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第101話

Auteur: 小円満
「いくら? 十倍払う。だからそのドレスを譲ってほしい」

晴人は本気で大金を叩きつける気でいるようだった。

メイク担当者が言う。「ドレスのお値段は一億二千円です。でも、お金の問題というより、持ち主の方が……」

一億二千円? 十倍って、十二億円!?

私は慌てて晴人を止めた。「やめようよ。店内にドレスはいくらでもあるんだし、人の好きなものを無理に取らなくても」

「気に入ったんだろ?」

晴人は真剣な目でこちらを見つめる。「君が好きなら、十二億円でも構わないよ」

あまりの勢いに、私は苦笑しながら一語ずつ強調した。「わ、た、し、は、好、き、じゃ、な、い」

ちょうどその時、メイク担当者の視線が入口へ向き、突然とびきり丁寧な声を出した。

「時生様、優子さん!」

私と晴人は同時に振り返る。

優子と時生が前後して店に入ってきた。

私たちを見つけた瞬間、二人とも明らかに一瞬固まった。

特に時生は、複雑な目をして、しばらく私をじっと見つめていた。

優子がふわりと笑って言う。「まあ、偶然ですね。昭乃さんも来てたんですね? こちら……彼氏さんですか?」

私が答える前に、晴人がさっと私
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