独占欲に捕らわれて2

独占欲に捕らわれて2

last updateLast Updated : 2025-12-17
By:  東雲桃矢Updated just now
Language: Japanese
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紅玲と千聖が同棲を始めた。 ふたりは順調に思えたが……。

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Chapter 1

穏やかな朝

日曜日の朝8時過ぎ、千聖はゆっくり起き上がる。広々としたダブルベッドに、紅玲の姿は見当たらない。

「意外と早起きよね」

千聖はあくび混じりに呟くと、はだけたバスローブを着直してベッドから降りる。寝室を出ると、食欲をそそる匂いが2階までした。

(今日の朝食は何かしら?)

確かめたくなる衝動を抑えて自室に戻ると、白のタートルネックセーターにジーパンというシンプルな服に着替えて、1階に降りる。途中で脱衣所の洗濯機にバスローブを入れて、洗顔をする。台所に行くと、食卓には朝食が並んでいる。

「おはよう、チサちゃん。ちょうど起こしに行こうと思ってたとこだよ」

恋人の紅玲は、珈琲を淹れながら笑顔を向ける。

「おはよう、紅玲」

朝の挨拶をして座る。食卓の上には薄焼きのワッフルにサラダが1枚の皿にまとまっている。その横にはそれぞれ小さなカップに入ったスクランブルエッグとツナマヨ。小さなグラスにはイチゴジャムがかかったヨーグルトと、喫茶店のような朝食だ。

「はい、どうぞ」

「ありがとう」

千聖の前に、珈琲が置かれる。

「いただきます」

手を合わせて言うと、千聖は薄焼きのワッフルにスクランブルエッグを挟んで食べた。ワッフルの表面はカリッとしていて、スクランブルエッグはバターが香り、ふんわりした舌触りだ。

「うん、美味しい」

「チサちゃんにそう言ってもらえると嬉しいな」

穏やかな笑みを浮かべる紅玲を見て、千聖の中で1つの疑問が生じる。

(あれ? 確か天ぷらの店で、料理は苦手だから外食ばかりだって言ってなかったっけ?)

