風が、部屋に流れ込んでくる。どこからか、子供たちの遊ぶ声が聞こえてくる。
――もうすぐ、何かが変わる。
響は、そんな予感を抱いていた。それが希望なのか、それとも終わりの始まりなのか。
まだ、わからなかった。
翌朝早く、まだ夜明け前の暗いうちから、響は荷物をまとめ始めた。 カーテンの隙間から、街灯の光がかすかに差し込む。ロサンゼルスの街は、夜でも完全に暗くなることはない。どこかで車の音がして、遠くでサイレンが鳴っている。 身の回りの物だけをスーツケースに詰める。服、洗面用具、パスポート。楽譜や作曲ノートは、すべてスタジオに残すことにした。もし晴真が必要になったら、それを使ってほしいと思った。 三年間の思い出が、次々と頭に浮かんでくる。 初めて一緒に作った曲。大学の音楽室で、夜遅くまで二人でピアノを囲んでいた。晴真が即興で歌詞をつけ、響がそれに合わせてコードを変えていく。完成した時、二人で顔を見合わせて笑った。 初めてのライブ。緊張で手が震えていた響の手を、晴真がそっと握ってくれた。『大丈夫、響の曲は最高だから』その言葉に、どれだけ救われたか。 初夏の夜、大学のキャンパスでの初めてのキス。発表会が終わった後、興奮冷めやらぬ二人は中庭を歩いていた。噴水の水音が静かに響き、月明かりが石畳を照らしていた。晴真が立ち止まり、響の手を取った時、世界が止まったように感じた。 東京ドームで五万人を前に演奏した時の興奮。ステージから見える無数のペンライトは、まるで星空のようだった。演奏が終わった後、晴真が響を抱きしめて『やったな、響』と囁いた。 すべてが、かけがえのない宝物だった。 でも、もうそれも終わりだ。 震える手で、手紙を書いた。何度も書き直し、涙で文字が滲む。ホテルの便箋に、万年筆で一文字ずつ丁寧に書いていく。『晴真へ 突然いなくなって、ごめん。 でも、これが一番いい方法だと思った。 晴真の才能は、世界レベルだ。 もっと優秀なプロデューサーや作曲家と組めば、 きっとスーパースターになれる。 自分のような中途半端な人間は、晴真の隣にいる資格なんてない。 三年間、本当に幸せだった。 晴真と出会えて、一緒に音楽を作れて、 愛し合えて、それは俺の人生の宝物だ。
その週末、響は美咲にメールを送った。日本との時差を考慮し、向こうの昼間に届くように送った。『美咲、相談がある。晴真のことなんだけど……』 すぐに返事が来た。美咲は昔から、レスポンスが早い。『篠原くん、どうしたの? 何かあった?』 響は、マイケルの言葉や、自分の不安を正直に打ち明けた。画面に向かって指を動かしながら、涙が零れそうになる。長文のメールになってしまったが、美咲はすぐに返信をくれた。『篠原くん、それは違うと思う。私、大学時代から二人を見てきたけど、藤堂くんが一番輝いてるのは、篠原くんと一緒にいる時だよ』 美咲のメールは続いた。『覚えてる? 大学の時の発表会。藤堂くんが篠原くんの曲を歌った時、会場中が涙してた。あれは技術じゃない。二人の心が通じ合ってたからこそ、生まれた感動だった』『確かに、技術的にもっと優秀な作曲家はいるかもしれない。でも、藤堂くんが求めてるのは、技術じゃなくて、心が通じ合える音楽なんじゃないかな。篠原くんの曲には、藤堂くんへのまっすぐな気持ちが込められている。それが一番大事なんだと思う』 美咲の言葉に、響は涙が出そうになった。画面が滲んで、文字が読めなくなる。『でも、俺のせいで晴真のチャンスを潰してるかも』『それは藤堂くんが決めることでしょう? 篠原くんが勝手に決めつけちゃダメだよ。ちゃんと話し合った?』 美咲の指摘は的確だった。響は、晴真と向き合うことから逃げていた。自分の不安を、晴真にぶつけることが怖かったのだ。『それに、篠原くん。愛って、相手の幸せだけを考えることじゃないと思う。一緒にいることで、お互いが幸せになれる。それが本当の愛なんじゃない?』 美咲の最後の言葉が、響の心に深く刺さった。 けれど月曜日になっても、響の態度は変わらなかった。 朝のスタジオは、カリフォルニアの強い日差しで明るく照らされていた。機材の金属部分が光を反射し、きらきらと輝いている。しかし、響の心は晴れることがなかった。 スタジオでは晴真を避け続け、休憩時間
