博人はビデオ通話で立花市警察の最新捜査報告を受けていた。モニターにはある証拠写真が映っている。それは立花市の泉川橋現場で、逃走車両の近くの地面に落ちていた、見た目はごく普通のシャツボタンだった。警察がそのボタンの由来に頭を抱えていると、博人の顔が凍りついた。このボタンは、カラトの人間が身に着けた服にあったのを彼は見ていたのだ。。それで、すぐにその林という女の「救援」と、この事故は完全に連鎖した罠だと確信した。彼はすぐ未央にビデオ電話をかけ、この件と推測をすべて伝え、こう頼んだ。「君のクリニックに残っている林という女のカルテを全部送ってくれないか。徹底的に彼女のことを調べる必要があるんだ」未央は素早くデータを送った。しかしその内容はあまりに簡単だった。偽の名前一つと、何の資料も残らない電話番号だけだった。博人は高橋とそのチームに総動員で捜査をかけたが、結果は誰もが仰天した。その女はまるで幽霊のようだったのだ。SNSのアカウントもない、決済履歴もない、資産すらもないのだ。高橋はどうしようもない口調で報告した。「西嶋社長、あの女の情報は見えない壁で覆われているようですよ。使っていた電話もマンションも全部偽装された身分しか残っていません。すべてをやる前に、きちんと準備していたに間違いありません。単独犯には無理だと思います」全てが詰んだような時、博人は画面の向こうの未央を見つめ、ある大胆な作戦を提案した。「未央、外側から突破口がなければ……内側から崩そう」彼は鋭い目つきでこういった。「彼女の狙いは君だ。必ずまた連絡してくる。次は引き受けて、カウンセリングを続けてほしい」未央は即座にそのリスクを察した。「カウンセリングの途中で情報を引き出すっていうの?それは……倫理違反よ」「情報を引き出すんじゃない、治療だ」博人は訂正する。「君は彼女を救いたいんだろ。今、救うのは患者だけじゃない、俺たちの家族もだ。君の専門で徹底的に分析し、その心理的な壁を崩して、真実を自ら語らせるんだよ」博人の話は彼女を納得させた。案の定、二日後、林は新しい番号から連絡を入れ、怯えた声でまた助けを求めた。計画通りに未央は承諾し、場所と時間を約束した。場所はセキュリティレベルが一番高い藤崎グループ本社内の臨時カウンセリング室にした。
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