カインはせっかくの休日をどう過ごすか考えていた。 いつもならイレリアと過ごしていたのだが、今日はイレリアに会いたくなかった。 日記の件でジルダに会いたかったが、昨日のイレリアとの話から、今は会うべきではないと判断した。 それでも2日後には魔力吸収の為、侯爵邸にやってくるのだが―― カインは厩舎に向かうと、ポッチがいる事を確認した。 厩舎前に広がる騎乗訓練用の広場で、日光浴をしていたようだ。 ポッチもカインを見つけると一目散に駆け寄ってきた。「本当にお前は頭がいいな」 カインは嬉しそうにポッチを撫でると、ポッチはふいと顔を背けて厩舎に駆け出した。「なんだ。顔を見せただけか――ん?」 期待していた反応と違ってガッカリしたカインだが、ポッチは厩舎の横にある、装具の棚の前でドヤ顔をして立っていた。 自分をどこかへ連れて行けと言う事か。 カインは下男を呼びつけると、ポッチに装具を装着させて騎乗した。ポッチは満足げにグルル……と小さく呻いた。「そういえばお前、以前はなんであんなに僕を嫌ったんだ?」 聞いたところで草竜は話せない事は、カインにだってわかっていた。 草竜はちらりとカインを振り返ったが、フンと鼻息を吐くだけでもちろん答えるはずがない。 その代わりにご機嫌そうな足取りで、ゆっくりと町中を散歩している。 もう少しで城壁だ。 あそこを抜けると農地が広がり、結界を抜けるから、ポッチも思い切り走ることができる。 ポッチもそれを理解しているのか、尻尾を小さく振りながら進んでいった。 城門を抜けると、城壁に沿って道がある。 ここを進むとシトロン伯爵家の持つ農場だ。 宮廷貴族の中では領地を持たない貴族が殆どだが、シトロン伯爵家も例に漏れず領地を持たない。 しかし、首都にいくつかの土地や建物、そして城門の外に農場や山林を所有しており、宮廷貴族の中でも裕福な部類に入っていた。 それでも、5人の子供達を抱えてそれぞれの支度をするとなると、かなりの物入りになり、財産など築く余裕がないとこぼしているのを聞いた事がある。 その為か、幼い頃のジルダはいつも質素で、あまり高価ではない着古したドレスを着ていた。 カインと婚約してからは、その費用の殆どを侯爵家が負担し、衣装なども揃えさせていたはずだが、ジルダはいつも質はいいが質素なドレスばかり
ปรับปรุงล่าสุด : 2026-08-21 อ่านเพิ่มเติม