その夜、響は一人で悩み続けた。ホテルの部屋は静かで、エアコンの低い音だけが聞こえる。ベッドに横たわり、天井を見つめる。ロサンゼルスの街の明かりが、カーテンの隙間から差し込んでいた。ネオンサインの青い光が、天井に揺れる影を作っている。 晴真の将来を考えれば、もっと優秀な人間と組んだ方がいいのかもしれない。自分のエゴで、晴真の可能性を潰してはいけない。 響は、三年前の出会いを思い出していた。 あの日、大学の音楽室で一人、ピアノに向かっていた自分。誰にも聴かせるつもりのない曲を弾いていた時、晴真が入ってきた。夕暮れの光が窓から差し込み、埃がきらきらと舞っていた。古いアップライトピアノの鍵盤が、手の温もりで少し温かくなっていた。『その曲、すごくいい。俺に歌わせてくれない?』 晴真の真っすぐな言葉が、響の心の扉を開いた。あの時の晴真の瞳は、夕日を受けて金色に輝いていた。それから、二人で数え切れないほどの曲を作ってきた。深夜のファミレスで楽譜を広げ、コーヒーを何杯も飲みながら議論した。時には喧嘩もしたが、音楽への情熱は変わらなかった。 初めてのライブの日。小さなライブハウスで、観客は五十人ほどだった。自分の曲を観客が認めてくれた瞬間だった。 そして、初めてキスをした夜。初夏の大学のキャンパス。発表会が終わった後、二人は誰もいない中庭を歩いていた。月明かりが噴水の水面をきらきらと照らし、夜風が優しく頬を撫でていた。晴真が突然立ち止まり、響の手を取った。 その時の晴真の表情は、今まで見たことがないほど真剣だった。そして、ゆっくりと顔を近づけてきた。キャンパスの街灯が二人を包み、初めての口づけは温かくて、少し震えていた。 でも、もしかしたら晴真にとっては、僕と出会ったことで遠回りになってしまったのかもという思いが頭をよぎる。もし、もっと早い段階でより経験豊富な作曲家と組んでいれば、今ごろ世界的なスターになっていたかもしれない——ビルボードチャート上位に名を連ねて、大規模な世界ツアーを行い、たくさんのファンに囲まれていたかもしれない。 翌日から、響は晴真と距離を置き始めた。 朝
朝の光がスタジオの大きなガラス窓から差し込んでいた。ロサンゼルスの空は抜けるように青く、遠くにハリウッドサインがかすかに見える。響は楽譜を前に座りながら、どこか上の空だった。 新しいプロデューサー、ジェシカ・チャンとの初顔合わせの時間が近づいている。マイケルの一件以来、スタジオの空気は重苦しく、誰もが腫れ物に触るような態度だった。 会議室のドアが開き、アジア系の女性が入ってきた。三十代半ばほどで、黒いパンツスーツを端正に着こなしている。長い黒髪を後ろで一つに束ね、シルバーの細いフレームの眼鏡が知的な印象を与えていた。手にはレザーのポートフォリオと、スターバックスのコーヒー――ただし、一つだけ。「初めまして、ジェシカ・チャンです。これから皆さんのプロデュースを引き継がせていただきます」 ジェシカの英語は、マイケルよりもゆっくりで聞き取りやすかった。アジア系特有のイントネーションがかすかに残っているが、それがかえって親近感を与える。そして何より、その視線がプロフェッショナルだった。晴真を見る時も、他のメンバーを見る時も、同じように冷静で客観的だ。「まず、これまでの録音素材を聴かせてもらいました」 ジェシカがポートフォリオを開き、細かくメモが書き込まれた楽譜のコピーを取り出した。響は驚いた。マイケルは一度も楽譜に目を通したことがなかったのに、ジェシカはすでに詳細な分析をしている。「素晴らしいポテンシャルを持っています。特に響さんの作曲と晴真さんの歌声の相性は抜群ですね。第三楽章の転調部分、あそこは天才的です」 ジェシカは響の名前もきちんと呼んでくれた。しかも、具体的にどの部分が優れているのかを指摘している。マイケルのように、晴真だけを特別扱いすることはない。「ただ、方向性を少し修正したいと思います」 ジェシカがラップトップを開き、画面を全員に見せた。そこには、世界各国の音楽チャートと、アジア系アーティストの成功例が並んでいる。「もっと日本らしさを活かしながら、世界に通用する音楽を作りましょう。東洋と西洋、両方の良さを融合させてこそ、このプロジェクトの個性が生きてくると思います。実際、BTSや