千聖は契約期間に、紅玲と外食した時の会話を思い出した。

「どうしたの、チサちゃん。なんか変なの入ってた?」

どうやら顔に出ていたらしく、紅玲は不安げな顔で千聖を見つめる。

「え? ううん、違うの。あなた、前に天ぷらのお店で料理は苦手って言ってなかった? ……その後、家庭事情で料理をふくめて家事ができるとは聞いてたけど……」

千聖が素直に疑問をぶつけると、紅玲は小さく笑った。

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穏やかな朝
日曜日の朝8時過ぎ、千聖はゆっくり起き上がる。広々としたダブルベッドに、紅玲の姿は見当たらない。「意外と早起きよね」千聖はあくび混じりに呟くと、はだけたバスローブを着直してベッドから降りる。寝室を出ると、食欲をそそる匂いが2階までした。(今日の朝食は何かしら?)確かめたくなる衝動を抑えて自室に戻ると、白のタートルネックセーターにジーパンというシンプルな服に着替えて、1階に降りる。途中で脱衣所の洗濯機にバスローブを入れて、洗顔をする。台所に行くと、食卓には朝食が並んでいる。「おはよう、チサちゃん。ちょうど起こしに行こうと思ってたとこだよ」恋人の紅玲は、珈琲を淹れながら笑顔を向ける。「おはよう、紅玲」朝の挨拶をして座る。食卓の上には薄焼きのワッフルにサラダが1枚の皿にまとまっている。その横にはそれぞれ小さなカップに入ったスクランブルエッグとツナマヨ。小さなグラスにはイチゴジャムがかかったヨーグルトと、喫茶店のような朝食だ。「はい、どうぞ」「ありがとう」千聖の前に、珈琲が置かれる。「いただきます」手を合わせて言うと、千聖は薄焼きのワッフルにスクランブルエッグを挟んで食べた。ワッフルの表面はカリッとしていて、スクランブルエッグはバターが香り、ふんわりした舌触りだ。「うん、美味しい」「チサちゃんにそう言ってもらえると嬉しいな」穏やかな笑みを浮かべる紅玲を見て、千聖の中で1つの疑問が生じる。(あれ? 確か天ぷらの店で、料理は苦手だから外食ばかりだって言ってなかったっけ?)千聖は契約期間に、紅玲と外食した時の会話を思い出した。「どうしたの、チサちゃん。なんか変なの入ってた?」どうやら顔に出ていたらしく、紅玲は不安げな顔で千聖を見つめる。「え? ううん、違うの。あなた、前に天ぷらのお店で料理は苦手って言ってなかった? ……その後、家庭事情で料理をふくめて家事ができるとは聞いてたけど……」千聖が素直に疑問をぶつけると、紅玲は小さく笑った。
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穏やかな朝2
「そんなこと覚えててくれてたんだ? 嬉しいなぁ」「どうしてあの時、料理は苦手だなんて嘘ついたの?」紅玲はゆっくり首を横に振る。「別に、嘘ついてたわけじゃないよ。どんなに美味しいもの作っても父さんは褒めてくれなかったし、オレひとりで食べるのに作るのも、なんか嫌だったんだよね。技術的な問題じゃなくて、感情的な問題で苦手だった。って言えば、なんとなくは分かる?」「そう、だったのね……」紅玲の家庭事情を知ってる千聖は、返す言葉に困って、複雑そうな顔をする。「そんな顔しないで。今はチサちゃんが美味しそうに食べてくれるから、結構楽しいよ」「それならよかった。私、紅玲が作る料理好きよ」「料理だけ?」紅玲は拗ねたように唇を尖らせる。「料理もふくめて、紅玲が好き」千聖が苦笑しながら言い直すと、紅玲は満足気に笑った。ふたりは今日はどう過ごすか話し合いながら、朝食を済ませた。朝食が終わると、ふたりは並んで洗い物をする。「チサちゃんには、あんまり水仕事させたくないんだけどなぁ」「何言ってんのよ。朝食用意してもらったんだし、これくらいさせて。そもそも、私が仕事の日はあんまり家事できてないし……」会社勤めの千聖がやる平日の仕事と言えば、朝のゴミ出しと夕飯の皿洗いくらいだ。本当は洗濯物と風呂掃除もしたいのだが、夕飯が終わると紅玲は千聖を抱えて寝室に行くため、同棲してから風呂掃除をしたことがない。「チサちゃんは外で頑張ってるんだから、それくらいオレがやるのは当然だよ」「紅玲だって、在宅ワーク大変じゃないの?」「ずっとパソコンにかじりついてるから、躯動かすのに丁度いいの。だから気にしないで。はい、これが最後」紅玲は洗ったマグカップを千聖に渡し、千聖は泡を落として水切りかごに入れた。千聖が手を拭くと、先に手を拭き終えた紅玲が彼女の手を握る。「お手伝いありがと。ちゃんとケアしようね」紅玲はハンドクリームを、千聖の手に塗り込む。
