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第207話

Author: ルーシー
玲奈は、愛莉が小燕邸へ入っていくのを見届けた。

愛莉はそのまま小走りにリュックの肩紐を握りしめ、弾むように大広間へ駆け込んでいった。

走りながら元気いっぱいに叫ぶ。

「ララちゃん、ただいま!」

娘の弾んだ声に、玲奈の胸はきゅっと締め付けられる。

彼女は小さな足取りであとを追い、愛莉が広間に入ったのを見てから、ようやく入口に立った。

そこから広間の様子がすべて見渡せる。

愛莉はリュックを宮下に手渡すと、ちょうど台所から出てきた沙羅のもとへ駆け寄り、彼女の足に抱きつき、顔を上げて尋ねた。

「ララちゃん、雅子おばあちゃんは?」

深津雅子(ふかつ みやこ)――沙羅の母親で、つい先ほど小燕邸へ迎え入れられたばかりだった。

愛莉がどうしてここへ戻りたがったのか、その理由はこれだった。

それに加え、彼女は新垣宅に泊まるのを嫌がっていた。

邦夫を嫌っているわけではなく、それ以上に玲奈と一緒にいたくなかったからだ。

沙羅はしゃがみ込み、愛莉の頭を撫でながら優しく答えた。

「台所にいるわよ」

愛莉は今にも駆け込もうとしたが、そのとき台所から雅子が姿を現した。

「まあ、愛莉じ
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