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第56話 催淫香

ผู้เขียน: 甘梨鈴
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-07-28 17:00:20

 エマは命じられたとおりに服を全て脱ぐと、ベッドの上に座り込んだ。

 レオナールはいつものように、一人がけの豪奢な椅子に腰掛けている。 エマは羞恥に耐えながら、レオナールに向かって、両足を開き、萎えた自身に手を添えた。

「貧弱な身体は見るに堪えんな」

「ッ……」

「玩具なら、もっとオレを楽しませてみろ」

 レオナールは酒を注いだ杯を片手に、ニヤニヤ笑いながらエマの痴態を見物しようとしている。蔑む眼差しから逃れるように、エマは視線を逸らして、半身を扱いた。

「ん……ぅっ」

 思うように、躰が反応しない。

 発情期でもないのに、大嫌いなレオナールの前で無理やりやらされて、感じるわけがないのだ。

(ルシアン様なら、蕾もすぐ濡れてしまうのにっ)

 恋い慕うルシアンの手が触れてきたときのことを思い出すと、蕾が疼きだした。

「ぁんっ……ぁぁッ」

 ぴくんと躰が跳ね、半身から蜜があふれる。

 ルシアンを想うことで躰が反応する。そのことに、エマは安堵した。

 しかし。

「……ッ、ぁ、……?」

(ぇ……なに、この匂い?)

 ふわっと甘い香りが漂ってきた。

 その香りを嗅いでいると、なぜか躰が熱くなってくる。

「はぁッ……ん、んぁッ、ぁぁっ」

 頭の芯が痺れていくような、甘ったるい匂い。

 匂いの元を探ろうと視線を巡らせ、ベッド横の台に香炉を見つけた。

(これ……催淫香(さいいんこう)だッ)

 以前にも使われたことのある、オメガの性欲を煽る香(こう)だった。

 吸い込むと媚薬のような効果があり、躰の疼きを引き起こす。

 なぜかオメガにしか効かない香りで、以前、躾と称してこの催淫香を使われたことがあった。

 液体の媚薬ほど即効性はないが、胸焼けがするような甘さだ。

「んんっ、ぁ、……甘ぃ……んぁぁっ」

「匂いには敏感なようだな」

 ベッドの脇にいた従者が、イヤらしい笑みを浮かべる。
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