** 鷹津が帰ったあと、すぐに賢吾に連絡を取って、起こった出来事を報告した和彦は、バスルームに駆け込んだ。 念入りに何度も体を洗いながら、鷹津から投げかけられた言葉や、屈辱的な行為、恥知らずな自分の反応を湯と一緒に流してしまいたかったが、もちろんそれは不可能だ。 バスルームを出て、身震いしたくなるような嫌悪感と悔しさを、安定剤とともに無理やり飲み下す。何かあったときのためにと、心療内科医の友人に処方してもらっていたものだ。 ベッドに潜り込んだ和彦は、怒りに身を震わせ、シーツを握り締める。衝動のままに何かを殴りつけたくもあったが、和彦には、本当は自分自身を殴りたいのだとわかっていた。鷹津に精神的に打ちのめされた今、自分をさらに追い詰めるのは、つらい。 どうせ朝になれば、嫌というほど自己嫌悪に責め苛まれるのだ。だったら今は、薬の力を借りてでも眠ってしまったほうがいい。 少し前に、秦に安定剤を飲まされてひどい目に遭ったので、軽めのものを出してもらったのだが、それでも効き目は確かなようだ。緩やかな眠気がやってきて、和彦の思考は散漫になってくる。 いつの間にかウトウトしていると、ベッドが揺れ、体を横向きにしている和彦の背後で誰かが動いている気配を感じる。次の瞬間、強い力で腰を引き寄せられ、ぬくもりに包まれた。 一瞬、鷹津かと思って身を強張らせた和彦だが、しっかりと抱き締められ、腕の逞しさを感じると、体の力を抜く。眠る前に、自分が誰に連絡を取ったのか、思い出したのだ。「――……わざわざ、来なくてよかったのに……。ぼくは平気だと、電話で話してわかったはずだ」 まだ意識がはっきりしないまま、寝ぼけた声で和彦が言うと、抱き締めてくる腕の力が強くなる。「そう言うな。俺の可愛いオンナの一大事だ。駆けつけないわけにはいかねーだろ」 耳に唇が押し当てられ、忌々しいほど魅力的なバリトンが囁いてくる。シャワーを浴びてまだ半乾きの髪が、そっと掻き上げられた。 和彦がようやく目を開けると、ライトの控えめな明かりが、壁に大きな人影を作り出していた。今、和彦を背後から抱
최신 업데이트 : 2025-12-22 더 보기