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ピロトーク:不満満載なボク2

ผู้เขียน: 相沢蒼依
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-07-05 16:35:01

(――マジでムカつくなぁ、もう!)

 イライラを消化すべく右手親指の爪を噛み噛みし、ノートパソコンの画面に向き直った。

「なぁこのBGM、昼間っからなにエロい話を、大音量で流してるんだ?」

「ぜんっぜん、エロくないし! むしろ聴いてて、仕事がばりばり捗っちゃうんですけど」

 郁也さんは呆れた声で言いながら、着ていた上着をハンガーにかけていく。横目に映るそれを見ながら、同じように呆れた声で返してやった。

「あっそ。それは良かったな」

 良かったなと言いつつ、口調は全然良さそうじゃない。

 口を尖らせる僕を尻目に、袖をぐるぐるとめくって、ネクタイをワイシャツのボタンとボタンの間にねじ込むと、ため息ひとつついて台所に立った郁也さん。

「どーせメシ食ってないんだろ。今から作ってやる。ちょっと待ってろ」

 いきなりの餌付け宣言――恋人ならまずは、ただいまのちゅーをしたり、抱きしめあったりするんじゃないの。

 付き合って、半年以上経ってる僕たち。初々しい気持ちは、どこへやら。なのかな……。

『なぁ、キスしてって言ってみ?』

 空気を読むのが無理なハズなのに、スピーカーから僕の望むセリフが艶っぽい声で流れる。

「涼一、悪いけどそのBGM、ちょっとだけボリューム落としてくれないか? 気になって、包丁の手元が危うくなる」

「いやだね。今ちょうどいい、イメージが沸いてきてるんだ。邪魔しないでよ」

 とは言ったものの――パソコンの画面は相変わらず某サイトを表示したままで、執筆する気配がないのは、手に取るようにわかるだろうな。

 微妙な雰囲気の中、男の甘いため息とリップ音が、室内響きまくった。ドラマの展開的には、もういいコトをヤりまくってますって感じ。

『……んっ、はぁはぁ……俺の声が、傍で聴きたいって?』

 大音量で聴いているのに、耳元で囁かれるような、切ない声が特大音で流れる。すっごく手が込んでるんだな、思わずドキドキしちゃった。

(――だけどドキドキするなら、郁也さんの声でしたいのに)

「やっぱ、ダメ。昼間からこんなエロいの聴いてたら、頭が変になる」

 よく言うよ。昼だろうが夜だろうが、以前なら関係なく襲ってきたくせに!

 郁也さんは僕の傍を足早に通り過ぎ、オーディオの電源をご丁寧にブチ切った。

「もぅ、なにやって――」

 くれちゃうんだよと文句を言おうとしたけど、それ以上言葉が出なかった。頬を赤らめて僕のことを見つめる、困惑した顔がすべてを表している。

「郁也さん……なんて顔してんだよ。普段、エロエロな文章を読んでるクセに」

 こんなの序の口だろ、編集者なら。

 と言葉を続けたのに、なぜか郁也さんは黙りこんで下を向く。普段から無口な人なので、なにを考えてるのか、全然わからないんだよな。

「あーあ、せっかく執筆熱が上がったのに急降下だよ。誰かさんのせいで」

 机に頬杖をついて背中を向けたまま、次々と文句を言ってやる。僕の担当として、それって、さいてーじゃね?

「イヤだったんだ、だって――」

「なぁにが?」

「お前に似てるから。流れている声が、さ」

「はあぁ!?」

(――自分で自分の声がわからない。……つぅか、こんな魅惑的なボイスしていないってば)

「郁也さんあのさ、ちゃんと耳をほじったほうがいいんじゃないの?  僕はこんな声、絶対にしていないって」

 相変わらず立ち尽くす郁也さんの傍に行き、憐れみを込めて優しく肩を叩いてやる。そんな僕を、ちらっと振り返って見たんだけど、顔が赤いままだった。

 なんかこっちまでムダに、照れが移る。つーか耳をほじった方がいいの、自分だったりするのかな――。

「なぁ、キスしてって言ってみろよ」

「へっ!?」

 素っ頓狂な声を上げたら、郁也さんは振り向きながら渋い顔をして腰に手を当てつつ、僕を見下ろした。

 郁也さんに言ってほしかったセリフを、どうして自分から言わなきゃならないんだ? 突然すぎてドキドキする暇もなく、しかも僕に強請るなんて、折角のセリフが台無しじゃないか。

「涼一と同じ声かどうか、俺が検証してやる。ほら、早く言え」

 そんなものわざわざ検証しなくていいのに、細かいトコにこだわるんだから、まったく――。

「……キス、してよ」

 自分から強請るようなセリフを言ったことがなかったから、猛烈にハズカシくて横を向いて言ってしまった。

「…………」

「ちゃんと言ったからね。どうなのさ?」

 薄すぎる郁也さんの反応にイライラしながら、向かい合った顔に目掛けて文句を言った刹那、腰に手が回され抱き寄せられた体。うわっと思った矢先に、強引にキスされる。

「……っ……ん、ぁあっ」

 遠慮なく唇の隙間から舌をねじり込み、イヤらしく絡んでくるそれに翻弄されて、思わず甘い声が漏れた。

「やっぱ同じ。すっげーエロい声、出てるけど」

「ちっ、違っ」

「あんなBGMを流して、今もそんな声を出して、ワザと俺を煽ってるんだろ?」

 嬉しそうに喉で低く笑うと、僕をフローリングの上に組み敷いた上に素早く跨る。見つめてくる視線から、欲情がこれでもかと溢れまくってて、思わず喉を鳴らしてしまった。

 背中はちょっとだけ痛いけど、その痛みすら今は快感に変わろうとしていて。

「俺がお前のこと大事に思ってるのに、無神経なことばかりしやがって」

「そんな、こと」

「してる、してる。余裕ぶっこいて俺を見てる態度も、すっげームカつくしな」

 言いながらTシャツの裾をめくって、郁也さんの指先が直に肌に触れた。

「やっ……ぁあ」

 余裕なんて全然ないのに――触れられた肌が、どんどん熱を持っていき、体中で郁也さんを求めてしまう。

「悪いけど今日は、執筆させられない。今まで我慢した分だけお前を――」

 郁也さんは僕の耳元で甘く囁き、髪にキスを落として顔を見つめる。

 無理強いな状況にイヤだと文句を言いかけた唇を、しっかり口づけで封印されてしまう。封印された唇に、蕩けるように熱くて、甘いキスをしてくれた。

 両腕を首に絡めて求めながら、身を委ねていたら――。

 ピンポーン、ピンポーン!

 その音にお互い、顔を見合わせる。

(――このタイミングでの来客、お願いだから無視してほしい!)

 そう思ったのに来訪者は遠慮なく。非情にもピンポンを押し続けたのであった。

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