禁欲教授の溺愛レッスン:甘えん坊な奥様に溺れて
浅野遥(あさの はるか)の身に、空が落ちてきた。
一晩を共にした男が自分の大学の教授だったなんて。そして、なんと、自分は妊娠していたのだ。
震える手で妊娠検査薬の結果を彼の前に差し出すと、神崎教授は2つの選択肢を提示した。1つ、中絶。2つ、結婚。
こうして遥は、自分の大学の教授と結婚することになった。
結婚後、二人は別々の部屋で寝ていた。
ある夜、神崎教授は枕を抱えて彼女の部屋の前に現れた。
「俺の部屋の暖房が壊れたんだ。今夜は君の部屋でちょっとだけお邪魔させて」
遥は状況を理解しきれないまま、道を譲った。
次の晩も、神崎教授は再び現れた。
「暖房はまだ直ってないんだ。もう少しだけ、頼む」
最終的に神崎教授は彼女の部屋に居座り、光熱費を節約して子供のために使うんだと言い訳した。
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L市医科大学は全国屈指の名門大学であり、神崎教授はこの大学でも特に有名で、医科大学の中でも最年少の教授だった。
彼はいつも左手の薬指に結婚指輪をしていたが、妻の影は見られなかった。
ある日、好奇心に耐えかねた学生が授業中に質問した。「先生、結婚されているそうですね。奥様をいつか紹介していただけませんか」
すると神崎教授は、突然ある学生の名前を呼んだ。「浅野遥」
学生の一人が反射的に、学生たちの中から立ち上がり、「はい」と返事をした。
多くの学生の視線の中、神崎教授は優しい表情で言った。「皆さんに紹介しましょう。こちらは私の妻、浅野遥です。優秀な心臓外科医なんですよ」