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穏やかな朝3
「ここまですることないと思うけど?」「ダーメ。せっかくの綺麗な手なんだから、ちゃんとお手入れしないと。なにより、オレが大事にしたいからさ」そう言って紅玲は、ハンドクリームを塗り終えた千聖の手の甲に、キスを落とした。(やることがいちいち大げさというか、キザというか……)千聖は内心苦笑しながら、紅玲の手からハンドクリームを取った。「チサちゃん?」「私も紅玲が大事だから、塗ってあげるわ」千聖は骨ばった紅玲の手に、丁寧にハンドクリームを塗り込む。「ありがとう、チサちゃん」「どういたしまして」ハンドクリームを塗り終えると、紅玲に返した。「さて、パパっとやることやっちゃいましょうか」「そうだね」千聖は干してある洗濯物を取り込むと、別の洗濯物を干した。紅玲は風呂掃除をする。湯船だけでなく、タイルや風呂桶まで丁寧に洗っていく。千聖が洗濯物をたたんでいると、違う服に着替えた紅玲がリビングに来た。「こっちは終わったよ」「お疲れ様。こっちももう少しで終わるわ」千聖は手を休めることなく返事する。「それじゃあ、なにか飲み物でも用意しとこっか。何がいい?」「そうね、紅茶がいいわ」「オーケー、紅茶ね」紅玲は台所へ姿を消した。「ふぅ、これで全部ね」洗濯物をたたみ終えた千聖は、ソファに座った。ちょうどいいタイミングで、紅玲が戻ってくる。「はい、チサちゃんもお疲れ様」紅玲はテーブルの上にふたり分の紅茶と、洋菓子がたくさん入った菓子受けを置いた。「ありがとう」千聖は紅茶をひと口飲むと、隣に座った紅玲に寄りかかる。「チサちゃんとこうして過ごせるなんて、幸せだなぁ。毎日こうだったらいいのに」「仕事があるから無理よ」千聖が困ったように笑うと、紅玲は一瞬だけむくれた。「オレが養ってあげるのに」「前にも言ったけど、まだ仕事を続けてたいの」「分かってる」紅玲は自分に言い聞かせるように言うと、気持ちを切り替えるために短く息を吐いた。
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穏やかな朝4
「今日はお互いの話をするって決めたんだよね。チサちゃんから、聞きたいこと聞いていいよ」「そう、ね……」千聖が紅玲に聞きたいことは決まっているが、ことがことなだけに、歯切れが悪くなってしまう。「チサちゃん。オレに遠慮することなんてないんだよ?」紅玲は千聖の髪を撫でながら、優しく声をかける。「……助教授のこと、聞いてもいいかしら?」「なぁちゃんのことか、いいよ」「なぁちゃん? あなた、助教授をそんな呼び方してたの?」千聖は眉間にシワを寄せた。「うん、友達感覚だったからね。身長も150センチあるかどうかってところだったかなぁ。小動物みたいで、チサちゃんとは、似ても似つかないよ」「そうみたいね……」千聖は助教授を小動物呼ばわりしていることに呆れ返りながらも、言葉を返す。「なぁちゃんは心理学の講義をしててね。初めての講義で『自分の気持ちを知りたくてここに来た人、手を上げてください』なんて言うから驚いたよ」「またおかしな質問を……。それで、その後助教授はなんて?」「何人か手を上げた人がいて、彼らに『その問題は心理学ではどうすることもできないので、今すぐ哲学を学びに行きなさい』って言ってた。それでなぁちゃんのことが気に入ったんだよね」紅玲は懐かしむように目を細める。(自分から聞いといてこんなこと思うのもおかしいんだろうけど、他の女性の話をしてそんな顔されるの、面白くないわ……)千聖は自分のワガママに嫌気がさした。「確か、紅玲は熱心に質問をしてたりしたのよね?」「そうだよ。なぁちゃんの講義は面白かったからね。講義の後に質問することもあったけど、よく雑談してたっけ……。そのせいで、頭のネジが外れちゃった女の子達に酷い嫌がらせをされてね……。オレが止めに入ると酷くなるから、下手に動けなかったし……。そのことはまだ、後悔してるかな……」紅玲は甘えるように千聖に擦り寄ると、彼女の顔をのぞき込んだ。千聖は困り顔で紅玲を見つめる。
