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197食目

Auteur: はるくぼ
last update Date de publication: 2026-09-25 13:07:09

 春の公式戦。

 新シーズンの幕開けとして行われる、県内独自の一戦。

 昨年のインターハイ予選王者と、選手権予選王者がぶつかる、いわば王者決定戦。

 ただし昨年、その両方を制したのは常盤台だった。

 だから今年の相手は、選手権予選準優勝校――明誠高校。

 スタンドには、新年度最初の公式戦らしいざわめきが広がっていた。

 夏冬二冠。

 天根蓮。

 桐生海翔。

 去年の常盤台の象徴を、誰もがまだ覚えている。

 だからこそ見られる。

 今年の常盤台は、去年を超えられるのかを。

 ピッチに立ちながら、蓮は静かに前線を見渡した。

 左には黒木。

 右には三上。

 中央には佐倉。

 能力は足りている。

 問題は、まだ完成していないことだった。

 去年のような、迷いのない前線ではない。

 だが、それでいい。

 最初から完成している必要はない。

 ここから作る。

 審判の笛が鳴り、試合が始まった。

 序盤から、主導権は常盤台が握っていた。

 ボールは蓮を経由せずに回る。

 声だけではない。

 立ち位置、視線、身体の向き。

 それだけで、蓮が周囲の景色を揃えていく。

 ボールに
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