บททั้งหมดของ 女神様にハイエルフとして長生きする様お願いされました。: บทที่ 21 - บทที่ 30

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王子人事

 キリヤ王子の処遇を話し合う勇者パーティーの面々だが、結論は中々出ない。 国王から直々に命令を受けている王族の人間を無碍に出来る人間はここには居なかった。「とりあえず、彼が起きたら今後はみだりに魔法を使わない様に説得してみよう」 ガタイの良い粗野そうな大男であるにも関わらず、穏やかで知的な印象のガルドリックがキリヤ王子への今後の対応を口にした。そこに「ガルドリック、私に良い考えがあります」 眼鏡のズレを右手の中指で直しながら賢者クレスがフラグじみた台詞を吐いてきた。 光の加減が彼の眼鏡のレンズが真っ白に光を反射していて彼の視線は窺い知る事が出来ない。(…………) エリスフィーナは渡されたクリームシチューの器を手に手元をじっと見つめていた。そして「あの、申し訳ありませんでした。私がキリヤ王子を蹴ってしまったばかりに……」 思い詰めた顔をしていた彼女は皆に謝罪の言葉を口にした。 その謝罪に皆一様にキョトンとした反応を見せる。そして「そんなのあなたが気にする事じゃないって! 今回はあいつから絡んできたんじゃない、頼まれてもないのに」 一番にフォローしてきたのはメルティーローズだった。彼女はエリスフィーナの背中をバシバシ叩きながら元気付けてくる。「君が蹴り飛ばしたのは手合わせの最中だ。それにキリヤ王子は油断していた様だし君に落ち度は無い」 キリヤ王子の前に手合わせしていたガルドリックもエリスフィーナの謝罪は不要と言った態度だ。「でも、彼が目を覚ましたら一言謝っておくのは良いかもね」 マリアリアはキリヤ王子へのフォローを提案してきたが「どうでしょうか……逆に彼の自尊心を傷付けてしまうかもしれませんよ?」 クレスがキリヤ王子の性格を踏まえた泥沼展開となる危険性を口にしてきた。「とりあえずキリヤ王子の目が覚めたら俺が話してみる。様子を見てエリスフィーナに謝ってもらうか判断しよう」 ガルドリックが折衷案を提案してきた。キリヤ王子の気難しさを考えたら様子を見てから決めるのが最善であるのかもしれない。「そんな事よりさぁ〜、私驚いちゃった〜! 精霊魔法って複合させたり出来るものなのね〜!」 メルティーローズは昼間にエリスフィーナが使った水竜巻のことを語り始めた。 魔術に関する事だけあって畑違いながら興味津々な様だ。「あれは……基本は一人
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雪山登山

 高原の村に数日滞在する間に村人による道案内の段取りが終わったエリスフィーナ達は当初の予定通り魔族領に潜入する為の山越え登山を始めていた。 道案内の地元の猟師を先頭にガルドリック、エリスフィーナ、マリアリアが続きメルティーローズとクレスの後衛コンビの後にキリヤ王子が最後尾の殿を務める編成で山道を登っていた。 使われなくなって数年とは言え山道の跡はくっきり残っており、もしかしたら道案内は要らないんじゃないかと思えてくる位には順調な登山となった。「エリスフィーナ、何かの物音や魔物の声が聞こえたら教えてくれよ?」 先頭を歩く勇者のガルドリックは大剣だけでは無く、野営用の天幕やら冬山での活動に必要な装備一式も背負っており、新人のエリスフィーナから見ても負担が彼に偏っている様に見えた。 だが、普通の防寒用の装備や寒冷地用の調理器具の様な女性でもなんとか運べる様な雑貨と違い、雪山にて風雪に耐えられるだけの頑丈な天幕を運んで山越え出来る人間などこのパーティーにはガルドリック以外には誰も居なかった。 その為、休憩ごとに彼の体調を魔法でサポートするなど、メンバー達は自分達の得意分野で彼を支えていくより他は無かった。 そんなエリスフィーナがガルドリックの負担を減らす為に出来る事は、向かい風などの障害となる天候を風の精霊シルフにお願いして風向きを逸らしたりする事であった。 もちろん歩くパッシブソナーとして周囲への警戒も怠る事は無く、勇者パーティーは比較的簡単に山脈の登りの行程を踏破する事が出来たのだった。「こっからあっちの尾根に向かっていきゃ後は一本道だ」 道案内の地元の猟師の話によると、後の魔族領までの行程は一本道であるらしい。「分かった、ありがとう。道案内助かった」 ガルドリックは地元の猟師の話そのままに彼に報酬として金貨数枚を渡して彼を村に帰してしまった。「ガルドリック、この先に道案内が無くて本当に大丈夫なのですか?」 賢者クレスが中指で眼鏡のズレを直しながらガルドリックに尋ねる。 確かに登りは終わったとは言え、魔族領までの道程はまだまだ長い。 これからは山脈の尾根伝いに進み、更にそこから山を下っていかなければならないのだ。「ここから先はいつ魔物が出てきてもおかしくは無い。無闇に民間人を連れ回す訳にはいかないからな」 ガルドリックは村人の安全を
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魔獣