last updateLast Updated : 2025-12-17
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穏やかな朝5
「なんて顔してんの」「だって、私から聞きたくて聞いたのに、なんだか嫉妬しちゃって……。紅玲は、助教授に恋愛感情を抱いてなかったって知ってるのに……」千聖は紅玲から目を逸らした。「嫉妬してくれるのは、嬉しいよ。だって、それだけオレのこと愛してくれてるんでしょ?」紅玲は言い終えると、千聖を自分の方に向かせてキスをした。「あなたって、本当に変わってるわ」千聖は自分の唇に触れながら、小さく笑う。「褒め言葉として受け取っておくよ。そうだ、チサちゃんがずっと知りたがってたこと、教えたげる」「私が知りたがってたことって?」思考を巡らせるもなんのことが分からず、千聖は首を傾げる。「オレがどうしてチサちゃんを好きになったのか」紅玲の言葉に、千聖は目を丸くする。それは千聖が紅玲に苦手意識を持っていた時の疑問だ。「あの時は、好きになるのに理由なんかない、とか言ってたわよね?」「もちろんそれは嘘じゃないよ。でもね、チサちゃんを好きになった理由は一応いくつかあるんだよね」「それは是非とも聞きたいわ」千聖は紅玲の腕に抱きつき、彼を見上げた。「まずは純粋に一目惚れ。次に、オレに冷たい態度とったこと」「わけが分からないんだけど……」千聖が呆れ返ると、紅玲は小さく笑った。「実は大学でさ、名前と顔はほとんど覚えてないけど、占いサークルの部長に『アンタの運命の人は、アンタを嫌ってる人かもね』って言われたんだよ。なんかその言葉が忘れらんなくて」「顔も名前も覚えてない人の言葉を信じたわけ?」「なんか納得しちゃったんだよね。チサちゃんも知ってるでしょ? オレに言い寄ってくるのは、金目当てか、頭のおかしい子だけだったって」紅玲の言葉に、千聖は顔をしかめる。紅玲の歴代の恋人は全員金目当てで、金をもらったら彼をボロ雑巾のように捨てた。紅玲に好意を寄せる女性もいたが、彼女達は自分が紅玲の恋人だと思い込み、他の女性や紅玲の親友である斗真に危害を与えたりと酷かった。千聖はそれを斗真と、紅玲本人から聞かされている。
last updateLast Updated : 2025-12-17
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穏やかな朝6
「まぁ……あなたの境遇を考えたら、納得出来なくはないけど……」「けど?」紅玲は好奇心で目を輝かせながら、千聖の顔を覗き込む。「私だったら、そんな状況になったら恋なんてしないわ」「それはチサちゃんが、最近まで本当の愛を知らなかったからでしょ? ……といっても、オレもその頃は本当の愛なんて知らなかったけどさ。寂しかったんだよ。家族はあんなのだしさ。親友には恵まれたけど、それだけじゃ物足りなかったんだ」紅玲は千聖を抱き寄せながら言う。「そう……」千聖はなんとかそれだけ言うと、紅玲の手を握った。「部長には感謝しないとね。おかげでこんなに素敵な恋人が出来たんだから」紅玲は手を握り返しながら、明るい声で言う。「顔も名前も覚えてないのに、どう感謝するのよ」千聖は小さく笑いながら、言葉を返す。「なにも本人に伝えることだけが感謝じゃないからね。さてと、次はチサちゃんの話を聞かせてもらおうかな」「いいわ、何が聞きたいの?」千聖は紅茶をひと口飲むと、クッキーをかじった。「チサちゃんがなんであそこまで、恋愛に興味がなかったのか」千聖はあぁ、と声を漏らしながら苦笑する。「私の周りに、まともな……というか、憧れられる恋愛をした人がいなかったからよ。中学生の頃は仲のいい男子と話してただけで、3人組の女子に詰め寄られたし、優奈も凄まじかったから……。正直、恋に恋する時間すらなかったわ」「詰め寄られたって、なんて?」「掃除の時間に廊下を掃き掃除してたら3人組に囲まれて、『沢田くんは満里奈ちゃんの好きな人なんだから、取らないでよね』って。普通に雑談してるだけで、そんなんじゃないって言ったらすぐに納得してくれたけど」今思い出してもおかしくて、千聖は苦笑しながら答える。
