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第481話

Penulis: ルーシー
看護師が「冴子さんが意識を取り戻しました」と告げると、拓海は昂輝と言い合っている場合ではなく、足早にその場を後にした。

玲奈は彼の背中を見送りながら、ふと胸をなで下ろす。

これ以上ここにいられたら、先輩がまた何を口にするか分からなかったからだ。

玲奈は手を引き抜き、一歩下がって言った。

「先輩、私は帰るわ」

昂輝は立ち上がった。

「送る」

玲奈は思わず身を引いた。

「先輩は休んでて。

私ひとりで大丈夫よ」

それでも昂輝は譲らない。

「心配なんだ。

送らせて」

玲奈はしぶしぶ頷いた。

断れば、きっと帰らせてくれない。

昂輝は玲奈を春日部家まで送り届けると、そのまま車で去っていった。

余計なことは何も言わない。

玲奈も、それがありがたかった。

屋敷には家族の姿はなく、使用人だけがいた。

玲奈は全身の疲れを引きずるように二階へ上がり、シャワーを浴びてベッドに横になる。

うとうとしかけたところで、携帯が鳴った。

相手も確認せずに通話に出る。

「......もしもし」

掠れた声に返ってきたのは、陽葵の切迫した声だった。

「玲奈おばちゃん、愛莉ちゃん
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    そう言われ、玲奈は顔を上げて、訝しげに智也を見た。本当は訊きたかった。彼は本当に心配しているのか。それとも、監視したいだけなのか。けれど玲奈は訊かなかった。そして、ただ智也に言った。「先輩と食事するだけよ。心配しなくていい」智也は、自分の変化に気づいたのだろう。一瞬、言葉に詰まり、それから短く答えた。「……うん」そして付け足す。「食べ終わったら、迎えに行く」玲奈は頷いた。「うん」それきり二人は黙り込み、無言で下へ降りた。モールの入口に着くと、玲奈が少し待っただけで、昂輝の車が着いた。智也もそれを目にした。黒いアウディ。派手さはないが、普通の人にとっては安い車ではない。昂輝の収入は、世間で言えば十分に上位だ。ただ――玲奈のそばには、智也と拓海がいる。昂輝はどうしても霞んでしまう。昂輝が車を降りてきた。今日は珍しく正装だ。黒いコートの内側はスーツ。応援飯というより、どこか見合いに来たみたいだった。なぜだろう。その姿を見た瞬間、智也は玲奈を行かせたくない気持ちが湧いた。だがもう許可している。歯を食いしばり、黙っているしかない。昂輝は大股で玲奈の方へ近づく。コートの裾が風に揺れ、前髪も整えられて額が見える。整った顔立ちに、そのコートがよく似合い、まるで絵から抜け出したようだった。玲奈は近づいてくる昂輝を見ながら、智也に言った。「帰っていいよ。私、先輩とご飯に行くから」その言葉に、智也の胸が痛んだ。拒みたい。けれど無理に飲み込み、頷いた。「……うん」昂輝が目の前まで来ると、智也は彼に視線を向け、笑みを浮かべた。「東さん。妻にご馳走してくれて、ありがとう。妻のこと、お願いするよ。あとで迎えに来るから、東さんが送る必要はないよ」軽い口調なのに、言いたいことは全部入っている。玲奈は自分の妻だ。迎えは自分が行く。その短い言葉で、昂輝の芽を摘む。昂輝は智也の意図を汲んだ。返事もしない。智也のほうも見ない。玲奈は智也の言葉を気にせず、階段を下りて昂輝のほうへ向かった。だが数歩進んだところで、また智也の声が飛んだ。「玲奈、ちょっと待って」その声を聞いた瞬間、玲奈は思わ

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