ーピュピュピュピュピュン!ー「え……?」 エリスフィーナの耳にさっきの羽ばたき音と違う、何かが勢いよく飛んでくる様な飛翔体が風を切る鋭い音が聞こえてきた。「何かが飛んできます! 身を守って下さい!」 エリスフィーナが皆に叫んだと同時に「ホーリーウォール!」ーパアアアァァッ!ー マリアリアがパーティーの頭上に白く光る防壁を展開した。その直後ーカンカンカンカン!ー 何か軽い物が光の壁に跳ね返される音が聞こえてきた。「これは……マンティコアの毒針だ、上に居るのはマンティコアの集団だ」 マンティコアは知能の高い魔獣の一種であり、ライオンの様な肉食獣の身体に年老いた老人の様な頭部を持ち尾にはサソリを連想させる毒針を持つ脅威度の高い魔獣である。ーカンカンカンカンカンカン!ー 毒針による攻撃は一定のリズムで振ってきている。「なんとか攻撃は出来ませんか? このままでは……!」 光の壁を展開しているマリアリアから悲痛な声が上がる。確かにここで防戦を敷いていても結局はジリ貧でしか無い。「しかし、敵の姿が見えなければどうにも……」 賢者クレスに妙案は無かった様だが、空の様子を覗っていたメルティーローズが「エリィちゃん! シルフさんに上の雲吹き飛ばしてって頼める?」 エリスフィーナに精霊魔法での支援を要請する。「は、はい。多分……」 風で雲を吹き飛ばすなどこれまで頼んだ事が無いが、そう難しい話でもない。「シルフさん、上空のあの辺りの雲を吹き飛ばして視界をクリアにして下さい」 エリスフィーナの指示に頷いたシルフは瞬時に姿を消すとーブアアアアアッ!ー 上空の雲がある一点から螺旋状に吹き飛び青空が広がっていくのが見えた。そしてその青空の向こうには数体のマンティコアが羽ばたきこちらにサソリの尾を向けていた。「メル、今です! サンダーストーム!」ーズバババババッ!ー「サンダーストーム!」ーズバババババッ!ー クレスの声に呼応したメルティーローズも彼と同じ雷撃魔法を上空のマンティコア達に向けて放った。ーバリバリバリバリバリ!ー「グギャアアアアッ!」「アギャアアアアッ!」「ウガがガガガッ!」 二人がかりによる電撃の嵐を受けたマンティコア達は黒焦げになって一様に墜落していく。「お? 終わったか? そんならさっさと進もうぜ」 これ
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野営の鉄則

