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第108話

Author: ルーシー
当然、智也と沙羅も、玲奈と拓海のじゃれ合いを目にしていた。

拓海は、二人の視線がこちらに向いたのを感じ取ると、玲奈の耳元に顔を寄せ、小声で囁いた。

「今、あの二人が君を見てた」

誰のことか、玲奈にはすぐ分かった。

身体が一瞬で強張り、札の取り合いもやめて背筋を伸ばした。

その瞬間、舞台上では司会者が落札のカウントダウンに入っていた。

だが同時に、玲奈は視線の端に沙羅が智也に何かを囁くのを捉える。

距離はそう遠くなかったが、会場は完全に静かなわけではなく、言葉までは聞き取れない。

そして槌が最後に振り下ろされようとしたその時、智也が札を掲げた。

「3億」

途端に、会場全体がざわめき立つ。

「うわ、1億単位で上乗せ?これ、天井知らずにするつもりか」

「この翡翠、いくら高くても1億ぐらいだろ。こんな釣り上げ方、完全に無駄金じゃないか」

「分かってないな。これは美人を喜ばせるためだよ。金なんて惜しくないってやつだ」

「そうそう。智也や拓海が、この程度の金を気にすると思う?」

「やばいな......これ、まるで億万長者の殴り合い。こっちは巻き込まれたくない」

司会は智也がせり上げたことに目を輝か
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