元夫の目は節穴?名門令嬢が電撃再婚!
西尾絃葉(にしお いとは)は名家の令嬢である身分を隠し、澤木凪杜(さわき なぎと)と結婚して5年。
凪杜は彼女をこれでもかというほど溺愛していた。
五周年の節目に、祖父がついに折れ、彼女が夫を伴って帰宅し、家業を継ぐことを認める。
だがその矢先、彼女は衝撃の事実を知る。
凪杜は彼女だけを愛していたわけではなく、彼の秘書である円藤野々花(えんどう ののか)のことも深く愛していたのだ。
彼女が手にしていた肩書きも愛も、秘書の野々花はすべて持っている。
彼女がどうしても得られなかった子どもさえ、野々花はすでに彼のために産んでいた。
残された30日間で、絃葉は彼の裏にある偽りを見抜く。
「3人の世界は、あまりにも窮屈すぎた」
涙を拭い、彼女は言った。
「だから彼女に譲るわ。凪杜、さようなら」
2年後――大雪が街を封じる中。
凪杜は彼女の屋敷の前にひざまずき、雪に打たれながら叫ぶ。
「絃葉、すまなかった!どんな罰でもいいから......どうか俺を見捨てないでくれ!君がいないと俺は......生きていけないんだ!」
絃葉は男の腕を取り、落ち着いた足取りで外へ出る。
男は身をかがめ、軽蔑を帯びた笑みを浮かべて言った。
「彼女の世界に、もうお前の居場所なんてないよ」