 冒険者パーティーとして野営に入る際にどうしても見張り役が必要になってくる。 皆でゾロゾロと天幕に入ってしまえば敵の奇襲を受けた時に取り返しのつかない致命的な損害を受ける事になってしまいかねない。 通常の野営であれば外で焚き火を行いつつ見張りを立てて交代制で休む事も出来るがここは雪山である。 昼間にマンティコアに遭遇した事を踏まえれば夜間に敵に襲われないという楽観的な視点に立つ事は難しかった。「仕方ない。一人用の雪洞を作ろう。皆、手伝ってくれ」 ガルドリック指示の下で避難用の雪洞を作る事となった。殆どガルドリック一人で作ったとは言え、男三人がかりで一人用の雪洞を作るのに大した時間は掛からなかった。「皆、ありがとう。それじゃ天幕で休んでくれ。俺が最初に外で見張ろう」 天幕を張り雪洞を作ったガルドリックも寒さは堪えているはずだが、彼はリーダーだからかいつも率先して損な役回りを買って出ている。「全く貴方はいつも……貴方ばかりに良い格好はさせませんよ」 次に見張りを立候補してきたのは優男賢者のクレスだ。彼はいつも通り右手の中指で眼鏡のズレを直しながら割り込んできた。 多分だがその台詞の使い所は今ではないはずだが、何故かドヤ顔なクレスはどこ吹く風だ。 この流れなら次はキリヤ王子が立候補しそうなものだが、彼は相変わらず手元に魔力の炎を生成し一人暖を取っていた。そんな中「あの、私が見張りをします。少し休めばシルフさんも呼び出せますし……」 エリスフィーナも見張りの一番手に立候補をしたその時「グオオオオ……」 何者かの唸り声が下山道の先から聞こえてきた。少なくないその唸り声の主達はすぐにエリスフィーナ達の前に姿を現した。「ウォォォ……」「グゥゥゥゥ……」「ウゥゥゥ……」 現れたのは青白い肌を持つ人型の巨人達だった。彼等は手にこん棒を握り締めており、明らかにエリスフィーナ達に敵意を向けてきていた。「仕方ない、やるぞ!」 ガルドリックの判断も指示も簡潔だった。彼は背中の大剣を抜くとーザザザザザッ!ー 足場の悪い下り坂をものともせずにーズバババァッ!ー「グアアアッ!」「ギャアアアッ!」 巨人二匹をあっという間に斬り伏せた。「奴等、後ろから次々と上がってくるぞ! 援護してくれ!」 風雪と夜間のせいで視界が良くないが、唸り声の圧から
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-09-18
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遭難

「ん……」 エリスフィーナが気が付いた時、そこは真っ暗闇の中だった。そして「さ、寒い……」 周りから感じる閉塞感に息が詰まりそうだった。身体を動かそうにも何かに覆い被せられている様で指先を動かすのがやっとという有様だった。 自分は一体何をしてこうなったのか……。エリスフィーナは自分の身に何が起きたのかを思い返してみた。 山の下り坂で巨人の魔物達と戦っていたのは覚えている。その時、前触れなくキリヤ王子が大魔法を使った事も。 爆風を逸らすためシルフを酷使してしまった事も覚えている。その時足元の雪が崩れ出しそれに巻き込まれてしまった事……。それから……「寒い……」 周りは氷の様に冷たく、それに変に息苦しい。吐いた息が直ぐに自分の顔に掛かってくる異様な感覚だった。相変わらず手足は動かせず……エリスフィーナがすっかり途方に暮れてしまったその時ーザザッザザアアアァッ!ー 自分に伸し掛かっていた圧力が無くなり暗闇が少し薄くなってきた様な気がした。「エリスフィーナ、生きてるか! 今、引っ張り出す!」 やや遠くから聞こえてくる感じのガルドリックの声、とりあえず仲間が見つけていてくれる事にエリスフィーナが安堵しているとーボゴオッ!ー 自分の上で押し固まっていた雪を砕いて伸びてきたガルドリックの両腕がエリスフィーナの上半身を掴むとーザザアアッ!ー エリスフィーナは埋まっていた雪の中から外へと引っ張り出されたのだった。「ぷはぁ……」 引っ張り出されたエリスフィーナが見たのは、雪原に疎らに樹木がある何も無い場所だった。雪のおかげか少しは見通しが利いている気はするが相変わらずの闇夜である事に変わりは無い。「エリスフィーナ、あっちに洞窟があるからそっちに避難しよう。出来れば天幕に戻りたいんだが、夜に歩き回るのは危険だからな」 ガルドリックはそう言うと引っ張り上げたエリスフィーナを軽々とお姫様抱っこしてしまった。「あ、あの……私歩けますから……その……」 エリスフィーナは顔を赤くして自分で歩いていくと主張するが「無理するな。俺でも身体がガタガタなんだ。華奢なお前が平気なはずはないからな」 ガルドリックは雪崩に巻き込まれた自陣の現状を踏まえてエリスフィーナの状態を判断した様だ。 確かに身体はあちこち打ち付けられていて長時間雪の中に埋まっていた負担も
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-09-18
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洞窟への避難