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穏やかな朝7
「それは大変だったねぇ……。で、優奈ちゃんの恋が凄まじかったって?」「高校時代、優奈がずっと付き合ってた同級生がいたのよ。すごく仲が良かったけど、彼氏が絡むと感情の起伏が激しくなっててね……。昼休みに私が彼氏くんに呼ばれて行ったら、購買のパンが私の顔にクリーンヒットしたわ……」「なにそれ……」紅玲はしかめっ面で千聖の頬に触れる。「私も未だに分からないわよ……。嫉妬したらしいんだけど、彼氏くんが私を呼んだのは、私が先生に貸してた本を預かったからだったのよね……」「高校時代のチサちゃんも、さぞかし可愛かったんだろうなぁ……。にしても、本当に災難だったね……」「えぇ、本当に。他にも痴話喧嘩に巻き込まれたりしてたわ……」やれやれと肩をすくめながら、ため息をついた。「よくそれで優奈ちゃんが誘った合コンに来ようと思ったね」紅玲は不思議顔で言った。「お酒に釣られたのよ。来てくれたら、高い洋酒を買ってくれるって言うから……」千聖が言うと、紅玲は吹き出した。「ぷっ……、あっはは、お酒に釣られるなんて、チサちゃんらしいね」「いくら優奈の頼みでも、タダであんなところ行かないわよ」笑われて拗ねた千聖は、そう言ってそっぽを向く。「もう、拗ねないでよ。可愛い顔見せて?」「別に、拗ねてないわ」千聖が紅玲を見上げながら言うと、紅玲は千聖の頬にキスをした。「拗ねてないならよかった。愛してるよ、チサちゃん」「よくもまぁ、つらつらと言葉が出てくること」千聖は頬をほんのり染めながら、乱雑に言う。「本心なんだから、仕方ないでしょ?」「まったく、あなたには叶わないわ……」千聖は困ったように笑うと、紅茶を飲み干した。ふたりは昼過ぎまでこうしてお互いの話をすると、少し遅めの昼食を取った。午後になると紅玲は千聖を抱えて、寝室に行く。
last updateLast Updated : 2025-12-17
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依存の海
紅玲は千聖をベッドの上に寝かせると、真っ赤な首輪を千聖につけた。首輪に繋がった鎖を揺らしながら、紅玲は満足気に微笑む。「こうやってチサちゃんを鎖で繋いでると、オレのものだって目に見えて分かるから、すごく落ち着く。ずっと鎖で繋いで、オレの傍に置いておければいいのに……」「気持ちは嬉しいけど……」「聞きたくないな」紅玲は千聖の唇を強引に塞ぎ、舌を彼女の口内に侵入させる。千聖は受け入れるように口を薄く開けると、舌を絡ませた。外の雑音が遠ざかり、ふたりの世界が出来上がる。薄暗い部屋には、ふたりの吐息と水音が響く。「はぁ……紅玲……」千聖は潤んだ目で紅玲を見上げるが、彼は冷めた目で千聖を見下ろしている。「紅玲……?」不安になった千聖は、紅玲の頬に触れながら名前を呼ぶ。「チサちゃんはオレのなんだから……。拒絶の言葉は聞きたくないよ……」紅玲は寂しそうに言うと千聖を抱きしめて、彼女の首に顔を埋める。「拒絶なんて、してないじゃない……」「仕事があるから、オレとずっといられないって言いたいんでしょ? そんなの、拒絶と同じだよ。今だけは、そんなこと言わないで……。可愛い声で、オレを受け入れてよ」紅玲は言い終えると、千聖の首筋に甘噛みをする。「んあぁ……! は、ぁ……痕、つけちゃダメだからね……?」千聖がやんわりと紅玲の肩を押しながら言うと、紅玲はほんの一瞬、しかめっ面をする。「ここならいいでしょ?」紅玲は服の上から、千聖の胸元にキスを落とした。「えぇ、そこにならたくさんつけて……」千聖は恍惚の笑みを浮かべながら、タートルネックセーターをたくしあげる。「あとはオレにやらせて」紅玲は千聖の手を優しい手つきでどかすと、自分の手で脱がせた。純白のブラジャーが、千聖の豊満な胸を覆っている。「赤とか黒とか、そういう映える色もいいけど、白もすごく似合うよ。いつかこんな色のウエディングドレスを着させてあげるね」そう言いながら紅玲は千聖の背中に手を回し、片手で器用にホックを外した。緩んだブラジャーは、千聖のバストの上で浮き上がる。
