久世物産の再建支援を、美緒が条件付きで受けると決めてから数日が過ぎた。鷹宮のもとに、その後の相談は来ていない。契約条件が確定したのか。久世物産側がどこまで受け入れたのか。最初に何から着手するのか。鷹宮は知らなかった。知らなくてもよかった。美緒が必要だと思えば連絡する。それ以外は、リブランシュと久世物産の仕事だった。午後、三崎が翌週の予定表を持って執務室へ入ってきた。「来週ですが、水曜午後の銀行との打ち合わせが一時間後ろへずれました」「分かりました」「木曜の事業再生案件は予定どおりです。金曜は午前が空きます」鷹宮は画面上の予定を確認する。三崎がいくつか補足したあと、予定表を閉じた。「そういえば」「何ですか」「篠原さんから、次の相談予定は入っていません」鷹宮は顔を上げた。「そうですか」「久世物産の件が動き出したら、また何かあるのかと思っていましたけど」「必要があれば連絡が来るでしょう」「そうですね」三崎はあっさり頷いた。そのまま執務室を出ようとして、ふと足を止める。「最近、篠原さんから直接ご相談を受けること、本当に減りましたね」鷹宮は一拍置いた。「そうですね」否定する理由はなかった。「そのうち、仕事ではお会いする理由もなくなりそうですね」三崎は深い意味もなく言ったようだった。「リブランシュの案件も増えていますし、必要な専門家も周りに揃ってきていますから」鷹宮は返事をしなかった。三崎がこちらを見る。「鷹宮さん?」「いえ」鷹宮は視線を予定表へ戻した。「その方がいいでしょう」「ですよね」三崎はそれで話を終えた。扉が閉まる。静かになった執務室で
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