「四連花の五枚目……それを、写真とともに盗んだのが、白洲典正と考えているのですね」心理的に重い時間を過ごして、戻ってきた石川先生から全ての説明を聞いた。ここでようやく、一息がつけた。「なぜ、四連花は無事だったのです?」「偶然だが、そのとき四連花は他国の美術館で展示されることになっていて、通関だか何だかの手続きで僕の手元にはなかったんだ」なるほど……。「石川先生は五枚目を公開するつもりはなかったから、アパルトマンにあったのですね」「そうだ。その泥棒が、白洲典正なら、写真を持っていてもおかしくないし、おそらく絵も白洲典正が持っているだろう」確率は高いが、あくまでも確率。これでは、警察は動いてはくれないだろう。「そこで考えたんだが……桔梗さん、君の絵を描かせてくれないだろうか」え?「私?」え?「嫌です! 困ります……そんな、恥ずかしい……」あんな格好の絵を?その、モデルに?私が?「そ、そうか……蓮司君の説得には骨が折れると思ったし、実際にかなり骨が折れたのだが……」それって……。「蓮司さんは、私の、その……」……えっと、美術用語で……そうっ!「裸婦画に、裸婦画なのに、蓮司さんは賛成したってことですか?」「……ラフ?」詰め寄ると、蓮司さんが『?』という顔をした。そして、ハッと何かに気づいた顔をする。一緒に、石川先生も。……本当に、この二人って、似ているわね!「違う、誤解だ
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