ーゴオオオッ!ー エリスフィーナの道具袋が見つかった事で二人はなんとか暖を取りながら身体を休める事が出来ていた。 ガルドリックは何処からか見つけてきた太い枝を利用して雪で手際よくロケットストーブを作ってしまった。、 その火力で雪を利用して飲み水を確保してしまったり、雪を利用した簡単な濾過機構まで作ってしまったり……森での変わらない暮らししか送ってこなかったエリスフィーナには感心と驚きの連続だった。そして思った事をそのまま口にしてみる「雪をそのまま溶かすだけじゃ駄目なんですか?」「まぁ、雪は色々汚れてるからな。余裕があるなら綺麗な水の方が良いだろ?」 ガルドリックはそう言いながらコップで掬った濾過した水をロケットストーブに掛けられている金属製の器に入れる。煮沸消毒も兼ねて温かい水分を摂って身体を内から温めようというのだ。「ほら、出来たぞ。火傷するなよ?」 ガルドリックからカップとスプーンを手渡されたエリスフィーナは恐る恐るカップに口をつける「……温かい」 ガルドリックが手渡してきたカップには塩コショウを入れたお湯に砕いたハードタックを入れた簡素な粥が入れられている。「エリスフィーナの道具袋のお陰だ。買ってくれたメルティーローズにも感謝だな」 ガルドリックも自分の分をカップによそうと熱々の粥に同じ様に口をつけ始めた。「マリアリアさんやメルさん達……大丈夫でしょうか?」 粥を食べて少しゆとりが出てきたエリスフィーナが、山頂付近で逸れてしまった勇者パーティーの他メンバー達の事を心配し始めた。「向こうは四人居るし天幕も立ててあるからまず大丈夫だろう。それに、マリアリアの体調が戻れば神官の魔法もあるからな」 言われてみればもっともではある。あちらには魔法使いが揃っているのだ。 どちらかと言えばエリスフィーナ達の方が心配される立場なのかもしれない。「マリアリアならきっと大丈夫だ。あいつは昔から頑丈だからな」 ガルドリックは空気を和ませようとしてか、マリアリアの心配は要らない事をエリスフィーナに語る。そんな彼の様子に「マリアリアさんの事……、信頼してらっしゃるんですね」 エリスフィーナは二人の間に勇者パーティーの仲間としての関係以上の絆の様な特別な何かを感じ取っていた。「それは……まぁ、幼馴染って言うか……長い腐れ縁だからな」 おどけ
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快晴の雪山

ーザッザッザッ……ー 日が昇った雪山をガルドリックとエリスフィーナの二人が山頂目指しての登山を始めていた。 今日は晴れの天気と言う事もあり、風雪が酷かった昨日より格段に身体が楽に感じられた。 ガルドリックは大剣が無くショートソードのみしか武器を持っていないため、魔物が出てきたらエリスフィーナもしっかり戦わなければならない。そんな登山を二人で続けていると「グオオオオ……」「グゥゥ……」「ウオオオ……」 明らかに手傷を負っている巨人数体が山を下ってくるのが見えた。「エリスフィーナ、援護は任せた」 ガルドリックはそれだけ言うとショートソード片手に巨人達に斬り込んでいく。 こん棒を避けてショートソードを敵の急所に的確に叩き込んでいく。それは戦い方を熟知したベテランの立ち回りそのものだった。「はっ!」ーピュン!ー「グオッ!」 少し離れた位置に居るエリスフィーナの仕事はガルドリックの意識から外れてしまった敵への牽制と新手への警戒だった。 巨人相手に弓矢は中々致命傷とはなりづらいが、ガルドリックが袋叩きに遭う危険を遠ざけるには十分だった。 ガルドリックが一体を片付けている間にエリスフィーナが敵の注意を削ぐ。そしてガルドリックが次の相手の始末に掛かる。その繰り返しで遭遇戦は終わった。「ふぅ、片付いたな。エリスフィーナも援護お疲れ。他に近くに敵は居そうか?」 雪山の登道に敵の姿は見えず、山の斜面の森林地帯からも物音は何も聞こえない。「いえ、近くに敵は居ないみたいです」 エリスフィーナの返事を聞いたガルドリックは小さく頷くと、再び山頂への山登りを再開しエリスフィーナもその後に続く。 しかし、雪崩の起きた斜面を上がるのは中々に骨が折れた。登山道も未整備で普通の山の斜面とほぼ変わらない。 アイゼンやピッケル等も無い中での山登りは想像以上に過酷なものだった。しかし、樹木が雪崩で倒された斜面を辿っていけば、いずれ必ず仲間達の居る天幕に辿り着けるはずだ。二人が登山を続けていたその時ーボゴオッ!ー「グオオオオ!」「ガアアアアッ!」 二体の巨人が雪の中から現れ二人の前に立ち塞がった。雪崩に巻き込まれて埋まっていたのが起き上がってきた様で戦闘態勢と言う訳でも無いらしく「おらあっ!」ースバアッ!ー「グアッ!」 ガルドリックが直ぐ様一体の巨人を
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-09-18
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勇者パーティーの話し合い

