家事手伝いだけを可愛がる両親に、仕送りを絶った件
私は夏目柚菜(なつめ ゆな)。
ゴールデンウィーク、久しぶりに実家へ帰省した。
そこで私を待っていたのは、夕食後の父の一言だった。
「お前、皿を洗え」
思わず声を詰まらせた。
「お手伝いさんがいるじゃない」
母が眉をひそめた。
「雪乃ちゃんは毎日私たちの面倒を見てくれてるの。あなたが帰ってきたんだから、少しは休ませてあげなさい。こういうことは、あなたがやるべきよ」
納得できなかった。
「お金を払って雇ってるんだよ。それが彼女の仕事でしょ。お金を出してるのに、私がやらなきゃいけないって、おかしくない?」
この言葉で、お手伝いの唐崎雪乃(からさき ゆきの)は泣き出し、両親の怒りを買った。
母は冷たく言い放った。
「育てた甲斐がないわ。年に一度会えるかどうかなのに、雪乃ちゃんのほうがよっぽど気が利く。少なくとも、毎日そばにいてくれるんだから」
父は私に指を突きつけて言い張った。
「まあ、無理に帰ってこなくていいぞ。今日から雪乃が俺たちの娘だ。お前は好きにしろ」
私は苦笑した。
仕事に追われながらも毎月まとまった仕送りを続け、高い金を出してお手伝いまで雇った。なのに両親は、雪乃こそが可愛い娘だと思い込んでいる。
だったら、仕送りはもうやめよう。
彼女がこの先もずっと、ただでいい娘ぶっていられるかどうか、見せてもらおうじゃないか。