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第5話

Author: ちょうといい
その瞬間、月子の身体がビクリと震えた。

恐怖に染まった瞳が私を射抜く。

彼女は突然両手で頭を抱え、獣のような悲鳴を上げた。周囲の視線を一斉に集めるために。

「早く!早く鎮静剤を打って!」

彼女は狂ったように叫ぶ。

「愛は火事のショックで幻覚を見てるのよ!言ってることは全部デタラメ!信じちゃダメ!」

しかし、誰も動かない。

むしろ、周囲の人々は困惑と猜疑を含んだ眼差しを月子に向けていた。

今の彼女の錯乱ぶりは、私よりもよっぽど常軌を逸して見える。

月子の表情が引きつり、ヒステリックに叫び続ける。

「私は医者よ!患者より私を疑うの!?」

警官たちは顔を見合わせ、慎重に私に語りかけた。

「……愛さん。あなたの精神状態も含めて確認が必要ですので、やはり一度署までご同行願います」

月子が露骨に安堵のため息をつくのが分かった。

私は必死で彰のストレッチャーにしがみついた。

「献体センターの人が来るまで、私はここを動きません!」

敏子が顔を般若のように歪めた。

「いつまで彰にしがみついてるんだい!さっさと失せな!」

小林が私の腕を掴んだ。

凄まじい力で引き剥がさ
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