 山頂付近に設置していた天幕に到着したエリスフィーナとガルドリックの二人はようやく勇者パーティーのメンバー達と合流を果たす事が出来た。 体調の回復していたマリアリアの治癒魔法で怪我を癒してもらった二人は賢者クレスによる探知魔法でガルドリックの大剣も見つける事が出来た。 そしてその日の夜には山からの下山を果たし、山の麓にてようやくゆっくり休む事の出来る野営に入る事が出来たのだった。 本来であれば喜ばしい事であり、落ち着いた環境の天幕で身体を休めて明日からの旅に備えるはずだったのだが……「俺の魔法を使えなくするってどういう事だよ!」 キリヤ王子の大魔法は味方にも被害が大きい事で、ガルドリックが彼に魔導拘束具を付ける事の了承を求めたのだ。 しかし、返ってきたのは了承では無く分かりやすい反発だった。 ここに至るまでガルドリックによる説明が再三再四行われた上でのコレである。「キリヤ王子、君には出発前に言っておいたはずだ。威力の高い魔法はこちらの指示無しには使わない様に……と」 大魔法を使った結果雪崩を誘発させエリスフィーナを巻き込んでしまった訳だが、キリヤ王子は反省する素振りすら見せず「そんなん、俺の魔法が原因で雪崩が起きたなんて証拠でもあんのかよ! 第一、雪崩くらい避けられない方が悪いんじゃねーか。自慢の精霊さんにでも防いでもらえっての」 ガルドリックの言葉に返すのは言い訳と他責の発言でしか無く、天幕の中の雰囲気は明らかにギスギスしたものへとなっていった。「す、すみません……。私がもう少し早く雪崩に気付いていれば……」 責任の矛先を向けられたエリスフィーナは謝罪の言葉を口にする。長い耳が垂れ下がり明らかに気落ちしているのが見て取れる……「キリヤ王子、あなたねぇ! まずはごめんなさいでしょ!」 エリスフィーナを励ます様に隣に寄り添うメルティーローズがキリヤ王子に正論で詰める。「なんだよ! 俺一人が悪いってのかよ! 第一、あの時はガルドリックから魔法撃つなって指示無かったんだぞ!」 分が悪くなったキリヤ王子が今度はガルドリックの指揮能力に話を転がし始めた。「あの時は確かにキリヤ王子に個別の指示は出していなかった。確かに君を放置してしまった責任はこちらにもある。それは謝罪しよう」 ガルドリックの謝罪という言葉にキリヤ王子は勝ち誇った様な笑み
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-09-18
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魔族領

