修学旅行、自由行動日。 移動を除けば、実質的な最終日だった。 朝、ホテルのロビーには、昨日までよりも浮ついた空気が流れている。「自由行動とか、一番修学旅行っぽいよね」「わかるー。やっとって感じ」 パンフレットを広げる者。 スマホで地図を見る者。 それぞれが思い思いに今日の予定を話している。 その中で、蓮たちの班もロビーの一角へ集まっていた。「で、どこ行く?」 蓮が聞く。 すると、待ってましたと言わんばかりに、千秋と翠が同時にリュックを開いた。「ふっふっふ……」「準備済みなんだなぁ」 二人が取り出したのは、現地の観光雑誌だった。「せっかくだし旧市街とか見たくない? 見たいよね?」「あと雑貨! チョコショップも行きたい!」 勢いよくページを開きながら、次々に候補を出していく。「完全に観光モードだな」 山田が苦笑する。「だって修学"旅行"だよ!?」「むしろ今までが濃すぎたんだって」 翠が言う。 確かに、ここ数日はIOCだのFIFAだの、普通の高校生ではまず行かない場所ばかりだった。 陽菜が雑誌を覗き込みながら頷く。「いいんじゃない? 今日は普通に観光しようよ」「私は異論ないわ」 椿も自然に同意する。 蓮も小さく頷いた。「じゃあ、それで行くか」 ホテルを出ると、朝の空気はまだ少し冷たかった。 石畳の道を歩きながら、旧市街へ向かう。 街並みは、日本とはまるで違った。 歴史を感じる建物。 細い路地。 窓辺に飾られた花。「うわぁ……」 千秋が思わず声を漏らす。「ほんとに映画みたい」 翠も周囲を見回しながら歩いている。 観光雑誌を片手に、あっちだこっちだと騒ぎながら進んでいく二人の後ろを、蓮たちはついていった。 雑貨屋を覗いたと思えば、その隣のチーズ屋に興味が移る。 そして最終的にはそのさらに隣のチョコレートショップに入る。「見てこれ! 試食できるって!」「かわいー!」 普通科組のテンションは高い。 その横で、椿はチョコレートの成分表を見ていた。「……カカオ比率高いわね」「そこ見るの?」 陽菜が苦笑する。「だって気になるじゃない」「椿ちゃん、ほんとブレないね……」 翠が呆れ半分で言う。 だが、その時だった。 椿が、ふと千秋の持っていた観光雑誌を覗き込んだ。「……ここ、行
ปรับปรุงล่าสุด : 2026-09-25 อ่านเพิ่มเติม