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Kiss Goodnight

last update Date de publication: 2025-09-01 14:07:35

試乗する気満々で車屋に乗り込んだものの、まともに運転をすることがかなり久しぶりなことに今さら気がついた。インド出張中に1度だけ買い出しのために車を借りたが、交通ルールもあって無いようなもので、それはカウントしない方がいいだろう。

目当ての車種の座り心地やハンドル周りの操作性を確認したところ概ね満足し、実際の試乗は、恥を忍んでヒューゴに頼んだ。

それに、2人で出掛ける時は彼が運転しそうな予感がする。

15分ほどの試乗を終えて感想を聞いてみる。

「座席も視界も広くて、僕は運転し易いと思った」

「じゃあ、これに決めます」

ヒューゴの感想を受けて、おれは即座にそう営業担当に向けて告げる。それでは早速お手続きに、とショールームの中へと案内された。

出されたアイスコーヒーを飲みながら、必要書類を揃えに行った営業さんを待つ。

「ローンを組むのか?」

「うん。そりゃね」

「これは提案なんだが」とヒューゴはアイスコーヒーをテーブルの脇にどかした。「僕と共同で買わないか?半額ずつ出して」

そしてテーブルの上に置かれているおれの手に目線を落とし、角張った親指だけで軽く触れてきた。その触れ方は間違い
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  • おいしいじかん   よい夢を

    秋も深まった11月。その夜は、ヒューゴの誕生日を2人きりで祝い、シャンパンが無くなるのを待ちかねたように、ベッドになだれ込んだ。いつもにも増して、長くとろけるような愛撫を与えられ、この後に起こることを期待しておれの身体はじくじくと熱くなる。毎週末の逢瀬のごとに乳首を蹂躙され、その射精を伴わない長い絶頂の最中にヒューゴは1本2本と指を増やしておれの内側に強烈な快楽を教えていった。覚悟していたよりも早くに慣れていく自分の身体が怖かったが、それにも増して喜びが大きかった。乳首から脳がどろどろに溶けるほどの快感を与えながら、ヒューゴはおれのものをぬるりと咥え、後ろにも指をそっと挿入する。2本目の指が入ってきた瞬間、少しだけ射精してしまう。「なんて身体してんの」「おまえの、せい、だろッ」もっと、とねだったのはおれだが。「才能だと思うけどね」ぜえぜえと全身で呼吸を整えるおれを尻目に、ヒューゴはからかうような笑顔で横臥し、余裕綽々だ。「苦しい?少し休憩する?」口ではそう言いながら、覆いかぶさってくる。「続けて……」「うん。透の身体も、僕を待ってるみたいだ」再びつるりと指が入れられ、またぞくぞくと電流が腰に走る。気持ちいい場所すべてを同時に責め立てられ、何がなんだか分からない状態に、目を閉じてただ身を任せる。「透。こっちを見て」目を開けると、荒い呼吸で上体を微かに上下させながら見下ろしている鋭い瞳とぶつかった。おれの足は大きく広げられ、尻にはヒューゴの脛が差し込まれている。絶対に足を閉じることも伸ばすこともできないようにしておいて、ヒューゴはぐいと自分のそそり立ったものを掴み、先端をおれの方へ向ける。雄々しく輝く瞳に見据えられ、ぞくりとする。「おれの中、ヒューで満たして」そう言った瞬間に内部を広げていたヒューゴの指がずるりと引き抜かれ、衝撃に悲鳴を上げてしまう。「うあ、あ、」間髪入れ

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    目覚めて最初に視界に入ったのはヒューゴの首元だ。エアコンが効きすぎた部屋で温かいものに包まれての目覚め、やっぱり最高。身じろぎすると、「起きた……?」とヒューゴの声がじんわり染み、その甘さに思わず目をギュッと閉じてしまった。金色の獣はふっと笑っておれの耳を唇でくすぐる。ああ、もうそれだけで……「まだ残ってる……?」「ちょっと怖い、自分が」「でも、すごく気持ちよさそうだったよ」「うん」おれが即答すると、「good boy」とヒューゴはおれのこめかみに軽く口付ける。「じゃあ……まだ夕方までたっぷり時間はあるし」ヒューゴはおれの胸に顔を埋め、初めて、手を下半身へ伸ばした。乳首をゆっくり舌で弾かれながら、掴んだ手で上下に扱かれると、すぐにおれはよく知る感覚に襲われる。ヒューゴは動きを止めて、ジッとおれを見ると、「どうする?」と低く囁く。その声があまりに色っぽくて、おれは我慢できずに、はやく、とねだるしかなかった。ヒューゴはおれの瞼にキスをして「きれいだよ、透」と言ってくれる。身体がまた仰け反って、ビクビク跳ねる。あ、出る……その瞬間、ヒューゴはおれのをギュッと掴んで射精を止めてしまう。でも、絶頂間はそのままで……さらに乳首に歯を立てられ、また強烈な快感がやってくる。それでも手を離してくれず。何度も追い詰めれて、その度にいかせてくれと懇願した。なのに、このもどかしくて気が狂いそうな感じもすごく良くて。終わりたくない。もっとおれを壊して欲しい。ヒューゴはそんな状態をまるで百も承知かのように、懇願を聞き入れてくれず、吸って、擦って、止めて、口付けて……おれのアタマとカラダを強引にコントロールする。おれは絶頂手前の永遠に続く快楽の中でヒューゴのそれに手を伸ばした。「透、僕はいいから&h