翌日、スタジオに着くと、マイケルはいつも通りだった。昨夜のことなど、なかったかのように振る舞っている。完璧な笑顔、プロフェッショナルな態度。しかし、晴真への視線は昨日よりもさらに熱を帯びていた。まるで、昨夜の拒絶が、かえって執着心に火をつけたかのように。「おはよう、晴真。昨夜はごめんね。酔わせすぎてしまって」 マイケルの謝罪は、表面的なものだった。キスしようとしたことには一切触れない。その図々しさに、響は思わず寒気がした。 レコーディングが進む中、マイケルは相変わらず晴真への接触を続けた。肩に手を置き、腰に手を回し、耳元で囁く。その度に、晴真が身を固くするが、マイケルは気にしない様子だ。むしろ、晴真の反応を楽しんでいるようにさえ見える。獲物を追い詰める捕食者のような執拗さで、晴真を追い詰めていく。響は、その様子を見ているしかできない。プロデューサーに逆らえば、プロジェクトが頓挫する可能性がある。そのジレンマが、響を苦しめた。 その週の金曜日、マイケルがまた晴真を誘った。「週末、僕の別荘でパーティーがあるんだ。音楽業界の人たちが集まる。晴真も来ないか?」 晴真の顔が曇った。「君のような才能を、みんなに紹介したい。きっと、将来の役に立つはずだ。有名プロデューサーやレーベルの重役も来る」 マイケルの言葉は、断りにくいものだった。結局、メンバー全員で参加することになった。断れば、今後の仕事に影響が出るかもしれない。そんな計算も、マイケルは見透かしているのだろう。 土曜日の夕方、マイケルの別荘に到着した。マリブの海岸沿いにある豪華な邸宅は、白い壁と大きなガラス窓が印象的だった。プールサイドにはすでに大勢の人が集まっていた。音楽関係者、俳優、モデル。華やかな世界の住人たちが、シャンパンを片手に談笑している。響は、その光景に圧倒された。これが、世界の音楽業界なのか。きらびやかで、洗練されていて、そして恐ろしいほど遠い世界。自分がその中にいることが、まるで夢のようだった。いや、悪夢かもしれない。「ようこそ! 飲み物は自由に取って」 マイケルが晴真の肩を抱いて、ゲストたちに紹介していく。
一週間のプリプロダクションが終わり、いよいよ本格的なレコーディングが始まることになった。最初の週は、リズムセクションの録音から始まった。田中のドラムと山本のベースを録音していく間、響は引き続き作曲作業を続け、晴真はマイケルとのボーカルトレーニングを受けていた。スタジオの空気は、日を追うごとに重くなっていった。マイケルの晴真への執着が、誰の目にも明らかになってきたからだ。休憩時間には、マイケルは常に晴真の隣にいて、他のメンバーが近づくと、さりげなく晴真を独占しようとする。その様子は、まるで恋人のような振る舞いだった。 ある日の午後、マイケルが晴真に提案した。「今夜、時間がある? 僕の知り合いのボーカルトレーナーを紹介したいんだ」 晴真の顔が曇った。「今夜ですか?」 晴真の声には、明らかな戸惑いが滲んでいた。「ああ、彼女は元オペラ歌手で、今はポップスのトレーニングもしている。君の声域を広げるのに、きっと役立つはずだ」 マイケルは説明したが、その目は晴真から離れない。晴真が響を見た時、その目は助けを求めているようだった。「響も一緒に……」「いや、これはボーカリストのための特別なセッションだから」 マイケルが遮った。その口調は穏やかだが、有無をいわせない強さがあった。「響には、明日のレコーディングに向けて、アレンジを仕上げてもらいたい。それぞれが、自分の役割に集中すべきだ」 正論だった。響は何もいえない。プロデューサーの指示に従うのは当然のことだ。しかし、胸の奥で警鐘が鳴り響いていた。 その夜、響は一人でホテルの部屋にいた。ルームサービスで頼んだハンバーガーも、半分しか食べられなかった。冷えたフライドポテトが、皿の上で油を吸っている。その光景が、自分の心境を表しているようで、響は苦笑した。テレビをつけても、英語のニュースやドラマが理解できず、すぐに消してしまった。窓の外では、ロサンゼルスの夜景が煌めいている。無数の光が、まるで地上の星のようだ。でも、その美しさも響の心を慰めてはくれない。東京の夜景とは違う、異国の光。その一つひとつが、自分には関係のない他人の生活