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依存の海2
「まさかセックスの最中に、ウエディングドレスなんて言葉を聞くことになるとは思わなかったわ」千聖はそう言って笑うが、紅玲の顔は真剣そのものだ。「オレは本気だよ? いつかオレのために着てくれるでしょ? ウエディングドレス」紅玲はブラジャーを取り除くと、乳首には触れず、手に収まりきらない乳房をやわやわと揉みしだく。「そりゃあ、いつか……ふ、んん……着たいと、思ってるわ」「そうだよね。チサちゃんが着たがらないわけないよね」紅玲は嬉しそうに言うと、千聖の胸元に赤い花弁を散らしていく。「はぁ、んっ……あぁ、紅玲……!」千聖は小刻みに躯を震わせながら、愛しい人の名を呼ぶ。「いいね、その切ない声……。すごくそそるよ。もっと呼んで」紅玲は顔を上げて言うと、再び千聖の胸元に顔を埋めた。(今日の紅玲、なんだかおかしいわ……。何があったの?)千聖はいつもと様子の違う紅玲に違和感を覚えながらも、彼に与えられる快楽に身を委ねる。「あぁ……! 紅玲……もう、じれったいわ……」「ココももう、物欲しそうに尖ってるよ?」紅玲がツンと尖った千聖の乳首を軽く摘むだけで、千聖は面白いくらい躯を跳ねさせた。「ひゃうぅ!? や、急に……ああぁっ! 吸うの、だめぇ……!」紅玲は千聖の乳首を口に含むと、吸い上げながら舌で転がす。もう片方の乳首は、指でつまみ上げながらくにくにとひねるように動かす。「チサちゃんは本当に乳首弱いよねぇ。ま、弱いのはココだけじゃないんだけど」紅玲は愛撫を一旦やめると、起き上がって千聖の躯を舐めまわすように見る。「な、なによ……」「んー? 次はどこにつけようかなって」そう言って千聖の躯に、指を這わせていく。「んぅ、ふ……ふふ、くすぐったい」千聖は吐息混じりに言いながら、身じろぎする。「ここにつけたげるね」紅玲の指は、千聖の太ももで止まった。
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依存の海3
千聖のジーパンを脱がせると足を開かせてその間に入り、彼女の柔らかな太ももに唇を寄せた。チュッと可愛らしい音を立ててキスをしたかと思えば、柔肉を食み、吸い上げる。「はうぅ……! んっ、あぁ……!」千聖の口からは悩ましげな吐息が零れ、白い太ももには赤い花弁が色付いた。「さっきよりいい声……。太ももも弱いよねぇ」紅玲はニヤリと笑いながら、千聖の太ももを指先でなぞる。「んあぁ……! し、仕方ないでしょ……。紅玲が、上手だから……」「もしかしてオレのせいにしてる? チサちゃんの感度の良さは、元からでしょ?」そう言って紅玲は再び千聖の太ももに顔を埋めると、いくつもの花弁を散らしていった。紅玲が柔肉を吸い上げる度に、千聖は躯を跳ねさせる。「ひあっ、はぁ……や、紅玲……! もう、やぁ……!」「嫌じゃないでしょ? 気持ちよくて仕方ないくせに」紅玲は顔を上げると、サディスティックに微笑んでみせた。「ほら、見てごらん。チサちゃんの太もも、オレのだって印でいっぱいだよ」紅玲は片方の足を持ち上げて千聖に所有印を見せつけると、長い舌を伸ばして、太ももを舐めあげた。「はぁ……本当だ、紅玲のだって印が、こんなにたくさん……」千聖はうっとりと自分の太ももを見上げる。「これでトイレに行く度に、オレとのことを思い出しちゃうね」「なっ……」妖艶に微笑みながら言う紅玲に、千聖は絶句する。「顔真っ赤、可愛いな」紅玲は千聖に覆い被さると、唇に触れるだけのキスをし、耳まで辿るようにキスをする。千聖の弱点である耳を食むと、千聖は躯を大きく揺らした。「んあぁっ!? はぁ……っ、ゃ、んんっ……!」「チサちゃんは本当に、どこもかしこも敏感だよねぇ」紅玲は千聖の耳元で囁くと、喉を鳴らすように笑った。鼓膜を震わせる彼の声はどこまでも甘く、千聖はそれだけでヴァギナから蜜を溢れさせた。
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