  • おいしいじかん   I’m Yours

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    ヒューゴは夜明け頃に焚き火を起こしたようで、おれは半覚醒の中まどろみながら、時折目覚めては、チェアで寛いでいるその姿を見ていた。渓谷に細く降り注ぐ朝日の中にいるヒューゴは、怖いくらいに美しかった。朝日に光る川の小波と、光の届かない暗い岩間の両方をそのまま身に纏うように鋭く暗く輝いている。水の精霊の化身だと言われても納得しそうなほど、人知を超えた魅力がある。まったく、どこにいても絵になる男だな。いつまでも鑑賞していたいが、今は教会で宗教画を眺めているのではなく、河原でキャンプ中だ。日差しが強くなる前に起床せねば。朝食は、昨夜のBBQで残しておいたステーキ肉を使ったホットサンドウィッチだった。コーヒーはヒューゴがアルミのボトルに入れて、川の水で冷やしてくれていた。天然のアイスコーヒーだ。「今日は何する?」サンドウィッチを頬張るおれにヒューゴが尋ねてくる。肉とチーズの他に缶詰のベイクドビーンズが入っていて、それがなんとも言えないアウトドア風味を出している。最高に美味い。「ゴーグル買ってきたから、水の中で魚を見たい。予定はそれだけ」「魚を獲ってみるのは?」「釣具買ってきたの?」「いや、手掴み。僕のやり方が日本の魚に通用するか試したい」「面白そうだな」「捕れたらお昼は魚を食べよう」朝食を食べ終えたおれたちは河に入り、膝より低い水位でゴツゴツと岩が突き出た浅瀬へ、そーっと移動する。料理のできないおれにとっては、生の魚を触ることからもう初めてだ。「あっ」少し大きな声を出してしまい、ヒューゴにシーっと注意される。ビャッと足元で素早く動くものが岩の下へ潜り込んだんだ。「岩の下に手を入れて、魚に触れたら、腹側をそっと何度か撫でる。魚が動かなくなるから、そこを両手で掴む。やってみて」魚の影が入り込んだ岩の下にゆっくり両手を入れて探る。手に、ぬるりとして張りがあるものが触る。ヒューゴに教わった通りに腹をくすぐるように撫でると、たしかに魚の動きが止まった。いまだ!と両手で

  • おいしいじかん   アニバーサリーから始めよう

    それ以来、おれは宣言通り、ヒューゴの店の常連となった。さすがに毎日とはいかないが、仕事が早く終わった日は夕飯を兼ねて軽く飲んで帰宅。早く切り上げればうまい飯にありつける、となると日々の高効率化にもつながる。金曜は、カウンターの奥の端の席に「Reserved」の札が置かれ、おれが店の扉を開けるとそれが取り除かれる。これは間違いなく常連と自覚して良いはずだ。時折、社内の誰か——-大抵は速水君だが、と誘い合って店に行くこともある。おれのバイトのことはなんとなく言えていないままだけれど、弊社は副業推奨だし

  • おいしいじかん   客としてだけじゃ物足りない

    焼け付くような喉の不快感で目を覚ましたおれは、水、水……と、まともに開けられない瞼のまま自分の周りを手探りでペットボトルを探す。いつも寝る前にはベッドサイドに置いておくのだが……「起きたか」ふいに部屋に低い声が響く。がばりと上体を起こすと、ソファに大きい白人の男がいて、「おはよう」なんて挨拶してくる。「え!?ここどこ!?」おれは一瞬、学生時代に留学したカナダの寮にいるのかと前後不覚になってしまう。「透の家じゃないの?」よく

  • おいしいじかん   酔えない男と酔いつぶれた男

    月曜日。新居からの初出勤は快晴に恵まれ、爽やかな漕ぎ出しだ。転職先は、自社で開発したアプリケーションが成功し、とある業界のスタンダードにまでなった実績あるソフトウェア開発会社だった。過去形なのは、開発部門を早々に子会社化し、今の母体は企画や営業中心のコンサルタント会社だからだ。 子会社と言っても名目上だけでビルも同じ。別フロアに開発部隊が居る、という感覚だ。 名刺の上ではおれの役職はコンサルタントだが、実際は自社アプリのプロジェクトマネージャーだ。顧客のニーズに合わせたカスタマイズをしたり、内部と外部の開発会社との調整をしたり。

  • おいしいじかん   Getting closer

    翌朝。いつもの土曜日なら二度寝をするところだが、引っ越し直後となればそうはいかない。目覚めたままに起きてすぐにシャワーを浴び、軽く体をほぐすと、さっそく片付けをはじめた。とりあえず片っ端から段ボール箱を開け、リビングの壁面収納にどんどんしまい込んでいった。細かい配置はそのうちでいい。暮らすうちに、自然と使い勝手で配置は変わってくるだろうから。昼前には全ての箱を空にし、引越し業者に回収の依頼をすることができた。もともと、おれは持ち物が少ない。ミニマリストを気取るわけではないが、ほぼ外食のため調理器具等が不要なのと、服装にあまりこだわらないためだ。通勤着に同じような服を5着、外出着が

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