麓からも下山し平地に着いたガルドリック達勇者パーティーは魔王の居城を目指しての旅を再開していた。 魔王の本拠地だけあって、その土地では多数の魔物との遭遇戦が予想されていたが、意外な事に魔物との遭遇は恐ろしい程に全く無かった。 こちらを油断させる為の罠かとも疑われたが、野営の時ですら魔物が近寄ってくるどころか付近に何かが居るという気配すら無かった。 もしかしたら、ここは魔族領ではないのかもという疑念すら生まれたが、平原の遙か先には魔王城の遠景は確かに見えている。 魔族領に入って数日、平原を越え険しい森に入っても魔物が待ち受けている気配はまるで感じられなかった。 そんな旅を数日続けていると魔王城がすぐ近くまで見えてくるまでに旅が進んでいた。 魔族領に入って数日後、魔王城を目前に控えた森林地帯での野営……通常は一人が交代で見張りについていたが、魔族領では万全を期して二人一組で焚き火を焚いて野営を行っていた。 組み合わせは戦士と魔術師の組み合わせが良いとガルドリック、エリスフィーナ、キリヤ王子の前衛グループとマリアリア、メルティーローズ、クレスの後衛グループのローテションで行われていた。 しかし、今夜の野営はガルドリックとマリアリア、メルティーローズとクレス、エリスフィーナとキリヤ王子という組み合わせとなっていた。 その組み合わせに異を唱える者は一人もなくエリスフィーナは新人だからか何も言い出せずに居た。 「じゃあ、私達は先に休ませて貰うわね」 「何かあったらすぐに知らせてくれ」 ガルドリックとマリアリアの二人が天幕へと入っていく。一方 「私達は少し周りを見てくるわ」 「そんなに離れないつもりですが何かあったら大声で知らせますから貴方達も頼みましたよ」 メルティーローズとクレスの二人は茂みの向こうへと消えていってしまった。 焚き火の前に残されたエリスフィーナとキリヤ王子が会話を交わす事は無かった。 あってもキリヤ王子がからかい気味にエリスフィーナに話し掛け、エリスフィーナが真面目に答えるとキリヤ王子が軽口で答えて終わる……そんな時間がただ流れていた。 見張りが始まり数時間、すっかり夜も更けてしまった頃…… 「エリスフィーナ、お前今日の組み合わせ……何とも思わないのか?」 ふいにキリヤ王子がそんな
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不埒者

(ん……) ようやくウトウトしていたエリスフィーナはふと間近に感じられる嫌な圧迫感に気が付いた。 天幕の中に明かりは無いため、外の焚き火の明かりが天幕の布を通して入り込んでくる僅かな明かりが唯一の光源だ。 「はぁ……はぁ……」 相変わらず間近から感じられる圧迫感と妙な息遣いにエリスフィーナがその方向に視線を向けると 「……!」 自分に覆い被さる様に四つん這いになっているのは離れて寝ているはずのキリヤ王子だった。 彼は妙な息遣いのままエリスフィーナに口付けしようと顔を近付けてきた。 ーグググッ……ー 「うぅ……!」 自重と体重で迫ってくるキリヤ王子に対しエリスフィーナは腕を寝袋から出して懸命に抵抗する。 「止めて下さい!」 ードズッ!ー 「あふんっ!」 寝袋の中から放った膝蹴りがキリヤ王子の股間に決まり、彼は股間を抑えて悶絶を始めた。 「くっ……!」 その隙に寝袋から這い出したエリスフィーナは外に居るはずのガルドリック達に助けを求めに立ち上がり天幕の出口へと走り出した。しかし 「このクソ女、逃がすかよ!」 ーガシッ!ー 「きゃあっ!」 走り出したエリスフィーナだがキリヤ王子にその足を掴まれ ードサッ!ー 「あぐっ!」 出口に辿り着く事も出来ずに地面に転ばされてしまった。 「とんだ凶暴エルフだぜ。大人しくこっちこいよ!」 「や、止めて……! 離して下さいっ!」 エリスフィーナは足を動かして抵抗するがキリヤ王子に天幕の奥に引き戻されていく。 「いやっ! ガルドリックさん! 助けてぇっ!」 必死に助けを叫ぶエリスフィーナだが、外から誰かが助けに来る様子は無い。 すぐ近くに焚き火があってガルドリック達はそこに居るハズなのに…… 「天幕と外は俺の魔法で音を遮断してるからな。 いくら呼んでも聞こえるはずねーんだわ」 連れ戻したエリスフィーナに覆い被さり両腕を地面に組み伏せたキリヤ王子は勝ち誇りながら自身の魔法を語る。さらに 「いい加減大人しくしろよ! せっかくマリアリアが協力してくれてんだからよぉ!」 キリヤ王子から信じられない話がエリスフィーナに告げられた。 今のキリヤ王子の乱暴はマリアリアも了承済みで協力してくれているというのだ。 「そ、
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