この別れが、永遠だから私が死んでから3年目、遠藤仁(えんどう じん)が墓参りに来た。
墓石の周りには、たくさんの百合の花が咲いていた。仁の表情は暗かった。
「これは一体どういうことだ?」
「社長、お墓に百合の花が咲くのは、亡くなった人が来世の伴侶を見つけたしるしだと言われています」
「刈り取れ!」
仁の声は冷たく、酷く苛立っているようだった。
「社長……何を、刈り取るのでしょうか?」
「ここの百合を、一輪残らず全て刈り取れ!」
仁はこの墓地を丸ごと買い取った。
そして、そこに埋葬されている男性の墓を、7歳の子どもから80歳の老人まで全て移転させた。それだけでは飽き足らず、ペットの犬の墓までもだ。
「茜(あかね)、死んでも大人しくしていろ。もし他の男の亡霊といい仲になんてなってみろ、俺が死んだ後、ただじゃおかないからな。
待っていろ。俺が死んだら、また夫婦になるんだ……だから、もう少しだけ待っていてくれ!」