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第388話

作者: 木真知子
「......」井上は口を閉じて、「ファスナー」を引く仕草をして黙り込んだ。

「この3年、結局、俺は彼女に多くを背負わせてきた」

隼人は深くため息をつき、目を伏せながら呟いた。「少しでも返せるなら、それだけでいい」

夜が更けた頃。

桜子のプライベートヴィラでは、桜子の仕事にトラブルがあったと聞いた樹と栩が、それぞれの手を止め、急いで駆けつけてきた。

書斎では、栩が額に汗をにじませながらパソコンの前に座り、桜子から渡されたアカウントを追跡している。その指はキーボードの上でまるでピアニストのように動き続けていた。

一方、桜子はソファにゆったりと座り、樹とワイングラスを軽く合わせ、樹が持ってきた最高級の赤ワインを楽しんでいた。

「おいおい、君たち2人、さすがにひどすぎないか?」

栩は渇いた喉を鳴らしながら、抗議するように声を上げた。

「俺はこんな夜中に呼び出されて『道具』みたいにこき使われてるんだぞ!君たちは優雅にワインを飲んで楽しんでる。これ、普通に考えてもおかしいだろ」

2人が労うそぶりも見せない様子に、栩は仕方なくため息をつき、ふてくされるように言っ
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